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あひる
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あひる
¥220
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商品レビュー
3.6
124件のお客様レビュー
やっぱり今村さんの本好きだわー 『あひる』という可愛い動物にもかかわらず胸の奥が何故かザワザワ…モヤモヤ… こういう気持ちにさせるのが今村さんなんだよね 書き下ろしされてた他2篇は児童文学っぽいけど 奥の深い内容でした 読めばきっと自分のおばあちゃんを思い出します 森の兄妹の...
やっぱり今村さんの本好きだわー 『あひる』という可愛い動物にもかかわらず胸の奥が何故かザワザワ…モヤモヤ… こういう気持ちにさせるのが今村さんなんだよね 書き下ろしされてた他2篇は児童文学っぽいけど 奥の深い内容でした 読めばきっと自分のおばあちゃんを思い出します 森の兄妹のお母さんが最後モリオの気持ちに気付いてくれて本当に救われた気分でした
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「あひる」 あひるの「のりたま」が家に来て以来、近所の子供たちが家に遊びに来るようになる。子供たちのおかげで静かだった家が活気づいて、父も母も嬉しそう…ほのぼのとした物語のように見せかけて、なにかがおかしい。 主人公の「私」はずっと家で医療系の資格の勉強をしているようだけど、まだ...
「あひる」 あひるの「のりたま」が家に来て以来、近所の子供たちが家に遊びに来るようになる。子供たちのおかげで静かだった家が活気づいて、父も母も嬉しそう…ほのぼのとした物語のように見せかけて、なにかがおかしい。 主人公の「私」はずっと家で医療系の資格の勉強をしているようだけど、まだ一度も働いたことがないと言う。弟が結婚して8年。一体何歳なんだろう。窓から「私」の顔を見た子供が「人がいる!」と驚いていたり、弟が子供ができたということを報告しに来た時わざわざ「私」に席を外させているのも気になる。 あひるののりたまは、具合が悪くなるたびにどこかへ連れていかれて、帰ってくるたびに別のあひるに代わっている。両親は、のりたまに寄って来る子供達を孫の代わりにしていたのかな。だからのりたまが死ぬたびに新しいのりたまを調達してきた。でも最後に弟に子供ができて本当の孫を手に入れられたから、4匹目ののりたまは来なかったし、あひる小屋も撤去された…って思ったら、だいぶ闇深い話だった。 弟も家庭内暴力を繰り返すような男だし、姉(私)は空気扱いだし、この家族の幸せな未来が見えてこない。 「おばあちゃんの家」 みのりのおばあちゃんは同じ敷地内の別の建物に一人で住んでいる。そこは「インキョ」と呼ばれ、洗ったおばあちゃんの洗濯物を運んでいくのがみのりの日課だ。時にはインキョで宿題をしたりお菓子を食べたり、みのりとおばあちゃんは仲良しだけど、みのり以外の家族はおばあちゃんのことを腫れ物に触るような扱いをしている様子。 「インキョ」はおばあちゃんを隔離しておく座敷牢みたいな感じなのかなと想像した。足が悪かったはずのおばあちゃんなのに、最後はめちゃくちゃ元気に動き回っている謎。まさか、おばあちゃんもあひるみたいに別のおばあちゃんに入れ替わってるわけではあるまいな…?ラストで文や場面があちこちに飛ぶのが認知症の人の話を聞いてるみたいで怖い。 「森の兄弟」 「おばあちゃんの家」と繋がっている話。モリオとモリコという兄弟がびわの実につられて入り込んだ場所は「インキョ」のあるおばあちゃんの家だった。 窓越しにおばあちゃんと交流を深めるモリオだけど、結局最後は母の買ってくれた漫画の方に興味が移ってしまい、おばあちゃんとの交流は終わる。 孔雀(に見える雉)は何かの暗喩…? 今回も全体的にどういうことなの……という感想しかないんですが、今村夏子さん…やっぱり好きです。
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よくないことが起こる予感でずっとぞわぞわしてしまう。あひるののりたまを見にくる近所の子どもたちと父母の楽しいはずの交流が、不穏な空気で充満している。
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