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虚構推理 スリーピング・マーダー 講談社タイガ

城平京(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2019/06/21
JAN 9784065161579

虚構推理 スリーピング・マーダー

¥220

商品レビュー

3.9

39件のお客様レビュー

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2024/05/11

 『名探偵に薔薇を』を読んだら『虚構推理』シリーズに戻りたくなった。虚構推理の世界はなかなかルールが複雑でついていくのが大変なのだが、『〜薔薇を』を経たあと読むと、「謎」と「謎解き」だけでなく、その周辺、特に謎を解く人の事情を描きたかったのかもという視点が持てる。  パズルやトリ...

 『名探偵に薔薇を』を読んだら『虚構推理』シリーズに戻りたくなった。虚構推理の世界はなかなかルールが複雑でついていくのが大変なのだが、『〜薔薇を』を経たあと読むと、「謎」と「謎解き」だけでなく、その周辺、特に謎を解く人の事情を描きたかったのかもという視点が持てる。  パズルやトリックに凝りすぎるミステリー小説は、テーマが前に出すぎると、人間らしいリアリティがないといった批判をされるが(初期クイーンなど)、虚構推理は、そんな批判は織り込み済みと言わんばかりの振り切った前提が潔い。前提というのはつまり、岩永琴子は怪異と呼ばれる妖怪やもののけのたぐいにとっての知恵の神であり、相棒の桜川九郎やその従姉は不死身で未来決定能力がある、という設定のこと。また、一般人である他の登場人物の言動についても、小説の都合に従った多少の無理は淡々とした説明口調で押し切ってしまうのだが、そんな図太さもむしろ小気味いいくらいだ。主人公たちのアニメ的なキャラの濃さが、そんな文体ともマッチしている。  表向きは殺人事件を解決する(本当はちょっと違うがもう説明めんどくさい)名探偵コンビである琴子と九郎だが、文字通り人間離れしたこの二人の屈折した恋人関係こそが、まわりまわってこのシリーズの人間らしさ、温かみを感じるところとなっている。前に読んだときは、まあよくわからないけど萌えどころかなという程度にしか受け取っていなかったが、『〜薔薇を』の切実さを見たあとだと、ああ一人じゃなく二人で本当に良かったねとホロリとしてしまう(びっくりするほどの塩対応と下ネタでだいぶ覆っているが、その加減もうまい)。それだけに、従姉の六花さんがこのあとどう絡んでくるのか、続きが気になる。  『スリーピング・マーダー』はクリスティのミス・マープル最後の作品、ということは先程調べてわかったが、未読のためどう関係していたのかは全くわからない。本作では、琴子が高校生のときミステリー研究会に所属していたことが明かされた。当時の部長と部員も良い脇役を演じている。私、今どこかに入学したら、ミス研入っちゃう。

Posted by ブクログ

2023/10/16

シリーズ3作目 前と同じくマンガで先に読んでいるので物語の意外性は感じない でも、やはり琴子さんだなぁと思えるところは面白い ・岩永琴子は高校生だった ・六花ふたたび ・明日のために ・スリーピング・マーダー(前編) ・スリーピング・マーダー(後編) ・岩永琴子は大学生である...

