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音楽史ほんとうの話
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音楽史ほんとうの話
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バッハは、死とともに忘れられていき、1829年のメンデルスゾーンのマタイ受難曲蘇演によって、急激に再評価されたと思われているが、それまでに様々な人々によって再評価の実践は行われていたのだ。モーツァルトもベートーヴェンもおおいにバッハを研究している。マタイ受難曲自体は、蘇演以降もな...
バッハは、死とともに忘れられていき、1829年のメンデルスゾーンのマタイ受難曲蘇演によって、急激に再評価されたと思われているが、それまでに様々な人々によって再評価の実践は行われていたのだ。モーツァルトもベートーヴェンもおおいにバッハを研究している。マタイ受難曲自体は、蘇演以降もなかなか一般には理解されなかったようだ。 19世紀の人々は抽象的なモーツァルトの音楽より具体的なものを好んでおり、モーツァルトは難解であった。 ベートーヴェンは、19世紀から今日までの近代社会の鏡であり、この鏡に映しだされたさまざまな像に人々は理想を託した。 ロッシーニは38歳でオペラを作曲するのをやめてしまったのは、美食に専念するためだったと思われているが、それは彼一流の韜晦であり、音楽の流行が変わったことを敏感に察したことや政治の状況に嫌気がさしたことによるものだったという。 清く貧しい薄幸のシューベルトというイメージが流布しているが、実は楽譜出版で結構収入を得ていたのである。梅毒で死んだのも間違いないしね。 徴兵制を敷いて国民軍を組織したフランスでは、軍楽隊の整備が急務となり、軍楽隊員を養成するために「無料軍楽隊学校」を開設し、今日のパリ音楽院の前身となった。革命式典などでは数百人編成の壮大な吹奏楽が演奏され、大群衆は大合唱で大いに盛り上がった。ベルリオーズは誇大妄想症というより、時代の潮流に乗ったというのがいいのかもしれない。 ブラームスの伝統主義、ペシミズムは自己演出のところもある。ヨハン・シュトラウスやオペラが好きで、ヴァーグナーも結構評価していた。 ヴァーグナーはシューマンに好意を持ってもらいたかったが、シューマンはヴァーグナーの音楽は理解できず、ヴァーグナーの自己主張の強さも嫌っていた。 オーストリア帝国の支配下にあったチェコのスメタナはいわれのない差別にあったが、リストはスメタナを温かく迎え擁護した。 ロシア5人組はアマチュア作曲家たちと言われるが、ちゃんと音楽教育を受けており、生活のために音楽家以外の顔を持っていたのだ。 サン・サーンスの音楽は明晰で分かりやすいが、音楽も人物もフランス人から嫌われた。時代のいろいろな巡り合わせが悪かったのだ。うーん、気の毒。私は交響曲第3番、結構好きだけどね。 といような、一般のイメージを覆すような話である。その時代のいろいろな資料をもとに述べているのだが、整理が不十分なところもあって印象は散漫な感じ。
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