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第七官界彷徨
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第七官界彷徨
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商品レビュー
3.7
111件のお客様レビュー
大学の授業で扱い、読んだ。初めて読んだ尾崎翠の作品がこれで本当によかったなと思う。表紙がとってもきれいだから、まずはそれだけでお気に入りになった。本棚をさわやかに彩ってくれる。もちろん、小説の中身もおもしろい。私は主人公の町子が従兄の三五郎に赤い髪を切られ、切られたあとに散ったそ...
大学の授業で扱い、読んだ。初めて読んだ尾崎翠の作品がこれで本当によかったなと思う。表紙がとってもきれいだから、まずはそれだけでお気に入りになった。本棚をさわやかに彩ってくれる。もちろん、小説の中身もおもしろい。私は主人公の町子が従兄の三五郎に赤い髪を切られ、切られたあとに散ったその短い髪が粉のように細かく細かく散らばっている…というところがとても印象に残ったけれど、大学の友人は町子の兄の二助が研究している、蘚の恋愛のことを話していて、同じ小説を同じ時期に読んでも、覚えているところは全然違うなあ、と面白かった。
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表紙と題名が気に入って買って、そのまま本棚に入れっぱなしだった本。 ふと気になって引っ張り出して読んでみたら、ジャケ買いした自分グッジョブ!と思うくらいよかった。神秘的な表紙と題名からイメージする儚い内容ではないけど、でも苔の恋愛を表現しようとしたらこうなるのかもしれない。ブック...
表紙と題名が気に入って買って、そのまま本棚に入れっぱなしだった本。 ふと気になって引っ張り出して読んでみたら、ジャケ買いした自分グッジョブ!と思うくらいよかった。神秘的な表紙と題名からイメージする儚い内容ではないけど、でも苔の恋愛を表現しようとしたらこうなるのかもしれない。ブックデザインは難しい。面白い、かわいい、いじらしい話。
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人間の五感を超え、第六官を超えた先の「第七官」に響くような詩を書きたいという少女の話。では第七官とはいかにぞや? 精神病院の医師の一助、苔の恋愛を研究するニ助、音楽学校の入学を目指して勉強中の三五郎。そして主人公の少女。 ガーリーで恋愛小説のようでもありSF小説のようでもある...
人間の五感を超え、第六官を超えた先の「第七官」に響くような詩を書きたいという少女の話。では第七官とはいかにぞや? 精神病院の医師の一助、苔の恋愛を研究するニ助、音楽学校の入学を目指して勉強中の三五郎。そして主人公の少女。 ガーリーで恋愛小説のようでもありSF小説のようでもある。難しい文体ではないのでサクサク読み進められるけれど、解釈にひと工夫必要な小説。 結局、「第七官」とは何だったのか。「仰向けで『空』を眺めていたのに『井戸』の底を覗き込んでしまうような」感覚。それが第七官。わかりました? これはつまり「読者それぞれの第七官を見つけてね」ということなのか。第七官界を彷徨う小説。とてもアヴァンギャルドである。
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