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流人道中記(下)
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2020/03/06 |
JAN | 9784120052637 |
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商品レビュー
4.2
63件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
流人・青山玄蕃と押送人・石川乙次郎の旅、下巻は仙台から三厩まで。 未熟で堅物な乙次郎と、彼をせせら笑う玄蕃の旅路は最初苦手に感じた。だが2人と行き合う人々とのドラマと、次第に明かされる玄蕃の身の上に触れて徐々にそのような印象は和らいでいった。特に道中乙次郎が悩み続ける「法」の在り方と、玄蕃が疑い相対する決意をした「武士」・「武士道」の在り方については興味深かった。以下に印象に残った玄蕃の台詞を引用する。 「いいかえ、乙さん。孔夫子の生きた昔には 法がなかったのさ。礼ってのは、そうした結構 な時代に、ひとりひとりがみずからを律した徳 目のことだ。人間が堕落して礼が廃れたから、 御法ができたんだぜ」(21章) 俺は俺のなすべきことを悟った。二百幾十年 の間にでっち上げられた武士道をぶち壊し、偽 りの権威で固めた「家」を潰してやる。それは 青山玄蕃にしかできぬ戦だった。 大勇は怯なるが如く、大智は愚なるが如しと いう。ならば俺は、破廉恥漢でよい。(22章) 人として法より礼を貴び、傲慢と虚飾に塗れた「武士」像を疑い挑む。青山玄蕃は真に“つわもの”や“もののふ”と呼べる者かもしれない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
玄蕃の生い立ちや流人となった経緯がわかって、「武士の存在が世を悪くする」という考えがあってこその冤罪を受け入れる姿勢に、なんて器の大きい、視野の広い人なんだろう‥‥‥と、上巻とは全く違う印象を抱いた。 乙さんは、これからどんな気持ちを抱えて生きていくんだろう‥‥玄蕃から学んだことを、世の中を良くするために活かしていくのかな、と思う気持ちと、家や身分を捨ててまでそう簡単に玄蕃の意志を継ぐようなことはできないよな‥‥という気持ちがあり、複雑。 玄蕃が命を賭けて取った行動が、どうか世の中が少しでもよくなる助けとなりますように‥‥と願わずにはいられない。 「礼」がうまく機能しないからルールや法律が必要になってくる、という視点は大切にしていきたい。
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江戸時代の価値観が抱える矛盾が、興味深い視点で描かれている。 最後まで飽きさせない珍道中。もっと長くても良かった。
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