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日常茶飯事
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日常茶飯事
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商品レビュー
2.8
6件のお客様レビュー
著者のエッセイストと…
著者のエッセイストとしての本領が随所で発揮されている傑作。物事の見方・捉え方・感じ方の全てにおいて斬新かつ面白い。「楽しくてタメになる」エッセイです。寝る前に少しづつ読みたい本。。
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※このレビューにはネタバレを含みます
この本が最初に出版されたのは、昭和37年。 さすがに私も生まれていませんが、それでも面白かったです。 時代とともに古くなるテーマもありましたが、例えば「食べれる」などの「ら」抜き言葉に怒ってみたり(そんな昔からあったんだ…)、芸能人の私生活を暴いて喜ぶ芸能雑誌に怒ってみたり。 事実よりも、よりスキャンダルな仮説に飛びつく読者。 ”読者は常に、気に入らない説なら認めぬ。読んでも記憶にとどめないのである。” これは戦後にあった「下山事件」について書いた文章なのですが、当時の国鉄総裁が自殺か他殺かで相当に世論は盛り上がったようです。 ”ジャーナリズムの理想は、事件に追いついて、それを追いこすことにある。たとい短時間でも、そこに時間が介在すれば、どんな邪魔が入るか知れない。だから本当は、事件の直前にその場にいたいのである。 電信柱のかげでもいい。彼はその場にひそんでいたい。そこへ、あの名高い下山総裁が、よろよろと、あるいはつかつかとあらわれて殺される、または自殺する。 その一挙一動を、電信柱のかげから彼は見ている。見て鉛筆を走らせている。首尾よく総裁の息が絶えたら、かけ出して新聞社に電話する。これなら神速、かつ正確な記事が書ける。ついに、事件と報道は密接する。” なんだか最近の事件を思い起こさせる文章に、背筋が寒くなります。 スピードを追い求め、効率を重視しすぎる世の中に警鐘も鳴らしています。 徒歩で歩いていた時代より、馬で走っていた時代より、今は何倍も速く移動することができるけれど、では、何倍も幸せになっているのか? 否。 却って身も心もすり減らしているではないか、と。 私が生まれる前に、既にこのように言い切っている人がいることに驚きます。 そして、結局何も解決することなく、現在に繋がっている事にも。
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「つまり、山本夏彦のエッセイは、それが五十以上の思想・認識は述べていないと分かっていても、その順列・組み合わせが無限だから、常に新しい感じがするのである。」「本書は、以後四十年間にわたって、無限のバリエーションで同じ思想・認識を伝え続けた山本夏彦が、その原型たる五十種類の思想をは...
「つまり、山本夏彦のエッセイは、それが五十以上の思想・認識は述べていないと分かっていても、その順列・組み合わせが無限だから、常に新しい感じがするのである。」「本書は、以後四十年間にわたって、無限のバリエーションで同じ思想・認識を伝え続けた山本夏彦が、その原型たる五十種類の思想をはっきりと示している唯一の本なのである。」(■新潮文庫版の鹿島茂による解説より)
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