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ちぎれ雲
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ちぎれ雲
¥220
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商品レビュー
3.9
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高齢化社会とは、親も老い、子も老いているということ。幸田露伴も幸田文も長命の人。幸田露伴は慶応~明治~大正~昭和を生き、享年80。幸田文は明治~大正~昭和~平成を生き、享年86。父と娘と呼ぶには、少し年を取り過ぎている二人だがw、娘・幸田文が父・幸田露伴を語ったエッセイ。「ちぎれ雲」、講談社文芸文庫、現代日本のエッセイ、1993.2発行。
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このエッセイ集は幸田文の初期のものということで、父・露伴のことがいつもどこか話の中心にある。いままで幸田文の文章を読んだことがなかったので、他と比較はできないが、ここでは、なかなか遠慮がちというか、慎ましやかな文章を書くようだという印象だ。とは言いながらも、ところどころユーモアの...
このエッセイ集は幸田文の初期のものということで、父・露伴のことがいつもどこか話の中心にある。いままで幸田文の文章を読んだことがなかったので、他と比較はできないが、ここでは、なかなか遠慮がちというか、慎ましやかな文章を書くようだという印象だ。とは言いながらも、ところどころユーモアのようなものも見られたりして、ただただ露伴の子として書かれた文章ばかり、というわけでもない。後の作品にも触れてみたく思った。
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著者が、父露伴について語ったエッセイなどを収録しています。 端正な文章で、日日の暮らしに生きる露伴のことばを回想しているものもあれば、カマキリの共喰いを記す意外な文章もあります。また紙を粗末にすることを嫌う父と祖母を比較して、「おばあさんは奉書の洗濯などをやってけちくさく見える...
著者が、父露伴について語ったエッセイなどを収録しています。 端正な文章で、日日の暮らしに生きる露伴のことばを回想しているものもあれば、カマキリの共喰いを記す意外な文章もあります。また紙を粗末にすることを嫌う父と祖母を比較して、「おばあさんは奉書の洗濯などをやってけちくさく見えるけれども、当時の製紙業や製品に対してぶつくさ云ったことはない。鷹揚だった。それを父のほうは時によっては、ロール半紙は下等だとか、ざら紙はいつになっても進歩しない、……などと腹をたてて悪口を云いだすのである。これははたから見ていると、なんだか少しやっきになり過ぎていて独り相撲のような滑稽があるのだった」と一矢報いたりもしていて、ユーモアを感じさせる文章もあります。 「本を読んでものがわかるというのはどういうこと?」という質問に対する、「氷の張るようなものだ」という露伴のこたえが強く印象にのこっています。
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