シリーズ3作目 前と同じくマンガで先に読んでいるので物語の意外性は感じない でも、やはり琴子さんだなぁと思えるところは面白い ・岩永琴子は高校生だった ・六花ふたたび ・明日のために ・スリーピング・マーダー(前編) ・スリーピング・マーダー(後編) ・岩永琴子は大学生である ・岩永琴子は高校生だった 琴子さんが高校1年生のときのお話 ミステリ研究部の部長 天知学と新入生の小林小鳥が部の存続のために琴子さんを入部させようとするが…… 学くんがゲスい でも、琴子さんにかかればそんな意図すらも掌の上というね 「ロウフィールド館の惨劇」 ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである。 ある意味でミステリのネタバレ厳禁ルールを逆手に取った定番ネタの作品だなぁ ま、私は未読なんですけどね ・六花ふたたび 行方知れずの六花さんがどうしているかのエピソード 自殺者が連続する部屋 その理由 居場所を見つかったと見るや、立ち去り際に琴子さんに後の処理を丸投げする六花さん 強い…… ・明日のために 学くん再び、そしてスリーピング・マーダーの前日譚 学くんの伯父 藤沼耕也が琴子さんがどんな人なのかを聞く 琴子さんが世間的に如何にアンタッチャブルな存在なのかの説明回 怪異に関して頼る事は是としても、決して探ったり利用したりしてはいけないという心構えが必要 ・スリーピング・マーダー 狐に依頼した殺人の報いがあるという事を孫子に示したいという依頼 この本のメインのお話 ------------------ 「二十三年前、私は妖狐と取引し、妻を殺してもらったのだよ」 妖怪と人間の調停役として怪異事件を解決してきた岩永琴子は、大富豪の老人に告白される。 彼の依頼は親族に自身が殺人犯であると認めさせること。だが妖狐の力を借りた老人にはアリバイが! 琴子はいかにして、妖怪の存在を伏せたまま、富豪一族に嘘の真実を推理させるのか!? ------------------ 怪異に依頼して成された殺人のため、関係者にはアリバイが成立している状況 遺産相続の優先権という名目で、その犯人が自分である証明をせよという課題 その判定役に琴子さんを指名するが、その解決はやはり琴子さんらしいものに…… ・岩永琴子は大学生である スリーピング・マーダーの後日譚 マンガ未収録のエピソード 九郎が琴子のことをどう思っているかがわかるので、マンガしか読んでなかった人にも以外な発見がある スリーピング・マーダーに関係した一冊となっているけど、六花さんのエピソードを加えて、琴子さんを利用しようとするとどうなるか?という共通点がある 六花さんは先々まで練っているので琴子さんを利用できる 学は恋路に関する事だけは自分の望み通りになったが、それ以外ではデメリットの方が大きかった そもそも、世間的には琴子さんの事を調べる事すらアンタッチャブル でも、怪異の解決の依頼であればむしろ良い結果になる ただ、怪異の解決依頼だとしても、自らのシナリオに巻き込もうとすると想定以上の結末が降り掛かってくる やはり、琴子さんを安易に利用してはいけないという教訓なのでしょうねぇ しかしまぁ、ペイズリー柄の下着というのはどうなんだろ? しかもあの琴子さんですしねぇw あと、峰打ちのくだり 六花さんと九郎くんが車と銃弾の違いはあれど天丼構造になってますね

Posted by ブクログ

2023/06/04

「二十三年前、私は妖狐と取引し、妻を殺してもらったのだよ」 ワンマン社長で家庭内でも有無を言わせない妻に殺意を抱いた時、話しかけられたのは狐の怪異。 苦でもない対価を払い殺人を代行してもらった彼の依頼は遺産の相続権を持つ息子たちに「私が妻を殺した」という虚構を披露してもらいたいと...

「二十三年前、私は妖狐と取引し、妻を殺してもらったのだよ」 ワンマン社長で家庭内でも有無を言わせない妻に殺意を抱いた時、話しかけられたのは狐の怪異。 苦でもない対価を払い殺人を代行してもらった彼の依頼は遺産の相続権を持つ息子たちに「私が妻を殺した」という虚構を披露してもらいたいというもの。 この珍妙な依頼に知恵の神・岩永琴子の下す結論とは!?  補填的な短編と表題作の中編が収録。 怪異によって鉄壁のアリバイが出来てしまった者を殺人者に仕立て上げるというストーリー。 真相は狐を締め上げたらあっさり分かったので後から嘘を創作してゆく。 今作は虚構推理としての論理は勿論仕上がっているのだが、それ以上に知恵の神としての琴子の倫理が垣間見える。 あくまで神として、中間の立場として存在する彼女は人間が襲われそうになれば命を賭するし、人間の都合で怪異が巻き込まれれば時に非情な判断もする。 神としての矜持を全うする琴子とそれに賛同もせず否定もしない中間的な存在の九朗が印象に残る作品であった。

Posted by ブクログ

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