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ワインズバーグ、オハイオ 新潮文庫

シャーウッド・アンダーソン(著者), 上岡伸雄(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2018/06/28
JAN 9784102201510

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ワインズバーグ、オハイオ

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2022/12/31

19世紀アメリカ西部の田舎町、ワインズバーグ。新聞記者の若者ジョージ・ウィラードを中心に、町に住む「いびつな者たち」の物語を綴る連作短篇集。 この作品に描かれた「いびつな者たち」とは、大きく括って社会的なマイノリティーの人たちを指しているのだと思う。さまざまな理由ではぐれ者扱...

19世紀アメリカ西部の田舎町、ワインズバーグ。新聞記者の若者ジョージ・ウィラードを中心に、町に住む「いびつな者たち」の物語を綴る連作短篇集。 この作品に描かれた「いびつな者たち」とは、大きく括って社会的なマイノリティーの人たちを指しているのだと思う。さまざまな理由ではぐれ者扱いを受けている人たち。「手」のビドルボームや狂言回し役のジョージが抱える葛藤から、〈男らしさが至上の世界からこぼれ落ちた人びと〉というテーマを受け取った。ヒーローにも不良にもなれず、世間から賞賛されるようなことはひとつも成し遂げられない苦しみ。〈落ちこぼれ〉のなかには当然〈女〉も入ってくる。 ジョージの母エリザベスを主人公にした「母」からものすごいのだが(一つ前に置かれた「紙の玉」との対比がのちのち「死」で効いてくる構成も見事)、「狂信者」の息子を愛せない女性ルイーズの描き方には本当にギョッとした。赤ん坊が「家に侵入してきた人間の欠片のようなもの」に見え、「これは男の赤ん坊だから、欲しいものを自分で手に入れるわよ」「これが女の子だったら、どんなことだってしてあげるでしょうけど」と言い放つルイーズ。でもこの小説はネグレクトする母親を断罪しない。100年前の男性の手で書かれたと思えないくらいフラットに彼女の鬱屈した感情に寄り添っている。 ルイーズの反対目線、つまり女性を妊娠させた責任から逃れきれなかったことを後悔し続けている男性レイの物語「語られなかった嘘」もしっかり入っていて、最後の段落でタイトルが回収されるとレイへの悪感情がすべて霧散し、寂しさだけが残る。男と女、それぞれに押し付けられた役割とそこから逃れようとする〈弱さ〉を描き、解放されたいという願望も「タンディ」のように新しい言葉を創りだして提案する。「冒険」のアリス、「教師」のケイトなど当時ならまだオールドミス扱いを受けただろう年齢の女性たちの苦しみも、なんと現代的に描写していることか。 田舎町に住む変人たちを観察する青年の成長物語ということで、サローヤンの『僕の名はアラム』に近くもあるが、サローヤンが人種的マイノリティのコミュニティをどこかユートピア的な連帯感のある場所として書いているのに対し、『ワインズバーグ、オハイオ』は一人ひとりが孤独な星のように描きだされる。だからこそ、「見識」でジョージとヘレンが無言のままお互いに敬意を示し合う場面の美しさが胸に迫るのだ。「それぞれの心には同じ思いがあった。『この寂しい場所に来たら、この人がいた』」。 さまざまな生きづらさにスポットを当て、架空の町ワインズバーグに息を吹き込んだ古典的名作。ミルハウザーの芸術家小説や、ルシア・ベルリンの刺すようなユーモアなど、自分の好きな現代小説が描く〈孤独〉のルーツがここにあるような気がした。

Posted by ブクログ

2022/09/07

1919年に発表された小説だとは思えないほど現代的。 頭に全く入ってこない話もいくつかあったが、「変人」、「神の力」、「品位」は特に良かった。

Posted by ブクログ

2021/08/01

19世紀後半(推定) オハイオ州ワインズバーグ――架空の地名――に暮らす人々の 悲喜こもごもが、 主に地元新聞の若き記者ジョージ・ウィラードの目線で描かれる 掌短編連作集。 地味だが奇妙な味わい深さがある。 流行らなくなったホテルの経営に悩みつつ 打開策を見いだせない女性(ジョ...

19世紀後半(推定) オハイオ州ワインズバーグ――架空の地名――に暮らす人々の 悲喜こもごもが、 主に地元新聞の若き記者ジョージ・ウィラードの目線で描かれる 掌短編連作集。 地味だが奇妙な味わい深さがある。 流行らなくなったホテルの経営に悩みつつ 打開策を見いだせない女性(ジョージの母)、 スキャンダルで職場を追放された元教諭、 ほとんど診察しない医師、 狂信的に神を愛す農場主と、それに反発する家族、 流れ物の身の上話と教訓に深く感じ入る女児、 心の平衡を失った牧師の強硬策、etc。 興味深いのは、人間関係が密な昔の田舎町を舞台にしながら、 本当は誰も共同体内の真実を知らない、 といったストーリーになっていること。 これは作者が利かせた黒いエスプリなのかもしれないし、 事件の背後に子に対する親の過干渉が潜むケースもあって、 ううむと唸らされた。 最も共感したのは、 職を求めて大都会へ出た初めての恋人ネッド・カリーを想い続ける アリス・ハインドマンの奇行を綴った「冒険」。 自分の生活に変化が起きないことに虚しさを覚えたものの、 我に返った彼女は結局、一人で生き、 死んで行かねばならない事実を痛感する、という……。

Posted by ブクログ

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