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ケルト人の夢

マリオ・バルガス・リョサ(著者), 野谷文昭(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2021/10/28
JAN 9784000614740

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商品レビュー

4.7

9件のお客様レビュー

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2024/05/14

別の本でケルト人の歴史に興味を持って、図書館の本を「ケルト人」で検索した時にヒットした本の一冊。 「ケルト人の夢」というタイトルではあるが、私が知りたかった「ケルト人の歴史」とはあまり関係ない。作者がマリオ=バルガス=リョサなので(私の中ではラテンアメリカ文学という括り)、ラテン...

別の本でケルト人の歴史に興味を持って、図書館の本を「ケルト人」で検索した時にヒットした本の一冊。 「ケルト人の夢」というタイトルではあるが、私が知りたかった「ケルト人の歴史」とはあまり関係ない。作者がマリオ=バルガス=リョサなので(私の中ではラテンアメリカ文学という括り)、ラテンアメリカ文学はガルシア=マルケスしか読んだことがない私はマルケスっぽいのかな、と読み始めたが、全然違った。 ケルトの歴史でもなく、主題も私が思ってたようなものともまるで違う上に、厚さが4cmもあって読み終えるのに2週間かかった。 でもなぜ途中で読み止めなかったかと言えば、ことの顛末を知りたかったからだ。 ロジャー=ケイスメントという過去に実在したイギリスの外交官の一生の話であり、舞台はコンゴ、ペルー、そしてアイルランドと移り変わる。 天然ゴムを巡る人間の強欲とその強欲さによる現地人への恐ろしい暴力の描写には何度も本を置いた。 またケイスメントが愛国主義に目覚めアイルランドの独立に奔走する姿には、母国とは何か?ということを考えさせられ、日本におけるアイヌの人々や琉球王国のことを思った。 搾取する、ということに関して「私はどんな立場だろう?」「知らずに搾取する立場なのではないか?」などとも考えた。 読む間、人間の多面性や欲望、日本人であることなど色々考えさせられた。

Posted by ブクログ

2024/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小説ならではの、登場人物と一緒に怒涛の一生を歩む経験をする。本書が放出するエネルギーは膨大で、読んでいて疲れる感覚はないのだが(悲惨といったところで、もっと悲惨なものを読んできた気がするのだが)、あまり一気に読めないという点と、ロジャー・ケイスメントと共に体調を崩しながら読むという点で、気づかないうちに何かが吸い取られているような気がする。 まずこのような人物が存在したことを知らなかったので、知れたということが単純に嬉しい。コンゴ、アマゾンでの経験から、"自然に"アイルランドへ繋がっていく道筋というのがあまりにも納得するので、実際のロジャー・ケイスメントもきっとこんな風に思ったのではないかという腹落ち感の高さが、満足度の高さに繋がる。 コンゴとアマゾンで西欧世界による植民地支配が、実はイギリスとアイルランドの関係なのではないかと気づく瞬間、その人生の転換点を共に見ているような。そういう意味だと映画的な部分もあった。 また日記に記されていることは、彼の願望が書かれていたこともあったのではないか?という解釈が、あまりにも妥当だと自分が日記を書いている身からすると感じられ、それも含めエピグラフの 「我々の一人ひとりは、それぞれ一人ではなく、連続する多数の人間なのだ。そして次々と現れるこの連続する人格は、互いに最も奇妙で驚くべき対照を見せるのが常である」ホセ・エンリケ・ロドー『プロテウスのモチーフ』 がしっくりしすぎるのだ…。自分自身でさえわからぬのがこの自分という存在である。 あとここも印象的だった。 …エドマンド・D・モレルと会話中、キリスト教教育を受け、教養を備え、文明化した人々が、どうして今後で自分たちが記録したような恐ろしい罪を犯したりそれに手を貸したりできるのかと互いに疑問に思ったとき、ロジャーはこう言った。≪歴史、社会、心理、文化の面からの説明がもはや尽きても、闇の中には人類の悪の根源に達するための広大な領域がまだ残っているんだ、ブルドッグ。それをわかろうとすれば、道は一つしかない。考えるのをやめて、宗教に走ることだ。原罪とはそういうものさ≫≪その説明は何の説明にもなってないぞ、タイガー≫…モレルは言い張った。≪悪の最終的根拠が原罪であるなら、もはや解決策はない。我々人類が悪のために創られていて、我々の魂の中には悪が存在するならば、どうして救いようがないものに救いを施そうとするんだ?≫… 愛国主義は正気を奪う。激しい討論の中でアリスはそう言い切った。…≪愛国主義がわたしたちから正気、理性、知性を奪うのを許してはならない≫…だが、そのときジョージ・バーナード・ショーが、そこにいたすべてのアイルランド・ナショナリストに向って言い放った、胸に突き刺さる皮肉な言葉を思い出した。≪それは互いに相容れないものだよ、アリス。間違ってはならない。愛国主義は宗教なんだ、正気とは両立しない。それは単なる反啓蒙主義、信仰という行為さ≫(p.215-216) …どちらもアイルランド人の典型だ。聖人と戦士。…≪彼等に学べ、ロジャー、彼らのようになるのだ≫と彼は、祈りの文句のように繰り返した。(p.476) ロジャーって本当に純粋で真っすぐで、だからドン・キホーテ的でもありながら、この長編小説の主人公になっているのだろうな。。 『ケルト人の夢』刊行記念対談 野谷文昭×ヤマザキマリ(https://tanemaki.iwanami.co.jp/categories/969)こちらも面白かった。 リョサの作品というかラテンアメリカ文学読もうかなあ~~でもエネルギーをまずは回復してからでないと無理だ笑

