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木のぼり男爵 我々の祖先 白水Uブックス

イタロ・カルヴィーノ(著者), 米川良夫(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2018/01/25
JAN 9784560072110

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商品レビュー

3.7

7件のお客様レビュー

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2024/04/20

奇想天外、彼は本当に木の上から降りなかった(……のか?)。恋も革命すべて木の上、というコピーに偽りなく、歴史や時代も、皮肉を交えて活写している、超絶技巧。イタリアやフランス革命の歴史についてもう少し細かい知識があればもっと面白く読めたと思う。

Posted by ブクログ

2022/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 読み始めると周囲に木々が繁り空が葉で覆われ枝が伸びて向こうまで広がってゆくような気がした。面白い。あらゆる木が出てきて様々描き分けられていた。山猫や狼、りす、シジュウカラ、いろんな動物が出てきた。コジモは猟をし、本を読んだ。人との出会いと悲しい別れがたくさんあった。  恋人もできた。しかし、コジモはまあ何でああいう人を好きになってしまうのか、気立ての良さそうなお嬢さんとは結ばれずに。反抗から木の上に登ったのに、思想まで放埒ではなく、自分の決めた事に決して反しないことから、(ブロンドの)西洋古典的美女への愛という形式に忠実でそこにしか愛の基準を置けなかった人ととるか、己の理想に忠実だからこそ結ばれないとわかっている人と恋に落ちたととるか。ヴィオーラはギラギラの宝石のような、奔放で高貴で魅力的な人だけれど、コジモはそうではなかった。  木の上の生活は苦しく厳しくも気ままではあり、仲間も得、あらゆる物を地上から持って上がり、本棚を木に据え付けて、新聞を発行した。戦争や革命もやってきて、フリーメイソンにもなった。コジモの人生は最後の瞬間まで波乱に満ちていた。そして彼はとても愛すべき変人だった。  読み終わるのが寂しくて最後のページが来た時動揺した。それでもよどみなく綴られる美しいメロディのような文は、オンブローザの空をかつて覆った木々を弟ビアージョのイメージするまま(であるかのよう)にわたしのまぶたの上に蘇らせ、そのまま静かに本を閉じ思いに耽った。また本を開けばそこにそれが在ることに少し慰められる。愛おしい本。

Posted by ブクログ

2022/02/28

12歳で木に登り、永くを過ごした人間の記録。 木の上から降りないという奇行とも取れる生活を送っているのにも関わらず、他者との交流は良好 少し変わった行動をしていても人として分かり合える、平和とはこういうことでは。 ノーベル賞取ってないことに驚くくらい。

Posted by ブクログ

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