1,800円以上の注文で送料無料

  • 中古
  • 書籍
  • 新書

丸山眞男セレクション 平凡社ライブラリー700

丸山眞男【著】, 杉田敦【編】

定価 ¥1,760

¥1,045 定価より715円(40%)おトク

獲得ポイント9P

残り1点 ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 平凡社
発売年月日 2010/04/09
JAN 9784582767001

丸山眞男セレクション

¥1,045

残り1点
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

4.2

14件のお客様レビュー

レビューを投稿

2023/02/11

丸山真男の代表的な論考14遍である。 超国家主義の論理と心理 軍国支配者の精神形態 福沢諭吉の哲学 戦争責任論の盲点 日本の思想    等々 かつて文庫本や新書等で何度かトライしたが、その都度よくわからずそのままになっていたものが多い。その他初めての論文も含めて通読するなかで、丸...

丸山真男の代表的な論考14遍である。 超国家主義の論理と心理 軍国支配者の精神形態 福沢諭吉の哲学 戦争責任論の盲点 日本の思想    等々 かつて文庫本や新書等で何度かトライしたが、その都度よくわからずそのままになっていたものが多い。その他初めての論文も含めて通読するなかで、丸山真男に対して今回はかなり理解が進み納得感があった。 先の大戦・15年戦争の総括を真剣かつ誠実に行なった政治学者という印象を新たにした。戦争責任の問題や軍部の無責任体制の解明など、日本の海外思潮受容の歴史特性まで遡って統治体制を政治思想や組織構造面から分析する思考の深さと明解さは秀逸なものを感じる。天皇の戦争責任の指摘には政治学者としての矜持や覚悟が滲んでいる、「退位以外になくうやむやな居座りこそ戦後の道義頽廃の第一号」。日本共産党の責任論はまだソ連社会主義への幻想に浸っていた時代でもあり、ファシズムへの批判の鋭さに比してまったく無内容であり、 日本の戦後リベラルに繋がる限界の萌芽をみる。 福沢諭吉の評価については、彼の「惑溺」に陥らない思惟方法と価値意識、多元的価値の知性による試行錯誤の過程が文明だとという主張、「世の中と交際を多くし議論を捏ねくりまわし進歩の先陣を切って世の中をデングリ返す」という哲学等が取り上げられ、日本の思想史における彼の価値を発掘し重要性を再確認した丸山の功績と意義はとりわけ大きいものがあると思う。 話は変わるが、丸山の超国家主義の「超」たる所以を思想信条や道徳・宗教の「私事」、倫理的実態としての価値内容をも国家主権の支配根拠においたという当時の国体をベースにした政治体制の分析は独伊と比較して十分納得できる。

Posted by ブクログ

2022/05/18

断っておきたいが、本書を全面的にレビューはしない。例えば「超国家主義の論理と心理」を取り上げてしまったら、それこそ五千字以上の論文にならないといけないと個人的には思うからである。 先日5月3日の3年ぶりのリアル憲法集会に於いて本書の『「現実」主義の陥穽』(1952「世界」5月号...

