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ヒーローを待っていても世界は変わらない 朝日文庫

湯浅誠(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日新聞出版
発売年月日 2015/02/06
JAN 9784022618184

ヒーローを待っていても世界は変わらない

¥220

商品レビュー

4.3

8件のお客様レビュー

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2021/05/01

本書は、「日本では、主権者であるはずの国民が主権者として振る舞っていない」という問題≒国民の政治への無関心を、政治不信を理由に無関心を正当化する一部の国民への批判や、無関心が故に生まれるヒーロー待望論の解説を交えつつ論じ、積極的な政治参加を促す啓蒙的な作品。 しかし、議論が基本...

本書は、「日本では、主権者であるはずの国民が主権者として振る舞っていない」という問題≒国民の政治への無関心を、政治不信を理由に無関心を正当化する一部の国民への批判や、無関心が故に生まれるヒーロー待望論の解説を交えつつ論じ、積極的な政治参加を促す啓蒙的な作品。 しかし、議論が基本的な国内における要因のみを考慮して展開されている点(例えば、著者は日本国民の政治離れの一因を議会制民主主義の特徴である合意形成までの議論の煩雑さに求めているが、同じく議会制民主主義を採用している国でも日本より政治への関心が遥かに高い国はあるのでは?と疑問に感じた)や、あくまで著者の貧困支援という経験に基づいた視点に立っているため提言(国民が議論できるプラットフォームの開設など)の実現可能性に疑問が残る点など、一般論として論じるには不十分だと感じた。 他方、ヒーロー待望論についての考察は興味深かった。作中ではヒーロー=切込隊長の資質として、①悪=既得権益を名指しする力、カリスマ性、②反対意見を無視する大胆さ、③即断即決力の三点を挙げつつ、その具体例として小泉元総理や橋本元大阪府知事を挙げていたが、2021年現在においては、河野行政改革担当大臣が上記の資質の全てにぴたりと当てはまっていると思われる。 そして、著者がヒーロー待望論の危険性として警鐘を鳴らす、ヒーローが何が既得権かを断定してしまうため、一度既得権の烙印を押されてしまったら議論が行われずに悪者扱いされてしまう可能性がある点についても、押印廃止の一件で問題になったとおりだと感じた。

Posted by ブクログ

2018/08/31

関係調整のコストを担う存在が必要。 ヒーローを求める集団の心理を想像すること。 現実的で、地に足の着いた支援を重ねてこられた方の言葉だと思いながら読みました。

Posted by ブクログ

2018/06/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「みんなにいい顔はできない。現実は厳しいんだ」と言われますが、もしそれが虚構(フィクション)を現実だと思いこんで、現実を見ていないのだとしたら、それは現実に裏切られる他ありません。現実は複雑につながり合っており、弱く見える者を排除していく社会は不活性化し、停滞します。(p.44) 「壊す時には、壊す前にその建物がなぜ建てられたかを考えてみよ」という格言がヨーロッパにあるそうですが、それを思い出します。(p.65)  誰でも、支えられるよりは、支える側に回りたい。実際そのほうが、人はより大きな力を発揮します。では、その人が「自分は支え手だ」と実感できるような形でその人を支えることはできないのでしょうか。それが私たちの力量です。  面倒くさい話です。人と人が出会う場、関係のないところに関係をつくる場、人と人の関係を結び直す場づくりというのは、面倒くさいものです。その面倒くささは、民主主義の面倒くささに通じます。(p.130) 「決められる」とか「決められない」とかではなく、「自分たちで決める」のが常識になります。(p.160)  結局、必要なことは、他者の気持ちをくみ取る想像力と(それは自分を省みる力がないとできません)、それを言葉にしたり形にしたりする創造的な実践力です。他人を思いやる気持ちと、それに言葉や形で応える力。人としてもっとも基本的な力が、人間の人間的領域として残るのだと思います。(p.173) 聞き入れなかった政府が悪いからだ、で済ましてしまうと、自分たちの意見をより政治的・社会的力関係総体に浸透させるために不足しているものは何か、どうして自分たちの意見は十分に広がらないのか、どんな工夫が足りないのか、という問題意識が出てきません。(p.235) 立てられるべき問いは「なぜ、政治家にロクな人間が少ないのか」「なぜ、政治家は私たちの声を聞かないのか」ではありません。そういう政治家はいるでしょう。しかしより本質的で重要な問いは「なぜ私たちは、主権者なのに、主権者でないように振る舞うのか」という点にあります。どんなときも問いの立て方が重要です。  これは、政治家の問題ではありません。私たち自身の問題です。(p.244)

Posted by ブクログ

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