当作2度目の読破。前に読んだのが何年前か忘れたが、壮大な物語の中で上巻はレコード店のクラシックコーナーでの場面が、下巻では何と言っても根室でのウニ密漁のくだりが激しく印象に残っているのでどうしても再読したかった。 やはり密漁に関する一連はスリリングで非常に面白かった。状況描写はもちろん、北海道の漁業事情まで非常にリアルに綴られており、どうしたらこんな細かい設定ができるのだろうと著者の力量に恐れ入るばかり。 ところで当作、結末については全く覚えていなかった。バンコクでの場面もまるで記憶にない。せっかく名作を読んでもこんな風にところどころあっさり忘れてしまう自分の記憶力に嘆くばかり。

新刊が出るのを楽しみにしている著者の1人、この本の存在は知らなかったな。毎回題材ガラッと変えてくるのでさて本作はどのようなものか。 「青春の門」や「少年Ｈ」を思い出すような青年成長モノ。 人生のレールへの葛藤から始まり、利尻での漁業活動、売春婦、タイランド。青春のエネルギーにワクワクしたり、自分の若い頃にシンクロさせたり楽しい一冊であった。男はこういうむやみに突っ走るエネルギーが必要だよな何て思う。 私は妻の不倫を許せるだろうか？ 読み手も年齢によって受け止め方が変わりそうな一冊。

下巻まで読了して、結局私には合わないのだと思いました。 レビューでは、評価が高い方も居ますので、本がダメなのでは無く、私には合わない。 ほかの人も書かれてましたが、 密漁船のところだけで1冊にしたほうが、はるかに面白かったと思います。 ただ、それだと百田さんが書きたかった事とは違う話になるのでしょうね。 ほかの著書が良すぎるがために、ちょっと残念でした。