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D.H.ロレンス幻視譚集 平凡社ライブラリー832

デーヴィッド・ハーバート・ローレンス(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 平凡社
発売年月日 2015/09/01
JAN 9784582768329

D.H.ロレンス幻視譚集

¥1,155

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2018/11/29

イギリスの詩人・小説家、『チャタレー夫人の恋人』が あまりにも有名なデイヴィッド・ハーバート・ロレンスの作品中、 幻想的な趣の掌短編7編(5編+未完2編)と 詩2編を集めたオリジナル短編集。 皮肉とユーモアとセンチメンタリズムを感じ、 孤独に憧れつつ一人ではいられなかった人の面影...

イギリスの詩人・小説家、『チャタレー夫人の恋人』が あまりにも有名なデイヴィッド・ハーバート・ロレンスの作品中、 幻想的な趣の掌短編7編(5編+未完2編)と 詩2編を集めたオリジナル短編集。 皮肉とユーモアとセンチメンタリズムを感じ、 孤独に憧れつつ一人ではいられなかった人の面影が偲ばれた。 以下、収録中、完結している小説5編について。 ■喜びの幽霊  語り手は美術学校で出会った女性と友情を育み、  後年、結婚した彼女に招かれ、  彼女が夫や姑と共に暮らす屋敷を訪れたが、  そこには幽霊が出るという話で……。  一同はこの世に未練を残して死んだらしい女性の気配を  恐れていたが、  次第に考えをポジティブな方向にに切り替えていく。  もっとも、それには古い世代に  口出しを控えてもらう必要があったのだが。 ■メルクール山上の神メルクリウス  ドイツ南西部メルクール山に押し寄せた観光客に  ギリシャ神話の神メルクリウスが鉄槌を下す。  「ボーッと生きてんじゃねえよ!」(By チコちゃん)  といったところか。 ■微笑み  マシューは妻が静養するイタリアの修道院へ。  シリアスな状況下で非情に込み上げてくる  笑いの正体は、誰にとっても謎である。 ■島を愛した男  「島」で生まれ育ったカスカートは  環境が性に合わないと思い、自分の理想郷を作ろうと考えて、  35歳を目前に別の小さな島の所有者となった。  しかし、一人きりでは生活を維持できず、  あの手この手を繰り出すものの、  事態は一時的に改善されただけでより悪化していき……。  一人でいたいが一人では何一つ  満足に成し遂げられず、他人の手を借りては失望する男。  孤独が狂気を醸成する恐怖にリアリティを感じる。 ■もの  第一次世界大戦前、アメリカ、ニューイングランド出身の  エラズムス&ヴァレリー・メルヴィル夫妻は、自由と共に  古い歴史ある趣や物事の存在自体に備わる美にこだわって、  ヨーロッパで暮らし始めたが、  何かに躓く度に転居を繰り返し、仕切り直そうとする。  理想に拘泥するあまり蓄えを擦り減らし、  気がつけば子供も生まれ、最早二人とも若くはなく……  という、物質と消費と金と精神論を巡る皮肉な物語。

Posted by ブクログ

2015/09/28

『息子と恋人』『チャタレイ夫人の恋人』で知られるD・H・ロレンスの幻想短編集。ロレンスと幻想小説という、なかなか結びつかない組み合わせが面白い。とはいえ基本的に写実主義の作家ではあるので、幻想といっても妙にリアリティがあるのが面白い。 怪奇小説じみたモチーフを扱ってはいても、人間...

『息子と恋人』『チャタレイ夫人の恋人』で知られるD・H・ロレンスの幻想短編集。ロレンスと幻想小説という、なかなか結びつかない組み合わせが面白い。とはいえ基本的に写実主義の作家ではあるので、幻想といっても妙にリアリティがあるのが面白い。 怪奇小説じみたモチーフを扱ってはいても、人間関係の機微で読ませる『喜びの幽霊』や、島という場所に、過剰に執着する人間心理が寧ろ恐い『島を愛した男』、全編にわたってゆるやかな破滅の気配が漂う『もの』など、いっぷう変わった怪奇小説と言える短編が好みだった。

Posted by ブクログ

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