一番大事なのは人間。 日本製に、俳優という欄があるなら彼を載せよう。 “庶民的な王子様” 三浦春馬さんのことをそう言うと、みんな「庶民なわけないじゃん。王子様でしかない。」と反対してくる。 この本を読んで、私は間違っていなかったのだと確信する。 容姿が素晴らしいのは言うまでもないが、そのことを言っているのではない。 俳優、しかも人気俳優でいながらも、常に自身が納得する高みを目指し、世界に出るためには日本をよく知らねばと勤勉であり、目立たない一般市民の思いに心を傾け感動し、みんなから刺激を得られたと謙虚であり。 彼の綴る言葉、そして自然な一コマ。 特にみんなと笑顔で収まる写真からは、ほのぼのとした雰囲気を感じる。まるで「超カッコいい親戚のお兄さん」という感じで、こんなに一般の人、とりわけ威厳のある職人さんたちに近づける俳優さんはいるだろうか。 売れてしまった俳優から感じる天狗臭が全くなく、どんな立場の人にも敬意を払えるという意味で“庶民的な王子様”だと思う。 加えて思う。ここまで、繊細な感性、素直な学習意欲、そして礼儀正しさを兼ね備えた人は、あまり見たことがないなと。私もそうなりたい。 ひとつひとつの章に込められた思いが熱く、さらに彼を失って悔しい思いが読めば読むほどに積み重なってしまい、疲れるために一気読みはできなかった。 私だって悲しかったけど、実際に同じ空気を吸って言葉を交わした職人さんたちは、もっとつらかっただろうな。 彼がここではない世界で幸せでいてくれていることを願い、私はこの本を大事にします。

出版された当時に買って、ずっと気持ち的に読めないまま置いてあった。せかほしが全世界版だとしたら、こちらは日本版。職人さん達との触れ合いがとても暖かい、メイドインジャパンを巡るインタビューエッセイ？という感じ。「裏・日本製では」スタッフさんからみた無邪気に好きなものが沢山ある三浦春馬が垣間見えるのだが、どうしてもどうして...と思いながらしか読めなかった。来月は久々にせかほしの出演会が再放送されるらしい。大好きな番組だった。