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不思議の扉 時間がいっぱい 角川文庫

大森望【編】

定価 ¥565

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店/角川グループパブリッシング
発売年月日 2010/03/24
JAN 9784043943401

不思議の扉 時間がいっぱい

¥220

商品レビュー

3.6

27件のお客様レビュー

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2023/01/20

アンソロジー作品で「大森望」がセレクトした小説集『不思議の扉 時間がいっぱい』を読みました。 時間にまつわる世にも奇妙な物語を集めた作品集で「不思議の扉」シリーズの第2弾です。 -----story------------- 古今東西の短編小説から不思議な味わいの作品を集めた...

アンソロジー作品で「大森望」がセレクトした小説集『不思議の扉 時間がいっぱい』を読みました。 時間にまつわる世にも奇妙な物語を集めた作品集で「不思議の扉」シリーズの第2弾です。 -----story------------- 古今東西の短編小説から不思議な味わいの作品を集めたアンソロジー第2弾のテーマは「時間がいっぱい」。 笑いを誘う話から怖い話、ほのぼのする話まで、盛りだくさんでお届けします。 ―同じ時間が何度も繰り返すとしたら?  時間を超えて追いかけてくる女がいたら?  想像力の限界に挑む、時間にまつわる奇想天外な物語の傑作集。 「筒井康隆」、「大槻ケンヂ」、「牧野修」、「谷川流」、「星新一」、「大井三重子」、「フィツジェラルド」が描く、時間にまつわる奇想天外な物語! ----------------------- 「大森望」がセレクトした"時間モノ"のSF作品やファンタジー作品7篇が収録されています… タイムトラベルが中心ですが、同じジャンルであっても、それぞれ特色があり、多彩なバリエーションが愉しめましたね。  ■筒井康隆 しゃっくり  ■大槻ケンヂ 戦国バレンタインデー  ■牧野修 おもひで女  ■谷川流 エンドレスエイト  ■星新一 時の渦  ■大井三重子 めもあある美術館  ■フィツジェラルド(訳=永山篤一) ベンジャミン・バトン 数奇な人生  ■解説 タイム・アフター・タイム ――時間をめぐる冒険 大森望 個人的に気に入ったのは、「筒井康隆」の『しゃっくり』、「大槻ケンヂ」の『戦国バレンタインデー』、「大井三重子」の『めもあある美術館』の3篇ですね… 特に1960年代に描かれた『しゃっくり』、『めもあある美術館』は、とても印象的な作品でした。 まるで時間がしゃっくりを起こしたように、何度も同じ10分間が繰り返される… 何をやっても10分後には全てリセットされて、残るのは記憶だけ、、、 時間の檻に閉じ込められた人々の運命は… 今から50年以上も前の1965年(昭和40年)に描かれた元祖"時間ループモノ"の『しゃっくり』がイチバン印象に残りましたね。 "時間ループモノ"で印象深い「ケン・グリムウッド」の『リプレイ』や、「乾くるみ」の『リピート』よりも、もっともっと以前に、こんな作品が描かれていたなんて… でも、同じ10分間に閉じ込められてしまったら、まともな精神状態を保つことができないでしょうね。 ゴシック&ロリータの少女「留名(るな)」が戦国時代にタイムスリップ!?兵糧攻めにあっているお城のお姫様につかまり、「わらわにその着物を貸せ」と迫られて、さあ大変… これはバレンタインの勝負服だったのに、、、 ユーモラスなどたばたSFが愉しめる『戦国バレンタインデー』は、バカバカしいけど「大槻ケンヂ」らしさが前面に出ていて面白い作品でした。 『めもあある美術館』は、姉の頭髪を引っ張って泣かせ、母に叱られ、針箱のへりをふんでひっくりかえし、下駄をつっかけて家を飛び出した"ぼく"が主人公… "ぼく"が、あてもなく歩いていると、古道具屋があり、そこには額縁も無い、板に描かれた亡き祖母の油彩画があった、、、 "ぼく"が未就学児であったころの、亡き祖母が風車を持つ絵である… その絵を購入した長身の男性について行くと、男は、この絵はきみが描いた絵であって、めもあある美術館に持って行くのだという。 そこにはなぜか、"ぼく"の氏名の木札が掲げられた部屋があり、扉の中の室内には、飼い犬の絵、隣家の「スエちゃん」の絵、機関車の玩具の絵、その隣りに祖母の絵その他が掛けられ、最後の絵は、針箱を蹴飛ばしている"ぼく"の絵だった… その先は中身が空の額縁ばかりが掛かっており、男は「きみはこれからこの額のなかに絵を描きつづけてゆく、1枚でも見たくなったならばいつでも見に来るように」と言い、玄関石段まで見送ってくれる、、、 どこかに自分の名前の部屋があり、そこには自分の歴史を描いた絵画がある… そんな気持ちにさせられる不思議な作品でした。 1961年(昭和36年)に描かれた作品だそうです… 魅力的な小品でしたね、、、 ちなみに「大井三重子」って、「仁木悦子」の別名なんだそうです。

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2016/02/13

2016年2月13日読了。大森望編集による、過去/未来への移動・繰り返し・遡行・逆転などの、「時間」をテーマにしたSFアンソロジー。「同じ時間を繰り返す」リピートものはコンピュータゲームなどに馴染んだ比較的最近の世代の作品かと思っていたが、筒井康隆にこんな短編があったとは知らなか...

