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英国メイド マーガレットの回想
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英国メイド マーガレットの回想
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商品レビュー
3.7
18件のお客様レビュー
生活史に興味があって読んだが、 格差社会においての弱者として生まれた人の証言、という意味で、ごくごく現代的な著述だった。 どんな時代であれ、どんな社会であれ、「そういうものだからと見下される」ことを、当然のこととして受け入れるようには人間は創られていないという、あたりまえのようで...
生活史に興味があって読んだが、 格差社会においての弱者として生まれた人の証言、という意味で、ごくごく現代的な著述だった。 どんな時代であれ、どんな社会であれ、「そういうものだからと見下される」ことを、当然のこととして受け入れるようには人間は創られていないという、あたりまえのようで、わかっていないこと。 人と接するとき、常に、誰にでも、対等に、敬意を払って接することの重要性を考えさせられた。 人はパンが無ければ死んでしまう。 けれども、パンだけでいいようにはできていない。 とはいえ、カタイこと抜きにしても、鉄火肌の姐さんの一代記は痛快で、おもしろい読み物だった。
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表紙の安っぽさに比べて中は比較的まとも、と思ったら、読み進めるうちに雇い主たちを基本的に憎む語り手の態度に愕然とした。こんな恐ろしい使用人なしで暮らせない雇い主たち、つくづく気の毒だ。 ちょうどダウントンアビーの時代なのでその点も期待して読み始めたのだが、主人公の感覚や価値観が意...
表紙の安っぽさに比べて中は比較的まとも、と思ったら、読み進めるうちに雇い主たちを基本的に憎む語り手の態度に愕然とした。こんな恐ろしい使用人なしで暮らせない雇い主たち、つくづく気の毒だ。 ちょうどダウントンアビーの時代なのでその点も期待して読み始めたのだが、主人公の感覚や価値観が意外なほどに現代人に近かった点は逆にやや期待はずれ。 まあ、この語り手が分別ある年齢になってからの回想録なので、後年の価値観が反映されているのかもしれないが。
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20世紀に英国でコックとして上流階級の家庭にメイドとして働いた著者の回想の書。 労働者階級に生まれたマーガレットは、14歳で洗濯屋で働き始めるが、すぐにくびになり、実家近くの家のキッチンメイドとして働き始める。家の主人一家に食事をサーブするようなことはとてもできないと考えたマーガ...
20世紀に英国でコックとして上流階級の家庭にメイドとして働いた著者の回想の書。 労働者階級に生まれたマーガレットは、14歳で洗濯屋で働き始めるが、すぐにくびになり、実家近くの家のキッチンメイドとして働き始める。家の主人一家に食事をサーブするようなことはとてもできないと考えたマーガレットは、主人たちの前に出なくても良いコックを選んだのだ。 キッチンメイドとはいえ、使用人の中でも一番の下働き。台所の掃除から靴磨きなど、様々だった。 マーガレットは、周りの様子をよく理解し、雇い主を変えるたびにステップアップしていく。雇い主も、ピンキリで、使用人を自分たちと違う人種として扱う人もいれば、家族の一員のように扱う人もいる。様々な家族の元で働き、結婚を機に仕事を辞めるが、子どもの成長とともに、またコックとして働き、苦労して男の子3人を育て上げた後、自分も勉強をし、作家として名声を得るまでになる。 なんといっても、英国の階級制度の深さに改めて感じ入った。イシグロの「日の名残り」の執事(ジーヴスも好きだけど)、メリーポピンズなどに代表されるナニーなど、家族に信頼される使用人が良き時代の職層として描かれているが、使用人の中にさえ上下関係があることは、英国の階級制度はすごいのだと思った。 マーガレットは、淡々と、しかし結構辛口で雇い主たちや、自分の仲間たちを書いているところが好印象なのだろう。戦前の日本にも、近いものがあったのかなあ?
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