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清少納言を求めて、フィンランドから京都へ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 草思社 |
発売年月日 | 2021/07/30 |
JAN | 9784794225283 |
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清少納言を求めて、フィンランドから京都へ
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商品レビュー
4.2
36件のお客様レビュー
この本を登録してから1年ぐらい経過。焦って読み始めましたが、ポップな表紙とは裏腹になかなかボリュームがありますΣ(´∀`;) 『2000年代のフィンランドは900年代の日本からとても遠い。時間的にも地理的にも文化的にだってお互いにとことん離れている。』 著者は、清少納言・枕草子...
この本を登録してから1年ぐらい経過。焦って読み始めましたが、ポップな表紙とは裏腹になかなかボリュームがありますΣ(´∀`;) 『2000年代のフィンランドは900年代の日本からとても遠い。時間的にも地理的にも文化的にだってお互いにとことん離れている。』 著者は、清少納言・枕草子・ひいては平安時代を知るために、はるばる京都へ行き、感じたことを清少納言のように書き綴り、図書館や博物館などで調べ物をして、本にまとめていきます。 私のイメージだと枕草子は「春は〜」の暗記穴埋め問題でしかなかったのですが、より深みのある存在に変わりました。1000年以上前の感性が現代にも通じているということ・平安時代の和歌文化・自然美を求める価値観・外国から見た日本・もののあはれ…。 学生のときとは違う切り口で考えられて嬉しいです。 今年の桜は、早めに咲くのかな〜。 なんだか待ち遠しいです。 2024.2
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表紙のイラストを見てピンときた。この本をアニメーションにしたらおもしろいんじゃないの?セイ(清少納言)とミア(作者)を主人公にして。 そう考えてこの本を読み進めると、枕草子に関しても新たな発見があった。「清少納言って、今で言うところの映像作家的視点の持ち主だったんじゃないの?」...
表紙のイラストを見てピンときた。この本をアニメーションにしたらおもしろいんじゃないの?セイ(清少納言)とミア(作者)を主人公にして。 そう考えてこの本を読み進めると、枕草子に関しても新たな発見があった。「清少納言って、今で言うところの映像作家的視点の持ち主だったんじゃないの?」 森羅万象のうち自分がいいと思えるものを、自分がいいと思う角度から切り取って簡潔に文章化する技術。それによって定子のサロンは鋭敏な感性と知的なやり取りにあふれた芸術的空間に見えるようになった(歴史的事実は異なるものであっても)。これはミアがセイの一連の文書を実態以上に素敵に見せようとする「広告」だと位置づけした結論とも符合する。 清少納言が残した「ものづくし」などの映像的文章と、ミアが枕草子を追ってフィンランドから京都をはじめ各地を巡るロードムービーとをクロスカッティングさせ、最後にセイとミアとが時代と国の違いを越えて運命の出会いをするというアニメ作品を、本当に見たくなった。 もちろん496ページもあるこの本の具体的な内容はそれだけじゃない。詳しくは他の方のレビューに任せるとして、1点だけ書きたい。 清少納言はよく同時代の(同時期ではないが)宮廷女房だった紫式部と比較される。日本では、日本人特有の感性とも言える“判官贔屓(ほうがんびいき)”の視点から清少納言を支持する意見がある。ところが西洋をはじめとして多くの外国では、この負けた方を、負けたがゆえに支持する判官贔屓という概念は理解されにくい。つまりほとんどの外国人にとっては勝者こそが正義であり、分(ぶ)があるのだ。だったらミアは日本人のように判官贔屓という概念を理解したうえで清少納言が好きになったのだろうか、と当初は考えた。だがそうじゃなかった。ミアは枕草子のなかに清少納言を“勝者”とみなせるだけの十分なものを見つけ、清少納言の優位性を具体化しようとした。すなわち、既存の多くの枕草子論の逆向きからのアプローチだ。そしてその展開はミア自身や、ひいては女性の多くにも応用される。本当は(清少納言のように)勝者と呼べるだけのものを充分持っていながら、誤解や、人間関係の巡り合わせの悪さや、多数派への迎合の拒否などで日陰に置かれている多くの人の心を救うポテンシャルを、ミアは枕草子から読み解けると強く思い続け、その結果、セイとミアとの合作のようなこの作品へと結実したのだ。 ちなみにミアは清少納言をセイと呼ぶのに対して、紫式部をムラサキと呼んでいる。外国人にとってMurasakiは発音しにくいのでは?とも思えたが、フィンランド人にとっては意外となじみやすいのかもしれない。だって作者のファミリーネームもKankimäkiカンキマキだしね。
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NDC分類:914.3 「セイ、あなたと私は驚くほど似ている――。 遠い平安朝に生きた憧れの女性「セイ」を追いかけて、ヘルシンキから京都、ロンドン、プーケットを旅する長編エッセイ。仕事にも人生にもうんざりしたアラフォーシングルのフィンランド人「私」は、長期休暇制度を使って日本へ旅...
