高校生の直美は、相手の気持ちを考え過ぎる優し過ぎる性格が原因で、大川浩子たちに家庭科の授業の課題をやらされたり、バレーボールの授業で集中攻撃されたり、直美の家の薬局から妊娠検査薬を盗むように強要されたり、便器に顔を突っ込まれたり、ハエが入った牛乳を飲まされたり、しまいにはチョークや自分たちの持ち物を直美の机に入れて直美が盗んだと騒いで濡れ衣を着せるなどの残酷なイジメにあう。 精神的にも追いつめられた直美は、自分に親身に接してくれる朝比奈先生にイジメのことを相談するが、イジメっ子たちにヒドい暴行を受け、さらに追いつめられた直美は自殺未遂をしてしまう。 朝比奈先生は、臨時の生徒総会を開きイジメを受けた生徒やイジメっ子が本音で討論する中で、イジメっ子は団結力が強くて口が上手く他の生徒も騙されるためイジメを受けた生徒はどんどん孤立してしまうこと、イジメっ子にもかつてイジメを受けた経験がある生徒もいて自分はもう弱くないことをアピールするためにイジメるなどの実情が明らかになる。この漫画を通して、「イジメというのは、その人の存在を認めないこと。徹底的に否定された人間は、人格破壊されてしまう。イジメを受けた人間が立ち直れるようになるには、同じ立場になって考える存在が必要であること、イジメを受けた怒りや恨みを超えて自分の感じたことや気持ちを信じること。」が、リアルに描いている秀逸な漫画です。 私はイジメを受けた経験があるので、読んでいる途中フラッシュバックして苦しかったですが、勇気を貰えました。