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桐野夏生(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2020/09/30
JAN 9784000614405

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商品レビュー

3.8

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2024/05/04
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※このレビューにはネタバレを含みます

ライブ感。現代版1984。 ツッコミどころは多いと思う。コンセント、風呂の絵、A45、越智の謎、全体的に投げっぱなし感。 しかしこの小説はそんなことを気にするべきではない。 『小説の主人公として』あまりにも一貫性がない。これが読者に強烈な鏡を向けているのだ。「マッツはお前だ。お前は同じ状況になったとき、必ず同じ行動をとる。」というぐらい弱い。 状況に諾々と従う割に突如怒りにまかせて抵抗し、半端なプライドにしがみつき、不安になるとまた従順になる。極めて平凡で愚鈍なのだ。 無駄に逆らわなければ出られる可能性が高いのに、よくわからない言い訳をしてそれをしない。しかし完全に抵抗するのでもなく、中途半端な行動・言動。マッツは人間の弱さ、醜さの塊である。 そんなマッツを、「転向組」がリスクを負いながら助ける。 どう終わらせようと作者の自由だし、どう解釈するのも読者の自由。最後の結末の直前がラストであると私は解釈する。 生き永らえる。しかしブンリンは恐らく死亡を信じず捜索するだろう。マッツはもう小説を書かない。 いや、すべての目的が「自ら命を絶たせること」に集約しているのだとしたら。それは迂遠だし意味がわからない。

Posted by ブクログ

2024/05/02

とてつもない衝撃・・・おそるべきサスペンス小説! ポルノ小説に定評のある中年女性作家。マッツ夢井(ペンネーム)。 彼女に<総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会>を称する組織から、突如 召喚状が届く。 向かった先は茨城にある<七福神浜療養所>な...

とてつもない衝撃・・・おそるべきサスペンス小説! ポルノ小説に定評のある中年女性作家。マッツ夢井(ペンネーム)。 彼女に<総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会>を称する組織から、突如 召喚状が届く。 向かった先は茨城にある<七福神浜療養所>なる謎の施設。それは断崖絶壁に囲まれた、脱出不可能な場所にあった。 そこでは「思想に偏向がある」とみなされた作家が<治療>と称して、事実上監禁されていた。 看守のような職員はみな非人道的で、収監者からは自殺者が多発している。彼らの対応が酷すぎて、憤りを通り越して恐怖をおぼえる。 戦中の特攻警察や、アウシュビッツ、某ロ○アや某中○を連想させるディストピアが描かれるが、過去、いや現在に至っても、このような行為が行われている(だろう)現実が、ひたすらにおそろしい。 コンプライアンス、ポリティカル・コレクトネスが、言葉狩り、ひいては思想狩りにつながっていく可能性。 自由と尊厳を奪われながらも、意思の力で思想の矯正に抗い、助かる道を探るマッツ夢井。彼女の強さを心から応援してしまう。 怪しげな職員たちに信用できる人間はいるのか? この地獄から彼女は脱出できるのか? はたしてマッツ夢井は魂の尊敬を守れるのか。 息もつかせぬ展開に一気に読み終えてしまう。 おそろしいストーリーもさることながら、この結末はぜひ読んでいただきたい。

Posted by ブクログ

2024/02/16

小説家の主人公のもとに、「文化文芸向上委員会」から召喚状が届く。出頭した彼女は、「療養所」に軟禁される。軟禁されたのは、彼女が反社会的な小説を書いたから。「療養所」は、それを矯正・更生するための施設だった。彼女は抵抗するが、その抵抗は全く意味のないものであった。 悪夢のようなと...

小説家の主人公のもとに、「文化文芸向上委員会」から召喚状が届く。出頭した彼女は、「療養所」に軟禁される。軟禁されたのは、彼女が反社会的な小説を書いたから。「療養所」は、それを矯正・更生するための施設だった。彼女は抵抗するが、その抵抗は全く意味のないものであった。 悪夢のようなというか、ある意味で、最も恐ろしいシチュエーションを描いている。 人知れず、外部と連絡のとれない施設に軟禁される。抵抗しても、外部の人間に届かないので、何の意味もない。そのうちに、薬でコントロールされ、更には拘束衣を着せられる。生殺与奪の権利を第三者に持たれ、自分の出来ることは何もないままにこの世から消えていく可能性が高い。やれることは、何もない。絶望的だ。イメージとしては、北朝鮮で思想犯として捉えられたような感じ。 私はほとんど恐怖小説として読んだが、作家である桐野夏生の小説執筆の動機は、もちろん、別のところにあるはずだ。作家というのは、言論あるいは表現の自由に最も敏感な存在であるはずである。その桐野夏生が、このような小説を書くということは、作家である彼女が、言論・表現にかかる危機をリアルに感じているということなのだろう。あるいは、私が鈍すぎるのか。

Posted by ブクログ

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