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靖国史観 幕末維新という深淵 ちくま新書

小島毅【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/筑摩書房
発売年月日 2007/04/11
JAN 9784480063571

靖国史観

¥220

商品レビュー

3.3

7件のお客様レビュー

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2020/06/10

坂本龍馬が靖国の英霊になっているのは知らなかった。龍馬ファンはこの事実をどう受け止めているんだろうか?本書は靖国神社の思想的根拠は神道ではなく儒教であるとし、その根拠を後期水戸学に求める。そして、皇国史観≒靖国史観≒司馬史観?とし、王政復古の大号令には正当性がなく、靖国神社は反体...

坂本龍馬が靖国の英霊になっているのは知らなかった。龍馬ファンはこの事実をどう受け止めているんだろうか?本書は靖国神社の思想的根拠は神道ではなく儒教であるとし、その根拠を後期水戸学に求める。そして、皇国史観≒靖国史観≒司馬史観?とし、王政復古の大号令には正当性がなく、靖国神社は反体制テロリストを祭る施設としてスタートしている事を問題視する。また、「勤皇の志士」に比べれば東条英機の方が人格的には高潔で立派であるとまで言い切る。著者の言うように、見方によっては小御所会議も東京裁判もインチキである事には変わりはなく、このように歴史を「相対化」する視点は必要に思える。 著者の主張を是とするなら、確かに靖国問題は国内問題であって、中韓からとやかく言われる筋合いはないと言える。しかしながら、現実問題としてとやかく言われている事にどう対応してくべきなのか?という課題は残る。この課題の解決に関しては著者の専門領域外であり、本書が対象外とする課題でもあるだろう。ここが歴史家(思想史家)の限界なのだろうが、各々専門が違うので仕方のない事ではある。 とはいえ、1945年に関しては数多の反省があり、靖国問題も盛んに論じられているが、1968年に関しては反省どころか懐疑もなく、肯定的に捉えられているのが実情である。靖国問題を考える上で必要な観点は前者だけではなく、後者にもクローズアップする事の必要性を訴えた著者の問題提起は傾聴に値する。

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2019/08/27

祭政一致国家ー国体という概念は、江戸時代の水戸派の会沢正志の「新論」から出てきたもので、それまでなかった。祭政一致とは、政教分離という近代の仮構から古代へ無理に遡らせたものである。皇室が行う籍田も先蚕も江戸時代からである。なんと大嘗祭も江戸時代に創り出された。西洋列強の船が日本近...

祭政一致国家ー国体という概念は、江戸時代の水戸派の会沢正志の「新論」から出てきたもので、それまでなかった。祭政一致とは、政教分離という近代の仮構から古代へ無理に遡らせたものである。皇室が行う籍田も先蚕も江戸時代からである。なんと大嘗祭も江戸時代に創り出された。西洋列強の船が日本近海に出没するのに、各藩ではなく日本全体を単位とする「国体」を会沢は考えたのである。倒幕成功以来、政治の表舞台で封印されてきた「国体」を呼び起こしたのは、美濃部天皇機関説事件であり、「国体の本義」が作成されることになる。 中世の「愚管抄」と「神皇正統記」は、武家政権成立を歴史の中できちんと位置付け、朝廷もそれに対応した政治構想を築く必要を提言していた。武家政権の排除などという発想はなかった。国体を本来の天皇親政の姿に戻さねばという発想は、19世紀の儒学、国学から生まれたのである。 薩長の官軍が江戸を制圧した直後の1868年に江戸城内で、新政権の樹立に向けて犠牲になった者を天皇の忠臣として祀った「招魂祭」が靖国の始まりである。まずは、招魂社という神社となり、西南戦争での戦死者を顕彰するため靖国神社へと発展した。日清戦争では、天皇の名の下に戦う兵士の士気を高めるための靖国であり、勝てば官軍の心性より負けてはならないものであったのが、太平洋戦争で負けてしまった。そこで「あれは正義の戦争だった」という靖国神社の史観となる。 さらに著者は、靖国神社は、徳川政権に対する反体制テロリストたちを祭るために始まった施設であり、A級戦犯問題はどうでもいい、靖国問題は国際問題ではなく国内問題だと主張する。 ーうーむ、現実問題として国内問題で済むものなのか。薩長のテロリスト、A級戦犯問題などはもっと別の書籍で読んで考えなければならないのだろう。しかし、国体、靖国神社の歴史的なことがよく分かった。

Posted by ブクログ

2010/08/29

[ 内容 ] 司馬遼太郎をはじめ、今や誰もが一八六七年の「革命」(=明治維新)を肯定的に語る。 けれども、そうした歴史評価は価値中立的ではない。 なぜか。 内戦の勝者である薩長の立場から近代を捉えた歴史観にすぎないからだ。 「靖国史観」もそのひとつで、天皇中心の日本国家を前提にし...

[ 内容 ] 司馬遼太郎をはじめ、今や誰もが一八六七年の「革命」(=明治維新)を肯定的に語る。 けれども、そうした歴史評価は価値中立的ではない。 なぜか。 内戦の勝者である薩長の立場から近代を捉えた歴史観にすぎないからだ。 「靖国史観」もそのひとつで、天皇中心の日本国家を前提にしている。 本書は靖国神社創設の経緯をひもときながら、文明開化で儒教が果たした役割に光をあて、明治維新の独善性を暴きだす。 気鋭の歴史学者が「日本」の近代史観に一石を投じる檄文。 [ 目次 ] 第1章 国体(国体の本義 寛政の改革 天祖の創出 祭政一致国家という言説 戦闘者としての武士の再興 天壌無窮の信仰 国体明徴運動 平泉澄の歴史認識) 第2章 英霊(靖国の祭神 誰が英霊なのか 幕末の英霊たち 「英霊」の原義 藤田東湖) 第3章 維新(維新の本義 革命と相違 万世一系の創出 「中興」のあと 武家政権についての歴史認識 ナショナリズムの勃興) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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