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地下鉄のギタリスト 完全版 Busking in London

土門秀明(著者)

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商品詳細

内容紹介 //付属品~CD付
販売会社/発売会社 アルファベータブックス
発売年月日 2018/07/25
JAN 9784865980561

地下鉄のギタリスト 完全版

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2023/04/04
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※このレビューにはネタバレを含みます

 思わぬ好著に巡り合えた。  元は、2006年頃に出た本だが、改めて加筆修正した「完全版」として復刻、そちらのVer.を呼んだ。  2000年代前半にロンドンで「バスキング」という、いわゆるストリートミュージシャンをしていた時のギタリストの記録だ。2005年のロンドン地下鉄爆破テロの記載もあるので、2005年7月を挟んだ、数か月のできごとだろう。  それにしても、日々、淡々と地下鉄駅構内でソロ演奏を聞かせているだけだというのに、どうしてこうもドラマチックなのだろうという出来事が起こる。そして、同業者であるバスカー達(バスキングをする人のこと)のなんと個性豊かで独特なこと。   まずは、ロンドン地下鉄でのバスキングの制度を語り、仲間のバスカーを語るだけでも、普段はうかがい知れない世界を垣間見れて興味深い。  1回2,3時間、河岸を変えて日に数時間のパフォーマンス。しかも完全予約制なので(2週間前に取るらしい)、好みの場所、時間帯が取れなかったり、どうやら連日もダメみたいな・・・。そうそう、そもそもオーディションがあって、演奏する資格、バスカーとなる面接もあるのだとか。  かつて、ロシアはモスクワの街で、こちらも地下鉄の校内などでストリートミュージシャンをよく見かけたが、ロンドンのほうはビール会社がスポンサーになって、演奏スポットにはビールの広告の入った半円形のステージのシールが貼ってあるんだとか。今はどうか知らないが、モスクワの地下鉄は、自由気ままに好きな場所で演奏していたような気がする(少なくとも指定のスポットはマーキングされていなかった)。 その場所取りの苦労やら、場所によっての稼ぎの違い、パフォーマンスのしやすさなども具に語られていて、実に面白い。  昔からのバスカーのロブというスライドギター弾きのおじさんに、 「おい若いの、そんなことはない。この少しの音質の違いが稼ぎの違いになるんだ。お前も音楽家のはしくれだったら、それくらい考えてやれ」  とチューニングの大切さをタシナメラれ、プロとしての気概を学んだり、元々北欧のどこかの国の交響楽団の一員だったのかもしれないバイオリニストの女性の、真冬でも黒いノースリーブの舞台衣装での鬼気迫る演奏に涙したり。  そしてビザが切れて自国に帰っていくバスターたちとの別れがあったり、別の場所でそれぞれソロで演奏しているというのに、なんとも言えない絆を感じさせる。  なにより、面白いのが人との出会いだ。バスカー仲間たちとの友情もそうだけど、訳アリげに演奏を聴いていく道行く人々のドラマがなんとも秀逸だったりする。涙誘うエピソードも多く、「これ、ドラマか映画にならない?」と思って読んでいた。  思い出すのが、『ボブという名の猫』という映画だ。同じくイギリスが舞台、主人公のボブという猫を育てるのは路上ミュージシャンのジェームズだ。元はノンフィクションの書籍だったようだがベストセラーとなり2016年に映画化、日本では2017年に公開されている。あ、それもあって、本書も2018年に改訂再出版でもしたかな? 非常に相通ずるものがあるが、あちらは猫というアイキャッチな存在があることで、見事映像化された。本書の著者も猫飼ってりゃなあと思わんでもない(笑)  とはいえ、猫がいなくても、日々ドラマチックな展開が待ち受けていて、短いエピソードばかりが次々と綴られていくだけではあるが、最後まで楽しく読めた。  思わぬ掘り出し物?だった。

Posted by ブクログ

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