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少年十字軍
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少年十字軍
¥385
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商品レビュー
3.7
38件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「13世紀、フランス。"天啓"を受けた羊飼いの少年・エティエンヌの下へ集った数多の少年少女。彼らの目的は聖地エルサレムの奪還。だが国家、宗教、大人たちの野心が行く手を次々と阻む-。直木賞作家・皆川博子が作家生活40年余りを経て、ついに辿りついた最高傑作。」 ・人のからだを治癒する力を持った羊飼いの諸不燃が主人公。農奴の娘アンヌ、森で暮らしていた少年ルー、親がおらず村の厄介者だったトマ、10代はじめの少年少女たち、そして若者たちの物語。 「この小説は、十三世紀のフランスを舞台にしている。当時、キリスト教の境界は、何度も聖地エルサレムをイスラム教徒たちから奪還する戦争を起こしている。キリスト教の十字架を掲げていたから、その時に作られた軍隊は十字軍と呼ばれている。けれどもこの十字軍の戦争は、虐殺や略奪を繰り返しながら失敗を重ねる。そんな中、1212年、少年たちが集まってエルサレムを目指すという事件が起こる。本作は、この時の子どもたちをモデルにしている。ー大人たちの欲望と自尊心に振り回され、彼らが作り出す困難に巻き込まれる少年少女たち。ーそうした大人たちのあり方を正面から見据えて描きつつ、困難と向き合う子どもたちに温かいまなざしを向けた傑作である。」
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3:★3.5。「海賊女王」に引き続き、皆川作品を。(作品世界の)時勢を反映した虚無感、神や奇跡を求める人心に応えるかのごとく現れたエティエンヌ。彼の見せる「奇跡」のあれこれは決して奇跡などではないと仄めかされつつ、それでも止まらない・帰れない巡礼の歩みが、どうにも悲しかったです。...
3:★3.5。「海賊女王」に引き続き、皆川作品を。(作品世界の)時勢を反映した虚無感、神や奇跡を求める人心に応えるかのごとく現れたエティエンヌ。彼の見せる「奇跡」のあれこれは決して奇跡などではないと仄めかされつつ、それでも止まらない・帰れない巡礼の歩みが、どうにも悲しかったです。 騙され、利用された挙句のささやかな復活とガブリエルの決断こそが、いちばんの奇跡だったのかも。
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実際の少年十字軍の悲惨を、皆川博子女史の筆はこうも残酷でありながら美しい物語に仕上げてしまう・・・。 レイモンの見栄から始まった虚言がどんどん自分を浸食していく様とか、堕落した聖職者達とか、ならずものと通じてる貴族とか・・・人間の邪悪さや汚濁をこれでもかこれでもかいやまだだ・・・...
実際の少年十字軍の悲惨を、皆川博子女史の筆はこうも残酷でありながら美しい物語に仕上げてしまう・・・。 レイモンの見栄から始まった虚言がどんどん自分を浸食していく様とか、堕落した聖職者達とか、ならずものと通じてる貴族とか・・・人間の邪悪さや汚濁をこれでもかこれでもかいやまだだ・・・ってぐらい書き上げていながらもその腐臭をさせない圧倒的筆力・・・これが・・・皆川博子・・・。 奇跡はない、だが圧倒的な虚無は間違いなく存在するのだ・・・。圧倒的耽美、無惨、そして死。 翻弄される民衆は、少年たちはエルサレムへ辿り着くのか・・・?? 『少年十字軍』、圧巻です。 ルーが・・・ルーの萌えがすごい・・・。 森で暮らしていた自然児だった狼少年が年上の少女に素直になれないながらも気に掛けてるのが・・・こりゃあ萌えだ・・・。 ドミニクには懐いてるのとかも・・・自分と同じく素直じゃない兄ちゃんには親近感覚えてる少年・・・。 ジャコブとドミニクっていうかドミニクのジャコブへの気持ち・・・あれは・・・もう言い逃れできねえよ・・・。 そういう目で読んでしまったことを許してほしい・・・いやだってあれは・・・なあ・・・???普通ただの同僚のために命を捨てられる???違うでしょ???
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