断っておきたいが、本書を全面的にレビューはしない。例えば「超国家主義の論理と心理」を取り上げてしまったら、それこそ五千字以上の論文にならないといけないと個人的には思うからである。 先日5月3日の3年ぶりのリアル憲法集会に於いて本書の『「現実」主義の陥穽』(1952「世界」5月号)を話題にしていた。久しぶりに再読したくなった。今年はサンフランシスコ体制(安保体制)70年。正に70年前、丸山眞男は(軍隊の復活に反対している丸山に対して)「現実的でない」という言葉をよく使われたらしい。 現在日本の閣僚のほとんどが参加している日本会議が、「ウクライナは現実を突きつけた」と言っているらしい。 丸山眞男は、「現実的ではない」「現実を直視しろ」という主張には3つの特徴がある、と言っている。 ①現実=既成事実に屈服しろ、という事に他ならない。それは容易に「現実だから仕方ない」に転化する。 ②問題は多面的なのに、一面だけを強調する。 今回でもNATOへの批判は多々ある。例えばギリシャはNATOの戦車の動きを2週間止めた。ベルラーシでは、ロシアの戦車を止めるため、鉄道の信号システムを遅らせた人々がいる(その人たちがどういう処分を受けたかは明らかではない)。そういうことは報道されない。 「現実たれ、というのはこうした矛盾錯雑した現実のどれを指しているのでしょうか。実はそういうとき、ひとはすでに現実のうちのある面を望ましいと考え、他の面を望ましくないと考える価値判断に立って「現実」の一面を選択しているのです」 ③「現実的」と呼ぶのは、たいていは支配勢力。反対する人たちは、「観念的」「非現実的」とレッテルを貼られがちだ。「なんといっても昔から長いものに巻かれてきた私たちの国のような場合には、特に支配層的現実即ち現実一般と見做されやすい素地が多いと言えましょう」 そこから丸山は、1952年の情勢について滔々と述べて、再軍備すべきという主張がいかにリスクが多いかを明らかにする。 現代も、「現実を見よ」という勢力の次の言葉は、「だから改憲するべきだ」「だから日本も核兵器をシェアするべきだ」「敵基地攻撃能力を持つべきだ」という主張を次々と発するようになった。選挙を睨んでの発言であることは明らかである。 長いものに巻かれてはいけない。

Posted by ブクログ

2021/06/25

日本の極端国家主義の特徴は、精神的な権威と政治的な権威が分かれていないこと。この極端国家主義が、国民を永きにわたって苦しめ、戦争に駆り立てたのだ。教育勅語で国家が倫理を押し付けるなんてけしからん。国家は宗教や信仰、思想に中立であるべきだ。▼慎ましやかでないし、むき出しの権力でもな...

日本の極端国家主義の特徴は、精神的な権威と政治的な権威が分かれていないこと。この極端国家主義が、国民を永きにわたって苦しめ、戦争に駆り立てたのだ。教育勅語で国家が倫理を押し付けるなんてけしからん。国家は宗教や信仰、思想に中立であるべきだ。▼慎ましやかでないし、むき出しの権力でもない。偉そうなのに小物。それが日本的な政治。東条英機などがその例だ。 ※過度な一般化。歴史上の短期間の現象や特定の政治家の特徴を強調しすぎており、複雑な全体を一面的に切り取っている。 ※日本特殊論。ここが変だよ日本人。日本人はこれこれの特徴をもつと指摘するのは喝采され、外国人がこれこれの特徴をもつと指摘すると「差別」「偏見」になる。 ※反体制バイアス。 現実主義けしからん。「国際情勢など、現実を見れば、再軍備が必要だ」はだめ。再軍備反対。現実は所与であると同時に、日々造られていくものだ。「現実だから仕方がない」はだめ。「現実だから仕方ない」がファシズムに対する抵抗力をなくさせた。 ※「現実主義」が何を指すのか不明瞭。「現実主義」は、国際政治学の「リアリズム」のことではないらしい。むしろ東条時代のリアリズム(大局を見据えた緻密な戦略)の欠如こそが敗戦の原因では。 憲法9条擁護。「国際情勢がきな臭くなったから改正」はダメ。制定された当時から米ソ対立は予見できていたはず。にも拘らず、非武装国家を選んだことにこそ、画期的な意味があった。p.264 ※平和主義の理想を誤って追求することがかえって戦争を引き寄せる。 各世帯にピストルを1つづつ配給すれば、権力や暴力にたいして自分の自然権を行使する心構えが根付く。これで「自衛権のない国民は何もできない」という再軍備派の言葉の魔術も効かなくなる。p.393 ※外国のプロ軍隊に、素人市民がピストルでは応戦できない。国民の生命財産、自己保存の権利は守れない。軍事力の放棄(第9条)は国家の責任放棄であり、社会契約に違反する。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品