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ファッションフード、あります。 はやりの食べ物クロニクル1970-2010

畑中三応子【著】

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定価 ¥2,640

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 紀伊國屋書店
発売年月日 2013/03/02
JAN 9784314010979

ファッションフード、あります。

¥385

商品レビュー

3.9

23件のお客様レビュー

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2024/04/28

〈ファッションフード〉とは、モノとしての質よりも情報を消費する目的で選ばれる食べ物のこと。文明開花と共に牛鍋が流行った明治の時代から、トレンドを象徴するファッションフードとそれに熱狂する人びとがいた。急速に舶来の生活様式を取り入れ食文化も欧米化していった日本は、戦後の高度経済成長...

〈ファッションフード〉とは、モノとしての質よりも情報を消費する目的で選ばれる食べ物のこと。文明開花と共に牛鍋が流行った明治の時代から、トレンドを象徴するファッションフードとそれに熱狂する人びとがいた。急速に舶来の生活様式を取り入れ食文化も欧米化していった日本は、戦後の高度経済成長期を迎えると狂騒的なまでに食の流行り廃りが激しい国になっていく。58年生まれでフード雑誌の編集長も務めた筆者の当事者目線を交えて語られる、ポップカルチャーとしての食文化史。 本文デザインから用紙とインクの組み合わせまで、コズフィッシュのポップなのにチープでキッチュな装幀が内容とぴったり合っている。一応ファッションフード縁起として江戸時代から語り起こしているけどメインは70年代から。筆者自身の記憶と深く結びついた食べ物がさながらプルーストのマドレーヌのように時代を織りなす大事なピースとして語られていく70、80年代の章はかなりの読みごたえがある。 特に雑誌ananとnon-noの凌ぎ合いと、後からやってきていまだにフード系のトレンドセッターであるHanakoの三者三様に景気のいい文章をまとめて摂取すると最高にハイな気分になって笑いが止まらない。伊丹十三がサラダを語るエッセイ面白すぎる。バブルに間に合わなかった世代だからこの手の文章を読むと体が痒くなってきてしまうんだけど、不安や焦燥よりも純粋な憧れが消費活動を推し進めていた時代が眩しくもある。あたかもアメリカにいるかのような写真を撮るための道具立てにまつわる裏話なども雑誌づくりの現場にいた人ならでは。アメリカへの憧れと〈ディスカバージャパン〉キャンペーンによる国内旅行ブームが同時進行した辺りの話は橋本倫史の『ドライブイン探訪』ともリンクする。 本書はフードをもっぱら可愛さやオシャレさ基準で評価しファッション的に消費するというネガティブに語られやすい行為を、「お前らは作る側でいろ」というジェンダーロールの押し付けに対する軽やかな抵抗手段として定義しなおす試みでもある。畠中さんはファッションフードを語るにあたってまず女性たちが反応したものを優先し、美味しんぼ的なウンチク垂れのオタクやラーメンブーム・蕎麦打ちブームなどに触れつつも「そちらは殿方がご自分でおやりなさいな」といなしているかのよう。手作りのホビー化と女性の精神的解放を綴った箇所は、今は亡き「東京マガジン」の「やってTRY」的な価値観に断固たるNOを突きつけている。 ただ、90年代以降はファッションフードのサイクルが早くなりすぎ、畑中さんの世代的に当事者性が薄れてきたのもあるのだろうが少しピントがズレている論も多いように思う。特にコンビニのトレンド牽引力を過小評価している気がする。ミニストップのハロハロとかロコモコ丼とかの話もしてほしい。CM(広告)の影響力についてもあまり触れられてなかったなぁ。憧れが消費を促す時代が終わり、安心や癒しを経て節約や時短がブームになる時代を語るのは面白くないというのはよくわかるんだけども(笑)。雑誌というメディアが力を失っていく20年でもあったわけだし。「男の料理」観が変わっていく一つの通過点として「ビストロSMAP」がでてくるのは嬉しかった。 単に流行り廃りを思いだして懐かしむというのではない、食がポップカルチャーになっていった20〜21世紀の消費文化史である。その点で三品輝起の『すべての雑貨』『雑貨の終わり』と共通する歴史観を持っていると思う。ファッションフードを「食の雑貨化」と言い換えることもできるだろう。三品さんが書いていた"あたかも息子と母がやっているかのように見せかけておばちゃんはパートで雇われているコンセプト小料理屋"みたいな、劇場であることを隠した劇場型コンセプトを提供するのが派手な〈映え〉を通過したあとの20年代フードカルチャーなのかも、と平野紗季子の『味な店』も思い浮かべながら考える。

Posted by ブクログ

2024/04/07

阿古真理さんの日本の食の歴史本が好きな私は、これもそのタイプの本で、面白く読めました。 マクドナルド、ケンタッキー、ミスタードーナツ、サーティワンなどの日本上陸は、子どもながらにワクワクでした。今はもう当たり前のようにあるけれど。 食生活がどんどん健康志向になり、子どもの頃は炭酸...

阿古真理さんの日本の食の歴史本が好きな私は、これもそのタイプの本で、面白く読めました。 マクドナルド、ケンタッキー、ミスタードーナツ、サーティワンなどの日本上陸は、子どもながらにワクワクでした。今はもう当たり前のようにあるけれど。 食生活がどんどん健康志向になり、子どもの頃は炭酸飲料ばかり飲んでいたのが、今ではペットボトルのお茶やミネラルウォーターを選ぶようになったのも時代だな。 あと、SNSの映えを意識して、飲食店に入るのも、昔じゃ考えられなかったなー。

Posted by ブクログ

2023/07/23

メシバナなんかを読むような感覚で、見知らぬ時代の食文化についても食以外の部分含めて、結構な紙幅がありながら好事家にはあっさり読めるような密度で。

Posted by ブクログ

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