‣ 年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる ‣ 五十路を過ぎた女は白馬に乗って駆けつける援兵なんて期待してはいけない。これまで地道に積みあげてきた経験値が戦力のすべてだ ‣ 子どもにとって、おともだちといっしょにいる時間とおなじくらい、ひとりでいる時間が大切だってこと、わかってくれるおとながすくないのは、不幸なことだわ ‣ 問題の多くは、自分だけの問題にとらわれすぎることから生まれるものよ。ろくでもないことは、いくら考えたって、ろくでもないままだわ。本を読めば読んだだけ、あなたはあなたから解放される ‣ 理解しあうために必要な年月もある。人は生きるほどに必ずしも過去から遠のいていくのではなく、時を経ることで初めて立ち返れる場所もあるのだ ‣ もしもわたしにつぎの生が与えられるならば、どうかもう一度、彼とめぐり会えますように。今度こそ二人が時を共有し、熱き血が通う体と体、心と心を、なにものにも阻まれることなくひとつになれますように ‣ 祖母は勇敢な人だった。私が学ぶべきはその勇気だったのよ ‣ どうしようもなく壊れてしまったもの、失われてしまったものはもう二度と取りもどせないけれど、ヒビのあいだから光を探して生きていくことはできるかもしれない ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 〝再会〟ではなく、〝出会いなおし〟というタイトルが素敵ですね。 物理的に誰かと再会するだけではなく、 心の中にしまい込んだの思い出と出会う、 心の奥底にいる本当の自分と向き合う、 それが〝出会いなおし〟なのかもしれません。 〝ああ、年をとるって、面白い〟（本文より） ホント、そうですね

久しぶりの読書にはぴったりの超ライトな作品集。 森絵都さんってみかづきのイメージが強いから、正直期待外れではあったけどスキマ時間に読むにはいいかな。 世代的には「むすびめ」の三十人三十一脚が懐かしかった。うちの学校も応募したクラスがいて羨ましかったことを思い出した。 いつも小説は2回読むけど、これは一回でいいやと思ってしまったのでこの評価。