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トラウマ 岩波新書

宮地尚子【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2013/01/24
JAN 9784004314042

トラウマ

¥550

商品レビュー

4.3

14件のお客様レビュー

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2024/03/14

トラウマという語は最近では気軽に使われるけれど本来は言葉にできないことなのだろう。読み進めていく内に誰もが被害者にも加害者にもなり得ることに気付かされて辛かった。またこの本では割愛されているものの被害者の加害者性や加害者の被害者性についても何時か読んでみたいと思った。最終章で語ら...

トラウマという語は最近では気軽に使われるけれど本来は言葉にできないことなのだろう。読み進めていく内に誰もが被害者にも加害者にもなり得ることに気付かされて辛かった。またこの本では割愛されているものの被害者の加害者性や加害者の被害者性についても何時か読んでみたいと思った。最終章で語られた創作という過程を通しての回復はとても人間的で希望を感じる。

Posted by ブクログ

2023/07/04

回復の道のりが新たなストレスをもたらすこともある。 安全な場所で、共感性をもったよい「聞き手」に話を聞いてもらうことで、気持ちの整理がついてくる。 とまどいながらそばによりそい続けることには、計り知れない価値がある。 自己尊重感や試行錯誤の経験抜きには人間は成長していけません。 ...

回復の道のりが新たなストレスをもたらすこともある。 安全な場所で、共感性をもったよい「聞き手」に話を聞いてもらうことで、気持ちの整理がついてくる。 とまどいながらそばによりそい続けることには、計り知れない価値がある。 自己尊重感や試行錯誤の経験抜きには人間は成長していけません。 安心できる場所とは、自分がそのままでいていい場所、存在証明から解放された場所でもある。 ただ誰が、誰を、誰から救済しようとしているのか、救済されるべき人たちはそのことを望んでいるのか、ということを考える必要があります。 トラウマも「耕す」ことによって、豊かになっていく。柔らかく混ぜ返し、外から空気を入れれば、ふくよかになっていくのでないか。重く凝り固めるのではなく、水分を含んだ、ほぐれるようなものになっていく。「耕す」とは、〈内海〉の揺らめきに目を凝らしたり、波打ち際のざわめきに耳を澄ますことと重なっている。言葉にならないもの、見えないものがそこにあると気づくこと、時には水を掻き出し〈水位〉を下げ、時には網を投げて沈みかけていたものを引き上げること、時にはそっと足を踏み入れ、貝殻のような何か足裏に触れたものを拾い上げること。そんなイメージ。 トラウマは、人間の弱さと不完全さを認識させてくれる。圧倒的な外力に対して、「同じ人間として」「人が傷つくのは同じ」という事実は、何があろうと揺らぎません。たとえ個人の気質や体力の差や、周囲の反応や使える資源によって、傷からの回復の程度が実際には変わるとしても、人間の存在自体の脆弱性は、誰もが共通して持つもの。 人間は皆、不完全です。弱さだけでなく、愚かさや身勝手さを抱えています。そもそも、人は皆、人生の初心者です。すべて人生は一回目です。たとえ人間社会で知識が蓄積され伝達されるとしても、学び、成長していくには時間もかかるし、努力も必要です。 トラウマは、人間の持つ復元力への信頼と尊重をも学ばせてくれる。つらい経験をしながらも前向きに生きて行く力、困難を適切に切り抜け、乗り越える力です。つらい体験をしても、それと向き合い乗り越えることで、成長につなげ、人間としての豊かさを広げること。こういった考え方は、外から押しつけられると、つらくなってしまいます。 トラウマは創造力や理想像、知恵の源になる。 表現者として自ら発信するとき、人は力を取り戻します。「私はここにいる」と発信する行為なのです。 自己を表現する手段を持たないために、社会に受け入れられず失敗することを繰り返してきた。自分の思いを表現することは、自己イメージの回復にもつながります。 あなたが何を言っているのかは分からない。でもあなたが何を言いたいのかは分かる。 何かを作ってみようという気持ちになること、何かを表現してみようという意欲が出てくること、自分が何かを表現してもいいと思えること、何か表現すべきものを自分が持っていることに気づけること、誰かが受けとめて興味を持ってくれるかもしれないという希望を持てること、そこの部分が重要なのです。 「何者」にもならなくていいということ。それがトラウマからもたらされる想像力や創造性の帰着点です。そして、それがまた新たな想像力や創造性の原点となるのです。

Posted by ブクログ

2021/03/19

 この本は図書館で借りて読んだ。トラウマについての説明、事例、乗り越えて生きている人の話などが紹介されていた。「トラウマ」というだけあって読んでいて精神的にきつかった。  印象に残ったのは作者がトラウマを環状島をモデルにして説明しているところだ。これは作者オリジナルのたとえでトラ...

 この本は図書館で借りて読んだ。トラウマについての説明、事例、乗り越えて生きている人の話などが紹介されていた。「トラウマ」というだけあって読んでいて精神的にきつかった。  印象に残ったのは作者がトラウマを環状島をモデルにして説明しているところだ。これは作者オリジナルのたとえでトラウマ専門家のなかで特に知られているわけではないのだが、被害者が簡単に口にできないようなトラウマをこうしたわかりやすい形で説明されるとありがたい。同著者の本に『環状島=トラウマの地政学』という本があるのでそちらも読んでみたい。

Posted by ブクログ

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