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犬儒派だもの
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犬儒派だもの
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商品レビュー
3.4
9件のお客様レビュー
著者は評論家。本書は雑誌に掲載されていた歯に衣着せぬ論評をまとめたもの。第三章 自我と毒薬に書かれてある自殺論は考えされられる。完全自殺マニュアルがベストセラーとなった当時、自殺をポジティブな行為として捉えていた一派を「辟易する。肥大した自我のポジティブぶりにである。」と一蹴。 ...
著者は評論家。本書は雑誌に掲載されていた歯に衣着せぬ論評をまとめたもの。第三章 自我と毒薬に書かれてある自殺論は考えされられる。完全自殺マニュアルがベストセラーとなった当時、自殺をポジティブな行為として捉えていた一派を「辟易する。肥大した自我のポジティブぶりにである。」と一蹴。 その後に続く円谷幸吉の遺書や、遺書を書くために文字を学んだ昭和30年に自死した農婦の遺書を読むと、自殺を軽々しく捉えがちな世の中に異を唱える著者の考えに個人的には同意する。
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円谷幸吉を論じる著者の自殺論が一等著者の思想を代表する文章であると言えよう。犬儒派と「だもの」を引っ付ける、このおっさんは、やはり愛嬌とど根性の好男児である。
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作品以上に本人が魅力的なマンガ家・水木しげるのエピソードを紹介した文章や、半端な知識人たちの蒙昧さを舌鋒鋭く批判した論考、さらに、今は禁煙しているという著者のタバコに対する深い思い入れをユーモアを交えながら語ったエッセイなどを収録しています。 『別冊宝島』などに寄稿された文章が...
作品以上に本人が魅力的なマンガ家・水木しげるのエピソードを紹介した文章や、半端な知識人たちの蒙昧さを舌鋒鋭く批判した論考、さらに、今は禁煙しているという著者のタバコに対する深い思い入れをユーモアを交えながら語ったエッセイなどを収録しています。 『別冊宝島』などに寄稿された文章が多いのですが、どれも読み応えがあります。とくに、鶴見斉の『完全自殺マニュアル』のブームを受けて、幾人かの遺書についての考察をおこなっている「虚無に向きあう言葉」と題されたエッセイが、心に残りました。
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