Posted by ブクログ

2022/07/04

リョサは南米文学のそびえたつアンデス山脈のような存在。かつて「緑の家」上下巻を読み 深い感銘を受けたすばらしい文学界の至宝。 この本を知ってはいたが「時間、精神的にゆとりのある時」を選んで、今回挑戦。 内容に先入観は持たず 題名から受ける印象と大きく異なった大河だった。 執筆に...

リョサは南米文学のそびえたつアンデス山脈のような存在。かつて「緑の家」上下巻を読み 深い感銘を受けたすばらしい文学界の至宝。 この本を知ってはいたが「時間、精神的にゆとりのある時」を選んで、今回挑戦。 内容に先入観は持たず 題名から受ける印象と大きく異なった大河だった。 執筆に際し リョサが辿った道筋~コンゴ・アマゾン・アイルランド・米国・ベルギー・ペルー・アイルランド・スペイン・・リョサならずしては出来ないとてつもないパワーの炸裂の結晶の大作。 作品の骨格としては「アイルランドに生まれ、愛国主義、ナショナリストたるべくコンゴ・アマゾン等を渡り歩き、植民地への搾取の悍ましさをまざまざと見せつけられた半生をへて 故郷へ戻り折からの第一次世界大戦時、独逸の協力を得つつ 英国よりのアイルランド独立を目する。が、失敗、反逆罪の罪で処刑となるケイスメント」の生涯 史実にフィクションを絡めた歴史小説。 史的うねりの狭間毎に 独房での彼の夢想~1人称だったり3人称だったり・・変幻自在に。 ケイスメントの出生時、複雑なものがありカソリックの洗礼を受けている事もあり、作品中、幾度も「自身の孤独と神の孤独」を内省し、懊悩している。して作中でもアイルランドにおける神父と軍人の在り様への言及もしており作中深い影を落とす重要なモチーフにもなっている。 リョサ自身、ケイスメントに興味を持った要素に同性愛がある。2番目のモチーフであるこれは 幾度も繰り返し、苦悩し鬱の重要な原因ともなって苦しんでいる事が分かる。些かショックだったのは、当時、同性愛が処罰の一つの要因でもあったせいか 刑執行後に肛門を調べた箇所がある事。 ノーベル賞受賞者であるリョサの面目躍如たる3番目のモチーフは「今後を植民地化したベルギーのレオポルド2世、ペルーのゴム園のとてつもない支配者 アラナとの対峙。この時代の人種差別は「差別」などどいう生易しいものでなく、今でいえば明らかな殺人・国際法もの。原住民殺戮は日常茶飯事、無知で叩きのめす身体の蚯蚓腫れ然り。このシーンの描写は読み続けるのが苦しく、ケイスメントのメンタルが壊れて行く様と同調してしまいそうになった。 今年前半読んだ中に在った「コンラッド~闇の奥」が繋がってくる。モレル~人権指導者との関わりも重ね、ケイスメントの「ケルト人の夢」がこの2人とはいつからか道筋がずれ、独立運動へと激しく舵を切って行く悲劇を膨らませる結果にもなった気がする。 1914年7日間の「ケルト人の夢」は確かにあったが、「狂気ともなりうる愛国主義」の様相を帯びて行ったことが処刑へと繋がって行ったのか。 一時はかけがえのなかったはずの親友 ハーバートから見るとケイスメントの生きざまはドンキ・ホーテにも似て・・か。 コンゴへ、リヴィングストンにあこがれて二度もマラリアに罹患して・・それでも「何に」向かって行ったのか・・魑魅魍魎と片付けるには哀しい姿に思えてならない。

Posted by ブクログ

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