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スカーラッチ家の遺産(上)
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スカーラッチ家の遺産(上)
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<上下巻通してのレビュー> 第二次大戦も末期に近い1944年10月、ワシントンはナチ首脳部内の謎の人物から、ひそかに接触を受けた。内容は、大戦終結の鍵となる極秘情報を提供するという衝撃的なものだった。 交渉相手に指名されたのは、合衆国陸軍情報部のキャンフィールド少佐。 少佐は会見地リスボンへの出発前に、大統領しか閲覧できない、ある、最高機密文書の引き渡しを要求した。 それはアメリカの大財閥スカーラッチ家に関する極秘ファイルであった。 他の作品に押されてやや影が薄いのですが、この作品がロバート・ラドラム氏の処女作なんですよね。 前振りが上記であり、内容のほとんどは第一次大戦終了間際から第二次大戦開戦前までの出来事です。 一代で大きく成長したスカーラッチ家の3男である、アルスター・スカーレット。 何がどうしてこの男が、かくも凶暴で残酷で自分勝手な人物になってしまったのでしょうか…(いや、生まれつき?) 第一次大戦終了間際の出来事をきっかけに、アルスターは着々と自分の計画を進め、実母であるエリザベス・スカーレットそして、マシュー・キャンフィールドの手によって世界的危機は間一髪で止められました。 エリザベスの頭脳と勇気、マシューの機転と勇気に感服です。 身内の出来事が全世界を巻き込む混乱の引き金になる…お金持ちって大変ですね。 全体としては面白かったのですが、最後の終わり方があまりスッキリしないのと、エリザベスのことにもう少し踏み込んでもらいたかったです。
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