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「常識」の研究 文春文庫

山本七平(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2015/06/01
JAN 9784167903930

「常識」の研究

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商品レビュー

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2023/11/25

常識とは、簡単にいえばわれわれの日常生活の行動規範であり、同時にそれに基づく判断の基準である。 常識に関する限り、戦前も戦後も大差はないですから。そのことは、終戦時の日本人を思い起こせばすぐにわかるはずです、と。 戦前・戦後を通じていえることは、権威は消えたが常識は残った、 であ...

常識とは、簡単にいえばわれわれの日常生活の行動規範であり、同時にそれに基づく判断の基準である。 常識に関する限り、戦前も戦後も大差はないですから。そのことは、終戦時の日本人を思い起こせばすぐにわかるはずです、と。 戦前・戦後を通じていえることは、権威は消えたが常識は残った、 であり、これあるがゆえに日本が維持されていることを思えば、この常識は決して軽視すべきものではない。 と同時に、それに、落とし穴があることもまた事実でなのである。 気になったのは、以下です。 ・地球は食料不足に見舞われるであろうという警告は、エネルギー不足の警告と同じころ、同じ調子で口にされた。 ・今では、少々奇妙と思われるかも知れないが、戦争は長い間ロマンであり、讃美の対象であり、たとえ、それが悲劇であるにせよ、否定すべき醜悪の対象ではなかった。 ・革命といえば無条件で讃美された、革命のロマン、の時代も長かった。 ・人間が一面において、強い、感情的動物、であることは否定できない。そして、多くの場合の、感情、は必ずしもすっきりと割り切れるものでなく、愛憎両端とも言うべき複雑な様相を呈するのが普通である。 ・官庁がますますそのマル秘主義のガードを固めていったら、将来は、官庁に都合のいい情報しか国民に提供されないということになるであろう。 ・その結果、国民は官庁に依らしむべし、知らしむべからず、となるなら、否すでになっているなら、これは大きな問題である。 ・中東という世界を、その歴史と伝統を踏まえてそのまま直視すれば、至る所に以上のような面が見られ、それが互いに入り乱れて現在のような様相を呈していることがわかる。 ・新聞を読んでも、さっぱりわからない。という状態は、大変に良い状態であると思う。というのはその人は、少なくとも、わからない、ということは、わかった、からである。 ・それが、虚妄の納得から真の理解への第一歩であろう。 ・現代は、情報社会だという。しかし情報は、受け取る側にその意思がなければ伝達は不可能である。 ・この前提を無視した上で、その社会に情報を氾濫させ、取捨選択を各人の自由にまかせれば、人々は違和感を感じない情報だけを抜き出してそれに耳を傾け、他は拒否するという結果になる。 ・日本における政策決定者は、ゼネラリストであろうから、始めから専門的知識や専門的経験を持っていることを期待することは無理であるし、また、専門的な知識や経験を得るために必要な時間を確保することもほとんど無理である。 ・したがって、現代社会の持つ多くの複雑な問題に関して、政策決定者は専門家の助言を求める必要がある。 ・人の振り見てわが振りなおせ、という古諺には、人間とは他人のことはよくわかるが、自分のことは案外わからないものだ、という前提と、他人の中に自分を見て、自ら検討せよという忠告が含まれているのであろう。 ・現代の世界を見てつくづく感じることは、最も困難なことは決して新しい技術や組織の輸入ではなくて、自己の伝統的文化をいかに保持するかであり、同時にそれを、近代化・工業化・脱工業化という社会的変化にいかに適応させて機能させていくかという問題である。 ・伝統文化保持のため近代化を排除すれば、その国は転落せざるを得ない。 ・しかし、近代化のために伝統文化を破壊すれば、混乱を生じて近代化は不可能になり、やはり転落せざるを得ない。 ・超人はいざ知らず、普通の人間は環境の動物である。そして、環境はしばしばその人間の感情を刺激し、思考を妨げ、判断を誤らす。 ・同時に、疲労・心労はしばしば悪環境と同じ作用をするから、判断を下すことが任務の人間は、絶対に悪環境に身をおいてはならず、また疲労しない義務がある。 ・企業であれ、国家であれ、防衛の原則は同じであり、その2つにまったく別の原則が作用するとは思っていない。 ・その四原則とは  ①先見性:冷静かつ的確な将来への見通し  ②正確な線形成に基づく的確な外交関係の確立  ③上記2つに対応しうる、国内整備  ④上記3つに対応しうる、軍備、ただし、先の3つに違反していると一時的に優位に立つことはできても、結局はすべてが無意味な努力となるわけである。 目次 はしがき 1 国際社会への眼 2 世論と新聞 3 常識の落とし穴 4 倫理的規範のゆくえ 5 島国の政治文化 解説 養老孟司 ISBN:9784167903930 出版社:文藝春秋 判型:文庫 ページ数:272ページ 定価:650円(本体) 発行年月日:2015年06月 発売日:2015年06月10日新装版第1刷 発売日:2021年10月21日新装版第2刷

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2022/06/28

1980 年前後の世の中 (日本, 世界) の状況に関するエッセイだが, 古さを感じない. ということは, 1980 年から 40 年たっても人の考えや行動には大きな変化がないということであり, それが「常識」というものか? 世界情勢に関するところは私の知識不足もあって理解が難し...

1980 年前後の世の中 (日本, 世界) の状況に関するエッセイだが, 古さを感じない. ということは, 1980 年から 40 年たっても人の考えや行動には大きな変化がないということであり, それが「常識」というものか? 世界情勢に関するところは私の知識不足もあって理解が難しかったが, 「倫理的規範のゆくえ」「島国の政治文化」は理解できた. 防衛の四原則 (先見性, 外交関係確立, 国内整備, 軍備) の考え方や, 政治家に何を期待するか (裏口入学の斡旋を期待する人もいれば, 絶対的清純を期待する人もいる), 報道の立ち位置 (社会を動かす意思を持たずに冷静に報道することこそ, 社会を動かす) など, 2022/07 の参院選前だからこそ特にインパクトがた. 解説を書いた養老孟司は山本七平の作品をすべて読むことを勧めると記した. 私もチャレンジしようかと.

Posted by ブクログ

2022/06/16

各章が細かく分かれていて読みやすかった。 世界と日本の違いとか、仕事のこととか、メディアのこととか、現代にも通じるところが多々あり共感したりなるほどと思ったりして面白かった。 若者は生産性のある仕事をするべき、とあった箇所にどきりとした。印象的だった。

Posted by ブクログ

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