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経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く 新潮選書

牧野邦昭(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2018/05/25
JAN 9784106038280

経済学者たちの日米開戦

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商品レビュー

4.1

22件のお客様レビュー

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2023/03/01

秋丸機関なんて聞いたこともなかった。 先の大戦で、経済面の国力分析を、日本と他国においても行なっており、それはかなり正確だった。 その報告書が、開戦の障害になるから全て廃棄されたと言われていたが、実のところ、世間一般で言われているような内容と大差なく、そんな気密でもなく。 日米...

秋丸機関なんて聞いたこともなかった。 先の大戦で、経済面の国力分析を、日本と他国においても行なっており、それはかなり正確だった。 その報告書が、開戦の障害になるから全て廃棄されたと言われていたが、実のところ、世間一般で言われているような内容と大差なく、そんな気密でもなく。 日米の国力差、1:20。 故に、資源確保も狙って乾坤一擲、あらゆる条件を好意的に見積もって開戦するしかなかったという判断。 そこは、行動経済学とか、社会心理学の分野であって。 結果論だが、あまりに稚拙。結果はね。 もうちょっと、現状維持でジリ貧にはならないかも、という報告書もできたんじゃないかと投げかける。

Posted by ブクログ

2022/08/18

戦はしない方がいい。今度の戦争は、国体変革までくることを覚悟している。然しそれではこのシャッポを脱いでアメリカに降参するか。凡そ民族の勃興するのと滅びるのとは、仮令噛みついて戦に敗けても、こういう境地に追い込まれて戦う民族は、再び伸びる時期が必ずある。こういう境地に追い込まれてシ...

戦はしない方がいい。今度の戦争は、国体変革までくることを覚悟している。然しそれではこのシャッポを脱いでアメリカに降参するか。凡そ民族の勃興するのと滅びるのとは、仮令噛みついて戦に敗けても、こういう境地に追い込まれて戦う民族は、再び伸びる時期が必ずある。こういう境地に追い込まれてシャッポを脱ぐ民族は、永久にシャッポを脱ぐ民族だ

Posted by ブクログ

2022/01/09

秋丸機関と成立経緯と報告書を読み解くところから始まっているが、躓きながらも読み通してみると、第5章の開戦決定について行動経済学や社会心理学から分析した部分と、その上で経済学者として避戦のためにどういうアプローチが取れたのかという第6章が一番の珠玉であったと思う。 そこは良かった...

秋丸機関と成立経緯と報告書を読み解くところから始まっているが、躓きながらも読み通してみると、第5章の開戦決定について行動経済学や社会心理学から分析した部分と、その上で経済学者として避戦のためにどういうアプローチが取れたのかという第6章が一番の珠玉であったと思う。 そこは良かったのだが、秋丸機関の経緯等を述べる1-3章、報告書の内容に漸く入る第4章までが長く退屈で、読むのを放棄しようかと思った。 しかし、第5章で俄然面白くなる。前提として秋丸機関の報告にあるような、経済面では英米にとても太刀打ちできませんよというのは公刊情報からも分かる話で、当時の政策決定者間の常識であった。したがって、「昭和16年夏の敗戦」で若手が指摘したような日米必敗の内容は刮目して視るような新事実では無かったということ。 その上で、行動経済学の観点から、A戦わなければジリ貧で負ける、B戦えばかなりの確率でドカ貧になるが、ドイツが英国・ソ連を圧倒し、米国が英支援を諦めれば有利な講和の可能性は万が一にもあり得る、という基本的にマイナスの二つの選択肢のうち、プラスの可能性があるBに賭けた(こういう場合、必敗のAよりBがグラマーに見える)ということと、社会心理学からは、意思決定権が分散している場合は、お互いの牽制から強めの意見を出して、結果的に極端な方向へ意見が集約されるという。開戦決定をこれら二つの理論から説得的に説明している。 また、Bについて3年目以降は分からないのに開戦したとの批判があるが、分からなかったからこそ(リスクを確実に評価できなかったからこそ)開戦に傾いたとも議論している。 これらを述べた上で、経済学者の立場としては、ある種議論がBだけにフォーカスしている中で、Aをより精緻に分析・予測し、ある程度期待値込みでもグラマーに見せることが避戦のために必要だったのではないかと述べている。 ここまでは非常に良かったが、また終章で、秋丸機関の主な登場人物のその後について書かれているが、ここはそこまで一々の人物に関心がある訳ではない私としては、また苦痛の一章であった。 なお、一点付け加えると、上記昭和16年夏の敗戦で語られる総力戦研究所は、実は英米の国防大学的なものを狙いとして設置された軍官民の若手幹部候補を集めた教育機関であり、日米戦争のシミュレーションを行うことを主目的に人を集めたものでは無かったということ、また、その研究以外にも様々な報告書が出ていてこれだけにフォーカスするのは片手落ちとの指摘も面白かった。猪瀬直樹氏が筆致良く書いたがために???、総力戦研究所の研究生の成果の一部が着目され、あたかも政権幹部が不都合な真実に目を瞑って開戦決定を行ったかのような印象を持っていたが、そうでは無いと、そんなことは東條陸相以下、よく分かっていた話だったと。ここは目から鱗だった。今仮に、自衛隊の幹部学校?の学生などがシミュレーションで日中必敗を予測し、それを防衛大臣に報告したにも関わらず日中戦争になって負けた、ということが起きたとしても、その政府の決定における当該予測の影響はゼロに等しいだろう。それを100年後に、良い報告を無視して戦争に入ったと言われても目が点ということだと思う。この点も、自分としては大きな発見だった。 構成の問題だが、この長い前置き・終章を削って、報告書内容・昭和16年夏の敗戦的な話が何ら新規なものではないこと、理論の説明と分析、という面白い部分に力点を置いてもらえれば、非常に良かったと思う。

Posted by ブクログ

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