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へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2019/03/07 |
JAN | 9784480435835 |
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商品レビュー
3.8
26件のお客様レビュー
一人のどうしようもないお年寄りにか関わり、特養老人ホームを作るという、壮大なお話だった。何もかもゼロからすべてを立ち上げ、資金繰り、場所作り、面白いことを計画、実行する。すごいスケールの大きさを感じた。小さいことで悩んでいたら人生損だなと思えた。まずはカフェに行ってみたい。ジャム...
一人のどうしようもないお年寄りにか関わり、特養老人ホームを作るという、壮大なお話だった。何もかもゼロからすべてを立ち上げ、資金繰り、場所作り、面白いことを計画、実行する。すごいスケールの大きさを感じた。小さいことで悩んでいたら人生損だなと思えた。まずはカフェに行ってみたい。ジャムも買ってみたい。
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少し個性的な人たち、介護施設を作りたいという大きな想い、介護に対する考えが詰まってました。世話人という少し離れた場所からみた、よりあいの人たちの熱い日常が伝わった一冊でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
制度があるからやるのではない。施設が作りたいからやるのではない。思いがあるからやるのではない。夢を実現したいからやるのではない。目の前になんとかしないとどうにもならないような人がいるからやるのだ。その必要に迫られたからやるのだ。それは理念ではない。行動のあり方だ。頭で考えるより前にとにかく身体を動かす。要するに「つべこべ言わずにちゃちゃっとやる!」のだ。 . 介護に疲弊した家族が、涙を浮かべながら窮状を訴えるとき、施設はその存在意義と力量を問われる。専門職として、その専門性が試される。この仕事を生業とする者が、今、自分たちに何ができるのかを突きつけられる。 . 自分が実際目にして、耳にして、鼻でにおいをかいで、そして心の奥で感じたもの。人と人とが顔を合わせ、たわいもない会話を交わしていく中で自然に育まれていく、情のようなもの——そういうものを大事に思う人たちがいる。 . もらっていいお金と、もらってはいけないお金がある。意味のあるお金と、意味のないお金がある。自分たちの力と呼べる力と、自分たちの力とは呼べない力がある。間違っていることと、間違っていないことがある。その違いがわからなければ、僕が何を間違おうとしていたのかはわからない——。 . 臆病風に吹かれなければ、事は少しずつ動き出す。大切なことは、申し訳ないと思う気持ちを、ありがとうという気持ちに変えることだった。それができれば自然と腹は据わってくる。調子に乗ることもなければ、間違うこともなくなっていく。 . 思えば「自己責任」という言葉が「老い」という不可抗力の分野にまで及ぶようになって以降、人は怯えるようにしてアンチエイジングとぼけの予防に走り出した。のんびり自然に老いて、ゆっくりあの世へ行く。それを贅沢と呼ぶ時代が来てしまったのかもしれない。とにかく国は生存権に帰属する介護問題を、サービス産業に位置づけ、民間に託して解決を図る道を選んでしまった。(中略)サービスとはつまり、手間という手間をひたすら金で買い続けるしかない代行システムのことなのだ。 . 僕はとても個人的な人間だし、団体行動も苦手で、人の役に立とうと思ったことは特にない。今だってそうだ。僕が今も「よりあい」と付き合っているのは、そうした志があるからではない。単に下村恵美子や村瀬孝生、そして若い職員の人たちと仲良くなってしまったからだ。そういう友だちみたいな人に「ねぇ、ちょっとお願い!」と頼まれれば、僕は嫌とは言わない。それが友だちというものだからだ。 . 地位とか名声とか、そういうものが欲しくてやっているわけじゃない。やるべきことがそこにあるから、それをやることでしか前に進めないから、ただそのことだけを懸命にやっている。そのシンプルさが、なぜか人を魅力的な顔にしていった。 . 贅沢が言えるわけではないから、集まってくるのは年代もデザインもすべてバラバラのものたちだ。けれど不思議なことに、こうして集めてうまく組み合わせていくと、その雑多さが逆に落ち着いた雰囲気を醸し出し始める。人と一緒だ。同じような顔をした人たちしかいない世界は案外つまらない。それに居場所を無くしかけたものでも、集う場所がどこかにあれば、もう一度やり直すことができる。 .
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