2016年2月13日読了。大森望編集による、過去/未来への移動・繰り返し・遡行・逆転などの、「時間」をテーマにしたSFアンソロジー。「同じ時間を繰り返す」リピートものはコンピュータゲームなどに馴染んだ比較的最近の世代の作品かと思っていたが、筒井康隆にこんな短編があったとは知らなかった、ただ「自分だけ同じ時間を繰り返す」のではなく、「全ての人が繰り返したことを記憶する」こと、その理由が明示されないのが時代か・・・。フィッツジェラルドの「ベンジャミン・バトン」もこのラインナップにあって異色とも思ったが、最後にいい余韻を残してくれてこのアンソロジーの品質を高めてくれている感もある。面白かった。

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2015/12/17

「時間」をテーマとしたSFオムニバスですが、今回も大森望はぼくの好みをよくわかってらっしゃるといったぐあいの選抜です。 いきなりしょっぱなから大御所の筒井康隆の、それも50年前の作品のテーマは「時間ループ」であります。主人公は街のある交差点から10分間の出来事を延々とループして...

「時間」をテーマとしたSFオムニバスですが、今回も大森望はぼくの好みをよくわかってらっしゃるといったぐあいの選抜です。 いきなりしょっぱなから大御所の筒井康隆の、それも50年前の作品のテーマは「時間ループ」であります。主人公は街のある交差点から10分間の出来事を延々とループしていきます。そしてループ時の記憶は残ったまま繰り返されます。そこには謎解きなどなくただただ人々の悲喜交々が主人公の視点から描き出され、主人公もまた発狂寸前の緊迫した状態を延々繰り返すわけです。まさに筒井康隆らしい作品でした。 大槻ケンヂのはロマンティックなファンタジー。やつはあいかわらずロマンチストなのだと再認識できます。 牧野修のホラーは映像化したらめちゃ怖いだろうなと容易に想像できますが、物語的には意味がいまいちよくわかりませんでした。もともとホラー系には疎いので…。 今回の個人的に気になる作品のひとつが谷川流の涼宮ハルヒシリーズからの短編。この作品が短編だったことにまず驚きました。アニメは8話を費やしたのですからそれ相応の尺だと勝手に思っていました。しかしながら、ここではすでに夏休みの2週間のループを15,000回以上繰り返している最中で、ループ内のそれぞれの記憶はリセットされる設定のようです。これは映画「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」と同じ設定です。そしてラノベらしく主人公は悪戦苦闘して時間を元に戻して物語は完結します。 巨匠・星新一の作品も「時間ループ」ものです。こちらはちゃんと記憶が残る設定となっています。ある日時以降、予測や計画など一切できなくなるという不可思議な現象が世界中で起こります。そしていよいよその日時を過ぎると今度はその日が延々と繰り返されるのです。しかしながら星新一はさらなる現象を盛り込みます。それは過去に遡って死者が次々と蘇るという現象です。そして蘇った者たちも含めて過去の検証を始め真実を追求し始めます。実はこれがこの物語のオチの伏線です。やがて最後のひとりが復活して真実が明らかになるのでしょうか…。 推理作家の仁木悦子が大井三重子名義で書いた児童文学作品のひとつ。小学6年生の国語の教科書にも採用されたという本作が伝えようとしているメッセージは「自分の記憶はいいことも悪いことも含めて自分の思い出なのだから、すべて目を逸らさずに自分の中で咀嚼して生きていくべきだ」ということだと思うのです。いまの時代でもきちんと伝わる道徳的な、素敵なファンタジー作品です。 最後はもうひとつの個人的に気になる作品。デヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット主演で映画化された「ベンジャミン・バトン」の原作です。映画は見ていませんが、これもまさか短編だったとは思ってもみませんでした。生まれた時点ですでに70歳ぐらいの老人だったベンジャミン・バトンが若返りながら人生を全うする姿を駆け足で物語ります。あまりに駆け足なのでドラマチックなエピソードはほとんどありませんが、「もしも」シリーズのプロットとしては秀逸で映画が非常に気になるところです。

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