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言語変化という問題 共時態,通時態,歴史 岩波文庫

E.コセリウ(著者), 田中克彦(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2014/11/17
JAN 9784003369616

言語変化という問題

¥990

商品レビュー

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2017/10/07
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 邦訳タイトルから言って、長い年月によって言語の使用法や綴り・発声等が変化していくということについての、言語学的な専門的な書物かと思っていたが、読んでみると様子が違った。  著者コセリウも本書は「『言語変化』について解説するのではなく、『言語変化という問題』について追究する」のだと宣言している。  ソシュールの言語学は、言語学の歴史学的な記述の部分をとりあえず削ぎ落とした上で、共時態における言語(ラング)-パロールの関係性の構造を探索した。そこではもっぱら、ラングは不変の実体であるかのように語られており、そうした分析がローマン・ヤコブソンを経由してレヴィ=ストロースに到達し、「構造主義」が誕生したことは間違いない。  コセリウはここで、その「ラング」なる「実体」の虚像を暴き、それがパロールの外には存在せず、個々人のパロールそのものにある、と反論する。  この部分の論述はめざましく、確かにそうだと思わせる迫力があって、大変感銘を受けた。  個人のパロールはしばしば創造行為であり、これまで語られなかった新しいものをも語ろうとする。そこで新たな意味やニュアンス、あるいは新たな語形などが生まれてくる。  誕生した新たな語法は。知的に判定されて「採用」の有無が決定される。  パロール(それは個人と他者、個人と社会の「あいだ」にあるものだ)の総体をラングとするならば、ラングとは、常に変化し続けるものに他ならない。  こうした解釈は、読んでいるとシステム論に結びつけられそうな気がしたが、コセリウ自身にはそういうつもりは全く無いようだ。  著者の論述は極めて論理的で鋭く筋が通っており、深い思索のあとが窺える。  じっさいの言語変化について具体的に、専門的に記述されているのは2,3章に過ぎず、ほとんどは上記のような言語「哲学」的考察にあてられている。そして、本書は、哲学書としても素晴らしい本だと思う。  本書で説かれた「パロール」の様態に関しては、個人的に大いに示唆される部分があった。  このタイトルからは想像もつかないような、哲学的に重要な書物である。

Posted by ブクログ

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