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鏡花随筆集
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鏡花随筆集
¥330
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商品レビュー
4
5件のお客様レビュー
これらの随筆が書かれた時代には、いわゆる「随筆」なるものがどのように書かれるものなのかということも定まってなかったのではあるまいか。そう思えるほど、あまりに直感的な表現で書かれたこれらの随筆集は、個人的にその内容を理解するのにひどく困難を伴うものばかりであった。
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夏に鏡花を読むと涼しい。ましてや随筆は。頰を撫でる薫風にも似た凛として歯切れの良い文章が心地よい。流れゆく季節への想い友人達との交流、食についてなどなど鏡花の美意識とエッセンスが濃縮された一冊。師匠の紅葉譲りの擬古文の随筆もあるが王朝時代の古典よりはつっかえずに読み進めることがで...
夏に鏡花を読むと涼しい。ましてや随筆は。頰を撫でる薫風にも似た凛として歯切れの良い文章が心地よい。流れゆく季節への想い友人達との交流、食についてなどなど鏡花の美意識とエッセンスが濃縮された一冊。師匠の紅葉譲りの擬古文の随筆もあるが王朝時代の古典よりはつっかえずに読み進めることができた。口語体の鏡花に触れることができる貴重な機会な気もする。友人を記した随筆で「煙管を持たせても短刀くらいに女が殺せるほどいなせな切れがないといけない(大意)」という表現には痺れた。関東大震災の随筆が鏡花らしからぬリアリズム。
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鏡花さんの、凛々しい文章から可愛いのから、お茶目なのから、――全部随筆で。その中でもおおざっぱに分けるとすると、草花や虫の音などに関する自然のこと、文壇や出版の人間模様、役者評、序や讃、思い出、といったところか。 文章は口語体の物が多いが、序や讃については凛々しい文語体。全体に短...
鏡花さんの、凛々しい文章から可愛いのから、お茶目なのから、――全部随筆で。その中でもおおざっぱに分けるとすると、草花や虫の音などに関する自然のこと、文壇や出版の人間模様、役者評、序や讃、思い出、といったところか。 文章は口語体の物が多いが、序や讃については凛々しい文語体。全体に短い物が多く、読みやすい。 「番茶話」が好みであった。蜻蛉の話が良い。「煙管を持たしても短刀くらいに」「火の用心の事」も良い。
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