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攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 虚夢回路 徳間デュアル文庫

藤咲淳一(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 徳間書店
発売年月日 2004/01/23
JAN 9784199051456

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 虚夢回路

¥220

商品レビュー

3.6

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2018/12/22

P19  少年の首のプラグに電脳錠が差し込まれていた。  一瞬の硬直の後、少年の身体が弛緩する。  電脳内の生体保持以外の機能を一時停止させる電脳錠は、電脳化の進む社会において、絶対的な効果をもつ拘束具だ。  光と音のパターンが有機的に絡み合う。記憶を電脳に送り出す際に変圧素子...

P19  少年の首のプラグに電脳錠が差し込まれていた。  一瞬の硬直の後、少年の身体が弛緩する。  電脳内の生体保持以外の機能を一時停止させる電脳錠は、電脳化の進む社会において、絶対的な効果をもつ拘束具だ。  光と音のパターンが有機的に絡み合う。記憶を電脳に送り出す際に変圧素子(トランス)が記録として返還されていく。  情報化された記録が並ぶネットの世界から、有機的な記憶の世界への境界線―ゴーストラインを草薙は<鍵>を作りながら奥へ奥へと進んでいく。  記憶野の光景は、少年の生活習慣を反映しているのか、情報が乱雑に配置されている。  『情報コレクターか。大半がリンク切れしているわね。集めるだけ集めて満足して、情報整理もできてない。チャンク化の効率も悪いわね。外部記憶に多くを頼っているステロタイプのネット依存症だわ』  記憶野の中に漂う情報のレイヤーを掘り下げ、さらに深層へと草薙ぎは進んでいく。  情報のみ密度が濃くなってくる。  それは光として草薙には感じられた。  一つ一つの光点が記憶の素子を表す。その光が集まり、密度の濃い部分は大きな光となって感知されるのだ。宇宙に浮かぶ星のイメージが最も近いだろう。それぞれの光点の間を動く別の光点も見える。今は電脳錠の働きにより活動を停止しているが、海馬で行われている神経信号の動きをトレースしたものだろう。  その光の中に黒点が見える。その黒点が光を侵食し始めていた。 『記憶が断片化を始めている。このままでは意味消失しかねないわ』  一瞬にして、30万件を超えるヒットがあった。  (略)この検索過程は何かを必死に思いだそうとする感じと一緒だ、とカザイは思った。電脳を使いこなしていくためには、電脳を自分自身の延長であるとイメージすることが最短の道だと誰かが言っていたのを思い出す。(略)  自分が、電脳が主流となった世界に馴染めないと思う瞬間だ。  前世紀末、核の冬を経て起きた第4次非核大戦の長期化は、人類にとって技術と科学の進歩をもたらす起爆剤となった。  義手、義肢の延長線上にある義体と呼ばれるサイボーグ技術と、マクロマシンの導入による電脳化の実現が、世界を大きく変える契機となった。  2003年に初の電脳兵器が戦線に投入され、人の脳と外部装置をリンクさせる技術革新が進むと同時に、脳自体の解明も急速な進歩を見せていった。  2015年には記憶の機構が解明され、記憶を記録情報として御する術に人間は手をかけたのである。ネットに漂う膨大な量の情報を外部記憶として利用するために最も効率の良い手段として、ネットと脳とを直接繋ぐことに成功したのだ。  脳にマイクロマシンを注入し、一つの端末として機能させる電脳化は爆発的な普及を見せ、人は情報の海に漂う<個>となったのである。  端末と端末の直接接続は情報交換を効率よく行うための手段であり、人はこれをおのれの電脳で行い始めていた。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚という五感を通じた情報のコミュニケーションに頼らず意思を直接、相手の電脳に送り込む手段が生まれることで、人の生活は次第にネットに依存する形で変貌し始めた。2027年には、日本の政府は電脳立国を宣言。人と電脳とのかかわりを国家として公的に容認したのである。(略)  だが一方で、人々の中には、器質的に電脳不適応とされる人間も出てきたのである。 <記憶屋>  他人の記憶からゴーストラインを抜けて、記憶を盗んでくるもの。 <夢屋>  記憶を材料に、疑似記憶を作り上げる

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2011/07/09

ある朝、目を覚ましたらボクはテロリストだった- 普通の少年たちが、突然テロを起こす《目覚ましテロリスト》、 あるテロ組織に命を狙われるVIPの護衛、 ふたつが重なっていき、明かされる真相。 冒頭から、???って感じなのは、攻殻らしいというか。 後々に解明されるのでちゃ...

ある朝、目を覚ましたらボクはテロリストだった- 普通の少年たちが、突然テロを起こす《目覚ましテロリスト》、 あるテロ組織に命を狙われるVIPの護衛、 ふたつが重なっていき、明かされる真相。 冒頭から、???って感じなのは、攻殻らしいというか。 後々に解明されるのでちゃんとスッキリしましたが、いっきに読まないと先が気になってしまって仕方なかったです。 最後は、「あ~、やっぱりお前か。」って感じで、途中からの予想通りの展開になってくれました。 ストーリーのテンポがよくて非常に読みやすい文章でした。 アクションシーンではアニメと同じスピード感が◎ アニメよりも分かりやすい内容(ややこしすぎない)で、伏線も良かったです。 攻殻のアニメ観たことない人は、小説より先にアニメを観ることをお薦めします。 キャラクターや組織の説明をする文章も出てきますが、それだけでは攻殻の世界を知るには不十分。 アニメで世界観やアクション(特に素子の動き)なんかを頭に入れておかないと、読んだ時に頭の中で巧く文章を映像に変換できないと思うので。

Posted by ブクログ

2010/11/13

題名通り攻殻の小説。たいがいアニメの小説って微妙だが、今作はきちんとアニメの雰囲気を踏襲した上で小説になっている。 アニメだと情報が過多で世界観なんかは見逃す部分があるが小説という文字媒体になったことで理解できる世界が広がっている。雰囲気を湛えた上で小説になっているのは作者が原作...

題名通り攻殻の小説。たいがいアニメの小説って微妙だが、今作はきちんとアニメの雰囲気を踏襲した上で小説になっている。 アニメだと情報が過多で世界観なんかは見逃す部分があるが小説という文字媒体になったことで理解できる世界が広がっている。雰囲気を湛えた上で小説になっているのは作者が原作の脚本を書いているからだろう。しかし、核ともいえる部分が若干わかりやすく半分あたりで原因が読者にわかってしまうのが残念である。とはいえ、結末は意外だし、アニメ原作で元の雰囲気もきちんと残っているので上手い本だろう。

Posted by ブクログ

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