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文字と楽園 精興社書体であじわう現代文学

正木香子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 本の雑誌社
発売年月日 2017/11/09
JAN 9784860114060

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商品レビュー

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2024/05/08

多くの出版人と作家を魅了してきた活字の書体、清興社書体。その後写植からDTPの時代になっても選ばれ続ける文字がつくりだしてきた言葉の世界。 私のなかでは完全に「堀江敏幸のフォント」として頭にインプットされていた精興社書体。こうして名前を知るのは初めてだ。新潮クレストブックスも...

多くの出版人と作家を魅了してきた活字の書体、清興社書体。その後写植からDTPの時代になっても選ばれ続ける文字がつくりだしてきた言葉の世界。 私のなかでは完全に「堀江敏幸のフォント」として頭にインプットされていた精興社書体。こうして名前を知るのは初めてだ。新潮クレストブックスもこの書体で統一されているのだという。気がつかなかったな。 『文字の食卓』とはまた違い、同じひとつの書体を使って印刷されたというつながりで書かれた文学論という感じ。この書体はカタカナが美しく、だからこそ異国のことを書いた堀江さんの小説や翻訳文学と相性がいいのではないかと思う。逆にこの細くて上品な感じの印象が文章に良いギャップを生みだしている例として、安野モヨコの『くいいじ』が取り上げられているのが面白かった。

Posted by ブクログ

2021/04/06

池袋の雰囲気のある古本屋さんで、思わず手に取った1冊 今まで書体を気にした事はなかったのに、何故か吸い寄せられるようにこの本を開いたのは、その装丁の力なのか。それとも帯に書かれた村上春樹、という文字のせいか はじめに、に書かれている一文にまず驚く。書体に種類があることを初めて知...

池袋の雰囲気のある古本屋さんで、思わず手に取った1冊 今まで書体を気にした事はなかったのに、何故か吸い寄せられるようにこの本を開いたのは、その装丁の力なのか。それとも帯に書かれた村上春樹、という文字のせいか はじめに、に書かれている一文にまず驚く。書体に種類があることを初めて知る。 パラパラとページを捲る。知った作家の名前が出てくる。特に気になったのは、安野モヨコだった。庵野秀明の奥さんということを知ったばかりでその名前を鮮明に記憶していたから思わず目が止まった。そこで紹介されていたエッセイと、その文字についての批評がとても面白かった。この作品を読みたいと思った。 最初はただ見るだけで、買うつもりのなかったこの本を、一度手放して本屋を出たが、どうしてももう一度読みたくって帰ってきた。 もう一度手で触れると、どうしても離したくなかった。よく見ると、ブックリストに入れていた他の作品も紹介されているじゃないか。 金欠だったのでてとても悩んだが、結局買った。 読み終えて、書体の違いを理解する事はできなかったが、初めて文字を「あじわう」という感覚になった。

Posted by ブクログ

2018/10/29

[図書館] 読了:2018/10/29 MdN2018年11月号で精興社書体を知り、検索して出会った本。書体に「たたずまい」を感じる稀有な書体と思う。そして、その書体を使った本が量産されても、その上品さ、伝統や威厳を失わないのがこの書体の偉大なところだ。リュウミンとかだと、世に...

[図書館] 読了:2018/10/29 MdN2018年11月号で精興社書体を知り、検索して出会った本。書体に「たたずまい」を感じる稀有な書体と思う。そして、その書体を使った本が量産されても、その上品さ、伝統や威厳を失わないのがこの書体の偉大なところだ。リュウミンとかだと、世にあふれすぎてリュウミンを使ってるというだけで「この本に書いてあるのはごく普通のこと」という印象(偏見)を持ってしまう。 p. 81 三島由紀夫『金閣寺』、これが「もし古い活字で組まれていたら、お寺の僧侶を主人公に自己の内面世界を旧漢字旧仮名遣いで描いた小説はさぞ陰鬱に感じられたことだろう。」というのにたいへん同意。 他の小説もこれが岩田明朝体だったら…筑紫明朝体だったら…などと想像すると、書体は内容・装丁などとともに本当に本の一部なんだなぁと感じる。 p. 84 三島由紀夫の『文章讀本』に出てくる、「表音文字の言語を話す人たちは、印刷効果の視覚的な効果と言うものを考えない。しかし我々にとっては、一度、象形文字を知ってしまった以上、文章において視覚的効果と聴覚的な効果とを同時に考える事は、ほとんど習性以上の本能となっております。」という話が面白い。と言ってもあちらの国々でもタイポグラフィは発展しているわけで、全く無関心と言うわけでもないと思うが…。 三島由紀夫「金閣寺」の後に村上春樹の「ノルウェイの森」が紹介されていたため感じたのだが、自分は村上春樹にはどうしても距離感を感じる。三島由紀夫のほうがずっといい。何故かと言うと三島由紀夫の作品には根底に狂気を感じる。村上春樹作品の登場人物たちは、狂気とは縁のないごく正常な人たちが、世間の人とはちょっと違うことをやって「僕ってちょっと変でしょ?」と見せつけてくるような、滑稽な感じがするのだ。本当の変さがどんなものかも肌で知らないで、人とずれてて狂気じみてる自分かっこいいと思ってるような。 狂気を持たない人間などつまらない。もっと上さんに言うなら、狂気に至るほどの経験をしていない人間など、なんてつまらないのだろうと思う。 p. 91 村上春樹の長編作品の単行本で使われた本文書体を並べられているのが興味深い。 p. 152 J. ラヒリ『べつの言葉で』 新潮クレストブックスについて調べていたら、なんか見覚えが…アリス・マンローの『イラクサ』だ! 「新潮クレスト・ブックスの場合、作品ごとに表紙のデザインはまったくちがう。印象にのこる美しい装画。しなやかな紙の手触り。ぶ厚くて重たい単行本のイメージを覆す、洒落た装丁は画期的だった。」 表紙のおしゃれさ、本としての出来の良さはすごく覚えている。また読みたいなぁと思った。 p. 200 同じ日に読んだMdN2015年7月号の「絶対フォント感」号とシンクロしていた。「精興社や凸版印刷で新しい活字書体が誕生するほんの数年前、写植メーカーの写研は「石井細明朝体ニュースタイル」を発表した。写植の文字は、その性質上くっきりとした輪郭が特徴の一つだが、新書体は従来の「オールドスタイル」よりもさらにシャープで、明るみの多い書体になっている。(中略)「石井細明朝体ニュースタイル」のデザインコンセプトの説明にも添えられている、「戦後の世相を反映した明るいデザイン」という宣伝文句だ。何気なく通り過ぎてしまうようなことばだけれど、これを「文字」で表現することのむずかしさを思うと、感動すら覚えてしまう。戦争の記憶を抱えて生きる人々が、戦争を知らない文字を求めたということ。新しい時代のための新しい文字を。」

Posted by ブクログ

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