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怠惰の美徳 中公文庫

梅崎春生(著者), 荻原魚雷(編者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2018/02/01
JAN 9784122065406

怠惰の美徳

¥440

商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

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2023/10/21

 随筆+短編小説集。自身を怠惰だと自嘲しているものの、著者が生きていた時代背景を考えつつ本書を通読すると、怠惰であることが許されない世相を、必死の努力で怠惰に生きていた、ということがひしひしと感じられる。若い時には西欧の芸術に遊んでおきながら晩年に俳句や擬古文に耽る先人たちを嫌悪...

 随筆+短編小説集。自身を怠惰だと自嘲しているものの、著者が生きていた時代背景を考えつつ本書を通読すると、怠惰であることが許されない世相を、必死の努力で怠惰に生きていた、ということがひしひしと感じられる。若い時には西欧の芸術に遊んでおきながら晩年に俳句や擬古文に耽る先人たちを嫌悪し、「私は日本人であることよりも、人間であることに喜びを感じたいのだ」(p99)と宣言する『哀頽からの脱出』、戦時中にも居酒屋の開店待ちをする行列が出来ていたことがわかる、当時の横寺町の名物酒場であったお店の客層の描写も楽しいルポ『飯塚酒場』、怠惰であることからの著者なりの決別の過程が描かれた『防波堤』が読み応えあり。

Posted by ブクログ

2023/02/19

怠惰というものは誰にでも思い当たる節がある感情で、大抵は自分の怠惰を目の当たりにすると後悔で胸が痛くなる。私も洗濯物はすぐ干せずに同じものを何回もまわすし、図書館で借りた本を毎回延滞するというような典型的な怠惰癖を持っているが、梅崎春生の怠惰は一味違う。 この本は自らの怠惰もしく...

怠惰というものは誰にでも思い当たる節がある感情で、大抵は自分の怠惰を目の当たりにすると後悔で胸が痛くなる。私も洗濯物はすぐ干せずに同じものを何回もまわすし、図書館で借りた本を毎回延滞するというような典型的な怠惰癖を持っているが、梅崎春生の怠惰は一味違う。 この本は自らの怠惰もしくは怠惰と共に過ごした人生や生活、思想などに思いを巡らせた随筆となっており、梅崎の人生を垣間見るようですごく面白い。 一日中床に臥せっている日もあるし、病気で安静に秋までは酒を飲むなと医者に言われたのに、なぜか旧暦の秋から酒を飲めば良いかとなって8月初めには嗜んでしまう。でもそんなに怠惰なのにちゃっかり妻と子供がいるところもなんだか腹立つ。 梅崎のどうしようもない面も好きだが、ところどころに戦中戦後の日本社会に対する熱を感じる文章と感情が散見されて、そこにすごく心を動かされる。 特に、「世代の傷跡」「衰頽からの脱出」「人間回復」。これらが令和の日本社会にも通じる言説で身震いした。私の感じていた澱を綺麗に言語化してくれた短編だった。今の日本も否定したくないし歴史の全てを肯定したくはない。けれども明治維新以来の日本の近代化による成長から二度の大戦とその内の敗戦を経た日本を「未熟な完成形」と呼称した梅崎の感覚は全てが間違いでないなと納得せざるをえない。 他はユーモアで包んだ回想や日記が多く、真剣に読むというよりクスッと笑ってしまう短編も多く、梅崎の他作品も是非とも読みたくなった。 歴史や文化は繰り返すという。それが良い時代もあれば、傷痕をひらいて今度こそ国が滅びてしまう時もある。先人が残したその時代の感覚を今一度呼び覚ますことが今生きている私たちにとって大切なことではないだろうか。いつまでも先を生きてくれている人たちが残した声に耳を傾けるべきである。

Posted by ブクログ

2022/07/10

がんばらない。楽していい。たっぷり休め。戦争するな。日本すごいって勘違いするな。年寄りの言うことは聞かなくていい。 今の時代こそ、梅崎文学が必要。

Posted by ブクログ

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