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朝のあかり 石垣りんエッセイ集 中公文庫

石垣りん(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2023/02/21
JAN 9784122073180

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朝のあかり

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商品レビュー

4.4

10件のお客様レビュー

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2024/05/30

教科書のシジミを読んで、世のお母さんはシジミやあさりの味噌汁を作る前、台所に立つ背中からは分からないが、鬼ババになるらしいと詩のイメージを引きずってきました。エッセイを読めば、お母さんではなかったし、一人暮らしでは食べきれない量のシジミを長く生かすことも難しく、えいやと明日の調理...

教科書のシジミを読んで、世のお母さんはシジミやあさりの味噌汁を作る前、台所に立つ背中からは分からないが、鬼ババになるらしいと詩のイメージを引きずってきました。エッセイを読めば、お母さんではなかったし、一人暮らしでは食べきれない量のシジミを長く生かすことも難しく、えいやと明日の調理を決意するひとこま、また職業を定年まで全うしようとするなかで、家族の生計を支える女性がやっとはじめた一人暮らしのひとこまでもあり、イメージは塗り替えられました。

Posted by ブクログ

2024/05/04

14才から銀行に勤め続けて定年を迎え、つつましくひとり年をとる女性の暮らしと心の動きを写し取るものとしては、近年流行の元気前向き一人暮らしおばあちゃんの本よりもむしろずっと共感できる。 P36 2月21日【前略】このところ、隣の家の念仏が十二時を過ぎても低く続く。一時を回る頃に...

14才から銀行に勤め続けて定年を迎え、つつましくひとり年をとる女性の暮らしと心の動きを写し取るものとしては、近年流行の元気前向き一人暮らしおばあちゃんの本よりもむしろずっと共感できる。 P36 2月21日【前略】このところ、隣の家の念仏が十二時を過ぎても低く続く。一時を回る頃には近くの保健所工事現場から、鉄筋を打ち込む音が規則正しく響き始める。私の所在を知って台所口に呼びに来たのは野良猫シロ、夜食をよこせというのであった。貧しくにぎやかな夜更け。寒い冷たい夜更け。 2月24日【前略】未婚者が自分の資質をゆがめず、素直に年をとるにはどうしたらよいか、その困難さについて先輩女性と語り合う。 P57 さしあたっての希望は、欲しがらない人間になりたい、ということ。誰が何をしてくれなくても。さみしかったら、どのくらいさみしいか耐えてみて、さみしくゆたかになろうと―。 P76 祖父がなくなる前、年をとったひとりの女が生きてゆくことをどのように案じるか、たずねました。「お嫁にも行かないで、この先、私がやってゆけると思う?」「ゆけると思うよ」「私は、私で終わらせようと思っているのだけれど」「ああいいだろうよ、人間、そう幸せなものでもなかった」 闇の世を立ち出でてみればあとは明月だった、という句を、祖父は口移しで私に伝え、やがて逝きました。 P86 シジミをナベに入れるとき語りかけます。「あのね、私といっしょに、もう少し遠くまで行きましょう」 P101 けれど洗濯機のない貧しさは、一面そんなことをしていられる時間のぜいたくさでもあって、家族が何人もいたら、とてもできない芸当に違いない。そんなことはさっさと片付け、一人暮らしならなおさら、もっと時間を有効に使わなければいけない、とけしかけるものの声がする。【中略】人が手を使うことより、頭を使うほうがずっと有効だ、というのはそのほうが高級でそれは高給につながるから得なのだ、という世間の風潮、その底からの呼び声である。 P204 (男対女の綱引きになぞらえて)男が力任せに引く綱に、ざざっと引き倒されて、軽く腰を浮かせてしまう、残念無念な女性群像も次第に見えてきた。降参した時点で、選ばれた女性が相手方の陣営に招かれていく。【中略】私は捕虜の光栄にも浴さず、戦士のように倒れて抱き起されることもなく年をとった。男を語る資格がない。 P229 働かないと、書くことも思い浮かばない、といった習性のようなものが、私の身についたのではないか、と案じられます。そして、物を考えているのは私の場合、頭だろうか?手だの足だので感じたり、考えたりしているのではないだろうか? P249 せつない、という言葉の重みは、心の中のどの部分に寄りかかろうとするのでしょうか。寄りかからせる優しい部分は、どこにどのようなかたちで存在するのでしょうか。うれしさとつらさ。有難さとすまなさ。恋しさと恨めしさ。いろいろな感情が、その時その時で違った混ざりかたをする、そのせつなさ。 P252 かりに好意で5年置いてもらったところで、いずれはやめなければならない。それなら少しでも早く一人になる稽古をしておこう。【中略】定年時の手習いが私の場合「一人立ち」だとしたら、これはどういうことになるのだろう。会社とはなんだったろう。【中略】ちょうど建物と同じで外から古く見えても、中で暮らしている限り変化はない。並んでいる新しい家と古い家の窓から見える空は同じなのよ、というと、同年配の人は、ほんとにそうね、と答える。

Posted by ブクログ

2024/02/27

昔も今も働く女性は変わらないと思っていたけれど、このところ急に世の中のシステムが変わった。しかし、心は変わらない。

Posted by ブクログ

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