楽俊が出てくるまでがつらい。 人の顔をうかがって生きていた陽子の気持ちがわかる。 その方が楽だし、トラブルにならないし。でも、誰とも深く関われていなかったことに直面するのはつらいこと。わかっていても避けたいこと。自分がいないところで自分の話題が出てる時はたいてい良くない話な気がする。自分も人の悪口とまではいかないけど、あの人なんであんなこと言うんですかね、とかまあまあ悪口というか否定的なことを話してたりするし、そういうことの方が盛り上がる。人の揚げ足取りなんてしてるつもりはないのに。 陽子は目の前のことに愚直に戦い続けてて偉い。経験したことのないことを、知らない土地でやるのはとても大変なこと。でも、人間として生きてせいぜいみんな数十年ということは、みんな経験のないことに向き合い続けてるのかなあ。なんとなく誰かが立てた道標を頼りに生きてるけど、ほんとにそれがいいのかなんてわからないよな。でも、全部自分で決められるわけじゃない、陽子までいかなくても、生まれとか、家族構成とか、人事異動先とか…？ 自分が思うとおりにならないときにどんなふうに考えて、動いていけるのか。やっぱり、楽しく生きていたいな。

こちらの作品を教えてくれた方から「ねずみが出てきたらもう安心」と言われ、どういうこと？と思ってましたが、まさに！！！という感じでした。

楽俊が主人公でいいよもう……この子のおかげで話は進むしホッとできる。無事だとわかった時は泣いてしまった……いい子すぎる…… 対して陽子のうだうだシーンが長く、麒麟を救うシーンはあまりにもサラッと書かれ、もうちょっと平等の長さに出来んかったか？と、なんとも言えない気持ちに。 今の所そんなに面白さを感じてないので、続刊読むべきか悩む。