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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 1982/08/30 |
JAN | 9784041422076 |
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蒲田行進曲
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蒲田行進曲
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商品レビュー
3.8
29件のお客様レビュー
映画も良かったですが…
映画も良かったですが、やはり、原作の凄みというか、表現の自由を感じます。飴と鞭のような心の動き、言葉は烈しくても、温かい血が通っている。つかこうへいの世界の人間くささがいっぱいです。
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泣けました。感動しま…
泣けました。感動しました。小奈津を愛すれば愛するほど、どうしょうもなくなるやすの気持ち…
文庫OFF
初めて読んだのは、映画を観たあと。 映画のシーンと重ねながら、読んだはず。 原作だけに、つかこうへいの毒に直に触れた気がした。 銀ちゃん、ヤス、小夏の三角関係は、鮮烈な原体験となった。 ひけめの美学、前向きのマゾヒズム。 当時、好きな女の子に、あえて告白しないこと、その口実にこれ...
初めて読んだのは、映画を観たあと。 映画のシーンと重ねながら、読んだはず。 原作だけに、つかこうへいの毒に直に触れた気がした。 銀ちゃん、ヤス、小夏の三角関係は、鮮烈な原体験となった。 ひけめの美学、前向きのマゾヒズム。 当時、好きな女の子に、あえて告白しないこと、その口実にこれが前向きのマゾヒズムだと誤読して、友人を呆れさせたのも若気のいい思い出だと思えるほど、歳を食った。 かれこれ、40年ほど前の話。 それから何度も読み返していたが、今回30年ほどぶりに読み返す。 確かに、歴史的なことがらも含まれているし、現在では注釈が必要な名詞も散見される。 だが、この小説の根深さは、現在の日本社会構造の歪さを今も照射していると感じる。 つまり、日本特有の共同体のありようは、時間の経過によって消失するような、底の浅いものではないと思う。だからこそ、銀ちゃん、ヤス、小夏によって描かれる関係性は、言わば、日本社会の元型として、今も、読み手へインパクトを与える。 つかこうへいは、舞台を小説にする際、『銀ちゃんのこと』というタイトルへ変更している。そのタイトルは、出版される際、『蒲田行進曲』へ戻されているが、むしろ、『銀ちゃんのこと』という原題からこそ、つかこうへいの企みを読み取るべきだ。ヤスのはなし、小夏のはなしとしてしか、語られえない存在としての銀ちゃん。銀ちゃんとは、銀ちゃんのこととして語られる以外にない。つまり、読み手にとって銀ちゃんの実像は知りえない。前向きのマゾヒズムという、つかこうへいの哲学を背負うのは銀ちゃんである。前向きのマゾヒズムを担う登場人物は、『ヒモのはなし』の重蔵がいる。重蔵と銀ちゃんの違いは、それぞれの小説の語りの構造の違いによる。この語りの構造は、登場人物の関係性を反映している。『ヒモのはなし』では、重蔵と明美の関係にフォーカスされていて、第3の男性は不特定だが、『蒲田行進曲』では、この不特定人物がヤスに結晶化され、銀ちゃん=ヤス、ヤス=小夏の関係が銀ちゃん=小夏と同等の緊密さをもっている。この不特定人物の結晶化は、舞台制作の過程の事情が大きく影響しているのだろう。長谷川康夫を軸に当初、劇作が行われていたことが『ヒモのはなし』から『蒲田行進曲』への移行において決定的に重要だ。これによって、銀ちゃんは、重蔵のような、自らを語りうる存在ではなくなってしまった。そして、語られる存在とされたことによって、その不在を明かすことになる。
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