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火群の森
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火群の森
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飛鳥時代を舞台に、苦しむ一人の皇子蜂子。顔が西方系の鳶色であることから、生まれながらに、恐れられ、忌避される存在。山にこもり修行した後で訪れる悟り。 指導者、真岳はかたる。 「自分の思いのままに生きられよ」 「そなたの姿に寄せる皆の思いは 、そなたのものでなく、皆のものだ。それ...
飛鳥時代を舞台に、苦しむ一人の皇子蜂子。顔が西方系の鳶色であることから、生まれながらに、恐れられ、忌避される存在。山にこもり修行した後で訪れる悟り。 指導者、真岳はかたる。 「自分の思いのままに生きられよ」 「そなたの姿に寄せる皆の思いは 、そなたのものでなく、皆のものだ。それを拒むことがそなたの心からの思いならそうされよ」 蜂子はハッと気づかされるものがあった。それを察したように真岳は静かにうなづいた。 「人々の思いがいかなるものであっても、それを受け入れるかどうか否かは、自分の思い一つじゃ。そこにそなたのまことの生がある。人の思いと己の思いとを、一つとするか否か。己の思いで、誰の思いを受け止めるか。そして、それを選び取った時、思いは溶け合い、互いの生が溶け合って、新たな一つの生となるのだ」 この年1992年に作風ががらりと変ります。思い惑っていた作者がある悟りを得たのだと解釈しています。
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私の中で榊原さんの最高傑作。 中世日本の貴族社会を舞台にした、ものすごく救われない話なのだが、ひたすらに美しい。
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