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阿Q正伝 角川文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2018/06/15 |
JAN | 9784041068533 |
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阿Q正伝
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商品レビュー
3.2
8件のお客様レビュー
この作品の面白さは、実は意外なところにある。たとえば、魯迅が見事に操る文体の妙だ。文言と白話を行き来する筆さばきには、思わず唸らされる。阿Qの世界を描く素朴な白話と、語り手が顔を出す際の皮肉な文言表現との落差。この対比が、近代中国における「知」の二重構造を見事に映し出している。 ...
この作品の面白さは、実は意外なところにある。たとえば、魯迅が見事に操る文体の妙だ。文言と白話を行き来する筆さばきには、思わず唸らされる。阿Qの世界を描く素朴な白話と、語り手が顔を出す際の皮肉な文言表現との落差。この対比が、近代中国における「知」の二重構造を見事に映し出している。 作品冒頭の未荘の描写を見てみよう。「いつの時代のことやら分からない」という何気ない一節。一見するとただの口語調なのだが、その実、古典的な修辞が巧みに織り込まれている。これは後に続く作家たちには真似のできない、魯迅ならではの技なのだ。 面白いことに、この作品は同時代の日本文学と重ね合わせて読むと、また違った表情を見せてくれる。夏目漱石の『坊っちゃん』を思い浮かべてみてほしい。「清」や「山嵐」といった脇役たちと、『阿Q正伝』に登場する人々との間には、どこか通じるものがある。これは偶然ではないだろう。近代化の波に揺れる東アジアの、ある種の共通風景が浮かび上がってくるのだ。 物語の組み立て方にも、魯迅の知恵が光る。語り手は阿Qの人生を記録しようとしながら、実は多くの部分を意図的に空白のままにしている。これは魯迅お得意の「閃灼式」(フラッシュ的)手法の真骨頂とも言えるのだが、その奥には、近代的な記録というものへの深い疑いの目が隠されている。 とりわけ印象的なのは、阿Qの性的欲望を描く手つきだ。未荘の寡婦や小尼への思いは、決して露骨には描かれない。それは常に、暴力や妄想のイメージとないまぜになって、かすかに示唆されるだけ。これは単なる遠慮や検閲逃れではない。捉えどころのない人間の欲望を描く際の、魯迅なりの美学的な選択なのだ。 革命の描き方にも、従来とは違った読み方ができる。阿Qが革命に加われないのは、彼が「遅れている」からではない。そこには、革命という出来事自体を「物語」にすることの難しさが潜んでいる。当時の知識人たちが革命を「物語」として消費していたことへの、痛烈な皮肉とも読めるわけだ。 作品中、繰り返し言及される阿Qの「禿頭」。これも実は、梁啓超らが説いた「国民身体」という考え方への、密やかな反論として読める。阿Qの身体は、近代的な「国民」として整えられることを、どこまでも拒み続けているのだ。 魯迅がこの作品で成し遂げた革新は、私たちが想像する以上に大胆なものだった。それは「文学革命」の旗手という通り一遍の評価を超えて、文学という営み自体への深い問いかけを含んでいる。百年の時を経た今、私たちがなおもこの作品に心を揺さぶられるのは、阿Qという鏡に映る自分の姿が、あまりにも鮮やかだからなのかもしれない。
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最初は立派な人物の伝記と思いきや、いい加減で無知でどうしようもない男の話が始まる。皆に馬鹿にされてもある意味強メンタルの持ち主。 最後の方になんかよくわからないうちに終わりを迎えるのだが、背景を知らないと呆気ない印象。 もう少し、ストーリーだけで面白いと良いのだが
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子供の時、いつもかよっていた本屋の棚にあって気になっていたけど、なかなか読む気になれず今日初めて読んだ。やっぱりあの時読んでおいたらよかったなあと思う。子供の時に読んでいたら、もっと違う大人になっていたかもしれない。 ということは自分も阿Qと同じということか。。。
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