NDC分類:914.3 「セイ、あなたと私は驚くほど似ている――。 遠い平安朝に生きた憧れの女性「セイ」を追いかけて、ヘルシンキから京都、ロンドン、プーケットを旅する長編エッセイ。仕事にも人生にもうんざりしたアラフォーシングルのフィンランド人「私」は、長期休暇制度を使って日本へ旅立つ。目的は「清少納言を研究する」ため――。」 「清少納言に魅せられたフィンランド人によって書かれた異色の作品。清少納言のことを「セイ」と呼び、「セイ、あなたはどんな物を持っていたの?あなたはどうやって寝ていたの?」と語り掛ける著者。セイの足跡をたどる旅はフィンランドから京都、そしてロンドン、プーケットへと続く。言葉や文化の違いを超え、「好き」を追究する著者の姿勢に勇気づけられます。」 (大居雄一『身になる読書術』の紹介より) ■目次 Ⅰ 始まり。十月 清少納言について知っていること Ⅱ エスポー。冬から夏 長期休暇――助成金――研究――傲慢と恐怖――引っ越しと出発 Ⅲ 平安京へタイムスリップ 美と歌の世界 平安時代の女たち 仮名文字 Ⅳ 京都。九月 暑さ――同居人たち――町 『枕草子』とは何だったのか。様々な伝本 Ⅴ 京都。九月。第二部 歌舞伎――石庭――坐禅――能――芸者たち 空っぽの部屋、つまり平安時代の調度品 後宮、つまり女たちの世界 Ⅵ 京都――九州。十月 庭園――宇治――比叡山――金運稲荷たち――列車の旅――美容院にて――手蹟テスト――苔庭にて――セイ、あなたが見える 宗教と食事について セイ、あなたはどう思われている? 友だちノート、つまり清少納言って誰? Ⅶ 東京――京都。十一月 大都市――日文研塹壕――ヴォーグ 嫌味なセイとムラサキ――二人の宮廷女房の争い Ⅷ フィンランド――ロンドン。冬 ものづくしの秘密 ヴァージニア・ウルフと女性事情――セイ 四十二人のセイ――訳書 脱線とセイの後継者たち――文学、映画、音楽 Ⅸ 男たちと恋人たち 恋人との逢瀬 平安時代の男たち セイの男たちと子どもたち Ⅹ 津波――タイ Ⅺ 京都。四月 桜――もののあはれ――兼好と私 源氏狩り 和歌テスト Ⅻ 京都。五月 坐禅――舞踏――レイのバー 春画よ、セイ 宴会と酒飲みについて セイの運命 XIII 脱ぐこと、纏うこと 最後の質問、つまり『枕草子』とは何だったのか? XIV 終わり――始まり。ノルマンディー。八月から九月 謝辞 あとがき 親愛なるミア・カンキマキさん――訳者解説 参考文献
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