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水の時計
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水の時計
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商品レビュー
3.6
53件のお客様レビュー
設定にいろいろ詰め込まれすぎていて、わからないところが多々あったのだけれど、読ませる物語だった。重いテーマで、特に少女の想いの理由を知った時絶望的な気持ちになってしまうけれど、人としてそれを突きつけられたら、決して疎かにしてはならない問いだ。それを正面から扱ってデビューというのは...
設定にいろいろ詰め込まれすぎていて、わからないところが多々あったのだけれど、読ませる物語だった。重いテーマで、特に少女の想いの理由を知った時絶望的な気持ちになってしまうけれど、人としてそれを突きつけられたら、決して疎かにしてはならない問いだ。それを正面から扱ってデビューというのは、すごい。
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22回横溝正史ミステリ大賞受賞 先が気になる話で一気に読めたが、読後感はすっきりしないのひとこと。 自分の臓器を主人公に託して移植していく、連作? 移植一件目、角膜移植の話が一番良かった。 室井、昴が暴走族になったきっかけもよくわからないし、高階が最後追いついてきたのも急だと思った。 主人公の兄が入院させられた件、執拗に追いかけ回す刑事の動機、ライターのその後、芥先生含め病院スタッフは誰か親しい人を見送ることができたってどういうこと? 葉月が昴を好きになった理由もちょっと無理ある気が…… なんか全員の心情に納得できない。 帯に選考委員絶賛!って書いてあるけど、別に絶賛してなかった
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◆内容(「BOOK」データベースより) 医学的には脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた葉月が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった―...
◆内容(「BOOK」データベースより) 医学的には脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた葉月が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった―。透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。 ◆Amazonの感想より 冒頭にページを捲ると【幸福の王子】の話が出てきた。幼い頃母親に童話の本で読み聞かせられた事が思い出された。幸福の王子は宝石を分け与えたが、この作品はそのスタンスと物語を下地に作られている。だが分け与えるのは宝石ではなく人間の臓器。 脳死の宣告を受けた少女は、死んだ親の莫大な財産と遺言、現代医学の狭間で時が止まってしまっている。脳死とは言え生きる事も死ぬ事も出来ない。だが月夜の晩に生命維持装置でがんじがらめの身体から機械を通して声を発し会話をする事が出来た。少女は自分の身体から移植を必要としている人に臓器を分け与えたいと言う。だがその行為は非合法。そして白羽の矢が立ったのが暴走族を組織していた少年だった。幸福の王子で言うと、この作品では王子が少女で、ツバメが少年だ。最初に幸福の王子とヤンキーのギャップに戸惑ったが、読み進めていくうちにそれは無くなった。 少女の過去の経験が臓器を分け与えると言う形をとらせている。そして月夜の晩にと言うのもとても幻想的に思えた。少女と少年の儚い繋がりも片思い的で切ない。また、この作品は少年がやたらめったに臓器を運びまくると言うものではなく、各章節ごとに主人公が違うオムニバス形式を取っていることが尚の事良いのである。角膜の章節では精神的病を、腎臓の章節では日本の臓器移植の実情と闇を、心臓の章節では夫婦の愛を描いている。私的には心臓の章節がとても好きだ。機会があればこの作者の他の作品も是非読んでみたい。 なおこの作品は 【第22回(2002年)横溝正史ミステリ大賞】受賞作。
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