深沢さんのは読みやすい。誰かと話をしている感じだな。 　乳母というしくみが今でも残っているんですね。千代さんみたいな姑はまだまだいるんだろうな。っていうか、近い人を知ってますね。 　男はこれからどうしていくんだろうね。馬鹿か小心者か暴力を振るうか以外の男性を誰か描いてくれないかな。

頼れる人がおらず、ろくに食べられない貧しい生活。泣き叫ぶ乳児に有り余る母乳を抱えて途方に暮れていた福美。手を差し伸べた女性はおっぱいが出ないお母さんに母乳を届ける事業をやっていた。自分の唯一持っている母乳で人助けができてお金を稼げる。福美は事業に関わる決意をした。栄養バランスの取れた食事に居心地の良い住まい。安心できる生活を手に入れた福美に来た出張授乳の依頼。依頼者の姑は母乳の出ない嫁にしびれをきらしていた。嫁は昔自分をいじめていた同級生の奈江だった。専属乳母として雇われた福美。同級生の子、光は母乳をくれる福美のほうになつき、申し訳なさと同時に優越感を覚える。たっぷるのお給金も支払われ安泰のはずが、我が子より光を優先せざるを得ない生活に不安を感じ始める。おどしやお礼をちらつかされつつも、乳母をやめる。辞めた後も続く光とのかかわり。そしてお母さんに合いたいという光の願いと奈江との再会。お互いのわだかまりがとけあ後福美は女性蔑視のない社会を目指す苗を光と一緒に応援する。子供を産み育てること、女性の生き方、社会的役割について考えさせれれた。

富裕層の家に乳母として住み込むことになった主人公 (シングルマザー) が、 自分の子供 よりも勤め先の子供の面倒を優先しなければならない状況がすごく印象的だった。 自分の子供が高熱を出しているのに、 他人の子供が大声で泣きわめいて乳を求めることに応えなければならない状況、 我慢しろと言えない状況に違和感を覚えた。 子供という立場においては、○○君も○○君も同列であるはずなのに、 親が違うだけで、 まったく異なる待遇を受けなければならないこと、そして、同じ家に住んでいるために、恐 ろしいほどにそれが際立ってしまうことが悲しかった。