1,800円以上の注文で送料無料

  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

吸血鬼

佐藤亜紀(著者)

お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する に追加 に追加する

定価 ¥2,035

¥385 定価より1,650円(81%)おトク

獲得ポイント3P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2016/01/01
JAN 9784062199186

吸血鬼

¥385

商品レビュー

4

20件のお客様レビュー

レビューを投稿

2022/04/14

十九世紀の、ポーランドの小さな村・ジェキの役人として赴任してきたゲスラー。かつて詩人として名を博したクワルスキが領主として治めるその村で次々に起こる不審な死。村人たちの不安を取り除くためにゲスラーが提案する慣習は、ただの迷信なのかそれとも……? 陰鬱な雰囲気の小説です。 タイトル...

十九世紀の、ポーランドの小さな村・ジェキの役人として赴任してきたゲスラー。かつて詩人として名を博したクワルスキが領主として治めるその村で次々に起こる不審な死。村人たちの不安を取り除くためにゲスラーが提案する慣習は、ただの迷信なのかそれとも……? 陰鬱な雰囲気の小説です。 タイトルがあからさまにこれなので、ああそういうことなの、と思って読んだけれど。実はそうじゃないのかも。続く不審死といい怪しい影といい、いかに「いそう」な雰囲気はこれでもかというほどに漂っているのですが。この時代のこのような村では、これくらいの死は珍しいものではなかったのかもしれないし。因習や迷信に囚われていることもありがちな気がして。「吸血鬼」というのは一種のたとえでしかなく、だけど怪物である「吸血鬼」と同様に恐れられている存在でもあったのでしょうか。いや、むしろそれよりも切実に恐ろしいのかもしれません。 ホラーだと思い込んで読んだら期待外れですが。ホラー好きにもこの雰囲気はかなり好みでした。暗くてじめじめした印象だけれど、美しさも充分に感じられます。

Posted by ブクログ

2019/05/28

19世紀ポーランドの話。美しい田舎町に新任役人として赴任してきたヘルマン・ゲスラーとその妻を取り巻く周囲の物語。美しい田舎風景、村人の悲惨な生活、田舎ならではの風変わりな風習、それらを良い方向へ導こうとするゲスラーと、かつて詩人であった領主との隔たり。独立蜂起に揺れる村、生活の格...

19世紀ポーランドの話。美しい田舎町に新任役人として赴任してきたヘルマン・ゲスラーとその妻を取り巻く周囲の物語。美しい田舎風景、村人の悲惨な生活、田舎ならではの風変わりな風習、それらを良い方向へ導こうとするゲスラーと、かつて詩人であった領主との隔たり。独立蜂起に揺れる村、生活の格差から生まれる領主と農民の思想の違い、様々な人の思惑が混沌となり物語は進んでいく。「吸血鬼」と題されているがホラーではない。実際の吸血鬼も出てこない。人間の持つ闇を示唆しているのであろうか?佐藤亜紀氏の小説は物語の背景や登場人物の紹介などを敢えて書き込まないのに読み進めるうちに自然とその物語の全体像の中に連れ込まれる。この小説も面白かった。

Posted by ブクログ

2018/07/01

タイトルは吸血鬼という私の好物、カバーもダークでトワイライトシリーズのような雰囲気だったので、すっかり耽美系の吸血鬼ものかと期待して読み始めた。舞台は1846年あたりの現ポーランド、当時はオーストラリア帝国統治下のガリツィア。地主のクワルスキ(Kowalskiというベタなポーラン...

タイトルは吸血鬼という私の好物、カバーもダークでトワイライトシリーズのような雰囲気だったので、すっかり耽美系の吸血鬼ものかと期待して読み始めた。舞台は1846年あたりの現ポーランド、当時はオーストラリア帝国統治下のガリツィア。地主のクワルスキ(Kowalskiというベタなポーランド名、そういえばうちの近所のポーランド系社長のスーパーマーケットがコワルスキーって名前だった)とその土地に送られてきた新任の帝国役人のヘルマン・ゲスラー。ヘルマン・ゲスラーというとウィリアム・テルに出てくる有名なハプスブルク家に仕えたオーストリア人悪代官(架空の人物)。こいつのせいでスイスの独立運動が盛り上がって、結局独立するという筋。この名前が出てきた時点でちょっと出来過ぎな筋が心に浮かんでしまう。ともかく、最初に地元の民マチェクの父親が出てきて語る場面(p41)で、父親が素晴らしい新潟弁を話すので、慌てて作者のプロフィールを調べてみたら、なんと栃尾出身。そこから時折語られる地元民会話シーンがイントネーションも結構正しく脳内再生していると自負してますが(ほんまか)。非常に興味深いストーリーですが、読めども読めども所謂吸血鬼はでてこない。で、後半p205、バルトキエヴィッツ曰く「姿形は泉の精」だが、体内に異物を飼う「下等な動物的器官を備え」、「人間は寄生虫のようにその胎に取り付」いて、10ヶ月ほど「ちゅうちゅうその体液を吸って肥え太る。」と、人間を血を吸う蚤に例えるので、これがタイトルなのだなと、そうするとカバーは妊婦に見えてくる。もちろんウピールの伝説を信じている人々によってイベントが起きはしますが、実際に人外のものが出てくることはない。私としてはゴシックで耽美なアンライスや菊池系の吸血鬼の話が読みたかったんだが、真面目に面白い小説ではありました。所謂モンスターの出てくる伝奇小説よりも、こういう人間の本性がダダ漏れになるタイプの小説のほうが背筋が凍り、後味悪いです。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品