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ぼくの村は戦場だった。

山本美香【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 マガジンハウス/マガジンハウス
発売年月日 2006/11/24
JAN 9784838716852

ぼくの村は戦場だった。

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商品レビュー

4.5

23件のお客様レビュー

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2020/03/01
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※このレビューにはネタバレを含みます

2012年にシリア内戦の取材中に亡くなったジャーナリスト、山本美香さんの取材記録のような書籍です。 アフガニスタン、ウガンダ、チェチェン、コソボ、イラクに実際に行って、紛争地で影響力を持つ人物から一般市民、タリバン支配下で息をひそめて暮らす女子学生など、幅広い人々に会って取材したことが記録されている。 なぜ紛争が起こるのか、多面的に理解しなければならないけれど、私のアタマでは新聞や解説書や、世間で「わかりやすい」と評判の池上彰さんの書籍やテレビ番組などではなぜか理解が深まらない。(なぜだろう?) 現地に行って命がけで取材してきた女性の、見たまま、聞いたままの取材記録からなら、もっと生々しく理解できるかも、と手に取りました。 各章の最初に、簡単に紛争情勢の解説が書いてあって、そこから著者の目線で現地の人々の様子がつづられる。とても興味深いと同時に、恐ろしいです。 イラク・サマワに派遣された日本の自衛隊についても、日本政府の説明と現地で見たことのギャップを、政府批判とかではなくありのままに書いていて、わかりやすかった。サマワでは多くの人が、当初自衛隊が来ることを歓迎していた。日本の企業が来て、安定した電力や雇用を生み出すことが多いに期待されていた。しかし実際は、「紛争地には派遣されてはいけない」はずの自衛隊は、決して隊員の命を危険にさらすことはできないわけで、できることがかなり制限され、何重にもお膳立てされたありきたりな(というか…)活動をすることしかできず、現地の人々の期待に応えられるはずもない。自衛隊の責任でもない。そこが危険すぎるんだ!と私は思った。 山本美香さんの仕事は、偏らない、ありのままの、正しい情報を世界に発信し、国際社会や日本に届けることで、素晴らしいことだと思うが、すべて読んで、平和というものはやはり、そこに住んでいる人々の手で作り上げるしかないのだと思った。外国の干渉、ましてや武器の供給、様々な名目(大義名分)による空爆などで、平和が訪れるはずもない。混乱と憎しみが残るだけだ。 そしてどんなに尊い仕事をしてもやはり、死んではだめだ!と言いたい。命をかけないとできない仕事があることはわかるが、一人の女性として、子を持つ親として、両親の娘として、人間として、やっぱり、死んじゃだめだと言いたい。2006年の日付で書かれたあとがきの最後には、ご両親への感謝の言葉がつづられている。その文章で、他のすべての章がふっとんでしまった。やっぱり死んじゃだめ!としか思えなかった。

Posted by ブクログ

2017/08/19

アフガニスタン、ウガンダ、チェチェン、コソボ、イラク。日本では あまりに情報が少ない世界の紛争地を取材したルポルタージュ。 タリバンの圧政の下、学ぶことさえも奪われたアフガニスタンの 女性たち。密かに集まって、大学生だった女性が先生役となり 勉強を続ける。 著者が亡くなって以...

アフガニスタン、ウガンダ、チェチェン、コソボ、イラク。日本では あまりに情報が少ない世界の紛争地を取材したルポルタージュ。 タリバンの圧政の下、学ぶことさえも奪われたアフガニスタンの 女性たち。密かに集まって、大学生だった女性が先生役となり 勉強を続ける。 著者が亡くなって以降、何度かテレビ番組でこの時の取材映像 が流された。命の危険を承知で、著者が回すビデオ・カメラに 顔を晒した女性たち。 この映像が、山本美香というジャーナリストを象徴しているのでは ないか。女性だからこそ、弱いものへ向けられた視線があったから こそ出来た取材だったのだろう。 密告者だと疑われ、唇や耳を削がれたウガンダの女性たち。 誘拐され、子供兵として訓練された少年や少女の心に宿った 闇。 封鎖されたグロズヌイ。爆撃で廃墟のようになった建物で、肩を 寄せ合って暮らす子供たち。 セルビア人とアルバニア人が、うまく付き合っていたコソボでは 復讐の連鎖が止まらない。もう、民族の違う隣人は信用出来ない。 フセイン政権からの解放者だった米軍は、イラクの普通の人々に とってはフセインに代わる圧政者でしかなかった。国際問題に 発展してもおかしくない、米兵たちの悪行三昧は黙認されたも 同然だ。 戦争・紛争という不条理。その影響をもろにかぶるのは市井の 人々だ。日本とは政治的に繋がりの希薄な地域だが、私たちが 当たり前だと思っている「普通の暮らし」から程遠い生活を強い られている人々がいる。 「戦争は、どちら側が正当か私には分からない。でも、ひとつ だけ分かっていることがあるわ。私たちが犠牲者だってことよ」 チェチェンで雑貨を商っていた老婆の言葉は、すべてを言い表して いるのではないか。 ジャーナリスト・山本美香。2012年8月20日、内戦の続くシリアを 取材中に政府軍の銃撃により死亡。 彼女の死が伝えられた時、呆然とした。そして、今は彼女を失った ことが悔しい。まだまだ彼女に伝えて欲しいことがあったのに。

Posted by ブクログ

2016/01/11

2012年8月にシリア内戦取材中に政府軍の銃撃に倒れたフリージャーナリスト山本美香の2006年の著作。 フリーとなった1996年以降に訪れた、アフガニスタン、ウガンダ、チェチェン、コソボ、イラクという紛争地の惨状とそこに暮らす人々の日々の様子を、多数のカラー写真とともに伝えている...

2012年8月にシリア内戦取材中に政府軍の銃撃に倒れたフリージャーナリスト山本美香の2006年の著作。 フリーとなった1996年以降に訪れた、アフガニスタン、ウガンダ、チェチェン、コソボ、イラクという紛争地の惨状とそこに暮らす人々の日々の様子を、多数のカラー写真とともに伝えている。 著者が亡くなったときも、先日イスラム国に後藤健二氏が捕まり殺されたときも、少なからぬ人々から「何故そのような危険な地域にわざわざ行くのか」との声が上がったり、TVニュースのゲストの専門家からですら「今後再発を防ぐためには、そのような地域に近寄らなければいい」というコメントが聞かれる。 しかし、世界があらゆる面で繋がりグローバル化した現代において、望む望まないに係わらず、我々はそうした紛争の情報に触れるし、輸出入品や金融市場等を通して影響も受ける。即ち、各地の紛争は別世界の話ではないのである。日本が国家として、こうした問題にどう係わっていくのかについては、様々な観点からの議論が必要だと思うが、個人レベルでは、せめて何が起こっているのかを知り、そこに生きる人々の思いを共有することが大切なのではないか。 日本に暮らす自分にできることは限られるが、著者が「目をそらしても現実が変わるわけではない。そうであるなら、目を凝らして、耳を澄ませば、今まで見えなかったこと、聞こえなかったことに気づくだろう。戦場で何が起きているのかを伝えることで、時間はかかるかもしれないが、いつの日か、何かが変わるかもしれない。そう信じて紛争地を歩いている」という、その信念を心に刻んでおきたいと思う。 (2014年5月了)

Posted by ブクログ

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