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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2016/01/18 |
JAN | 9784003118429 |
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墓地展望亭・ハムレット 他六篇
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墓地展望亭・ハムレット 他六篇
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「骨仏」 ぞぞ~ という気配。 太平洋戦争中、陶芸家は機銃掃射された細君を自分の窯で焼いた。大勢がやられたので火葬の順番が回ってこなかったからだ。陶芸家は磁器で白色を出したい。その白は人間の骨を混ぜるのがいいという。その彼がこの疎開先で寝たきりの俺を見舞いにきている。俺は先手を打...
「骨仏」 ぞぞ~ という気配。 太平洋戦争中、陶芸家は機銃掃射された細君を自分の窯で焼いた。大勢がやられたので火葬の順番が回ってこなかったからだ。陶芸家は磁器で白色を出したい。その白は人間の骨を混ぜるのがいいという。その彼がこの疎開先で寝たきりの俺を見舞いにきている。俺は先手を打って言ってやった・・ 「虹の橋」 なんだか悲しい話。 刑務所内で生まれた子は、何割かが母の苦役の場所である刑務所に戻ってくる伝説があり旧刑法時代には「実家帰り」と言われていた。真山あさひも25年前、栃木刑務所で生まれ、母はあさひを産むとすぐ死んだが、昭和28年7月の今、その栃木刑務所で女児を分娩した・・ あさひ自身は犯罪など犯さなかったのだが、その訳は・・ 映画にしてもいいかも。 「骨仏」:「小説と讀物」1948(昭和23)年2月号 「虹の橋」:「オール読物」1956(昭和31)年8月号 2016.1.15第1刷 図書館
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1937(昭和12)年-1956(昭和31)年に発表された作品を収めた短編小説集。 初めて読む久生十蘭作品で、私はこの作家を探偵小説の作者と思い込んでいてのだが、本書を読み始めてびっくりした。最初の3つの短編「骨仏」(1948)「生霊」(1941)「雲の小径」(1956)は、...
1937(昭和12)年-1956(昭和31)年に発表された作品を収めた短編小説集。 初めて読む久生十蘭作品で、私はこの作家を探偵小説の作者と思い込んでいてのだが、本書を読み始めてびっくりした。最初の3つの短編「骨仏」(1948)「生霊」(1941)「雲の小径」(1956)は、驚くべき純粋芸術としての結晶だったのだ。この作家、かなり推敲を重ね改稿するらしく、ごく短い簡潔な言葉の中に、実に芳醇な意味とニュアンスが込められており、その簡素な豊かさはたとえばシャルル・ケクランの音楽を思わせる。こんな見事な芸術小説を書く人だったのか!と愕然とした。なんだこの作家は!? が、久生十蘭の作風は全ジャンルを横断するような多岐にわたるものらしく、明らかに娯楽小説と思われるような作品も入っている。相変わらず推敲しまくっているのかもしれないが、文体が芸術の域にまで達しているとは思えないものもある。芸術性の高いものと比べると、アイディアとストーリーの作品はやや美しさに欠け、玉石混淆の短編集のように感じた。 本巻の中でエンタメ系に属するものにおいては、「ハムレット」(1946)が優れている。あるいはミステリに属する作品で、文体はそんなに素晴らしくはないが、構成等よく出来ていて、この時代にしてはずいぶんと秀でた小説と思った。 作風が雑多にも感じられるが力量は傑出している。多彩すぎて正体が掴めない感じが、この作家を文学史上、一部の熱狂的な愛好者を除いてさほど重要な作家と目されなかった原因かもしれない。 この得体の知れない作家の作品を、これからいろいろ読んでみようと思う。
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図書館で。 面白くない訳じゃないんだけれどもなんか尻切れトンボという印象の作品が結構あったかも。もっとこう、盛り上がるオチとかを期待してしまった。 骨仏 短編。でもこれが一番作品としての完成度が高く感じた。短いけれども台詞や描写で登場人物の因果関係がはっきりそうとしれる感...
図書館で。 面白くない訳じゃないんだけれどもなんか尻切れトンボという印象の作品が結構あったかも。もっとこう、盛り上がるオチとかを期待してしまった。 骨仏 短編。でもこれが一番作品としての完成度が高く感じた。短いけれども台詞や描写で登場人物の因果関係がはっきりそうとしれる感じが良いな、と。 生霊 これは狐に騙されたんだろうか。お盆に生霊が帰ってくる。自分の記憶では無い記憶がよみがえる。よく考えるとちょっと怖いけれどもなんか明るい感じのお話。 雲の小径 夢のような、でも本当のような。雲の小径から落ちたら彼は助からなかったのかな。 墓地展望亭 ゼンダ城の虜とか巌窟王みたいな中世感あふれる舞台背景。でも王女様との恋のロマンスがえらいお手軽な感じ。男性なら一夜の恋もアリかもだけど未婚の女性(しかも高貴な身の上)がソレっていいのかしらん。どちらかと言うと逃げ出す方が盛り上がりそうなんだけど男性側だけ盛り上がって再開後はお手盛りチャンチャンってのもな~ なんか勿体ない感じ。 湖畔 なんかしみじみ怖い。こういう男がモラハラって言うのかなぁ?何が良くて奥さんこんなのと結婚したんだろ、というレベルの身勝手で精神的に幼稚で見栄張りな中々にサイテー男。まあ、本人たちが幸せなら良いんだろうけどこんな女居ないだろうな、ウン。 ハムレット 狂気なのか正気なのか。墓から起こされたハムレットが幸福かどうかは確かに疑問。これもろくでもない女性ばかりだな。 虹の橋 名前を取り違えられてしまう女性のお話だったハズ。う~ん、彼女が何をしたわけでもないのに中々ツライ話。これでいいのかな、となんとなく歯がゆいラスト。 妖婦アリス芸談 なんかこういう人居るよなぁ。どこそこの何さん?知ってるよ、俺があった時にはまだヒヨっ子で箸にも棒にも掛からなかった、とかプープー言う人。そんな感じ。それにしてもこの作者は無実の女性が刑務所に入るってシチュエーションに何か思い入れでもあったのだろうか?
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