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茄子の輝き
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/06/30 |
JAN | 9784103353133 |
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商品レビュー
3.3
53件のお客様レビュー
おそらく「花束みたいな恋をした」を鑑賞した人が手に取ってみたのと同じ流れで本書を読んだ。社会人になって、多忙のためなど時間の流れが変わったり、自分自身の価値観に変化が生じたりして、本書がぞんざいに扱われているシーンを見て心の奥が痛む感覚を覚えた。 実際に読んでみて、内容自体は日常...
おそらく「花束みたいな恋をした」を鑑賞した人が手に取ってみたのと同じ流れで本書を読んだ。社会人になって、多忙のためなど時間の流れが変わったり、自分自身の価値観に変化が生じたりして、本書がぞんざいに扱われているシーンを見て心の奥が痛む感覚を覚えた。 実際に読んでみて、内容自体は日常を中心とした話で大きな展開もないものの、なるほど確かにあの状況の主人公では読むのは難しいだろうなと思えた。 こういう本を読んで楽しめる余裕のある人生がいいなと思いつつ、大学生の時の自分が読むにはまだ人生理解が足りていないので、逆に社会人になってから読む方が実感として共感・反発できる箇所も多いのではないかとも思えたので、結局のところいつ読んでも心が何かに触れる気がする。 表紙・書名の茄子の描写は非常に細かくリアルだったので、この部分を読んだその足で、茄子の揚げ浸しのあるお店に直行してしまった。 情景描写の緻密さと大まかな感じが両立する文体は、著者の他の本とも重なっていると思うので、その感覚自体は定期的に味わっていきたいところ。 ==== 待ってて。あと三、四時間でできるから、とまたふざけて言い、先にこれね、茄子、とカウンター越しに黒色の浅い鉢を寄越した。 油をまとって鮮やかに輝く紫色の皮に、均等に斜の切れ目が入れてあり、そとから金色の実がのぞいていた。素揚げされてだしに浸った茄子の半身に、薄くかかれた鰹節と、すりおろした生姜の山がのせられていた。切り込みに箸を入れて実をちぎり、千絵ちゃんがひと口ほおばった。 おいしいー。 茄子の果肉から溢れるだし汁とごま油の香り、生姜のさわやかな辛味。私は千絵ちゃんの味覚そのものになって、千絵ちゃんの舌の上でほぐれる茄子の実にもなって、皮を引き制がされ、上顎に押し付けられて、舌先でくずされていく。やがて千々に噛み砕かれて、喉を通ってその奥へとすべり落ちていく。(p.117)
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※このレビューにはネタバレを含みます
映画『花束みたいな恋をした』で有村架純がこの本を読み終わった後のうっとりした満足気な様子が印象的で、読んだ後にそんな余韻に浸れる本とは素敵だな。どういうストーリーなんだろうととても興味が湧いて読んでみた。 ところが、私の読後感は有村架純みたいに余韻に浸るどころか、まったく話の内容が響かず、主人公の男が行なっていることがキモすぎて何が素敵な話か全くわからなかった。風景の描写なども細かいけど、想像しにくく、途中に出てくる話も妄想なんだか誰の話なのかわからないストーリーもあり、最後の方のずぶ濡れでスタバに行ったあたりの話は一体なに!? タイトルの茄子の輝きっていったいどういうことだろう?と興味を惹かれたけど、そのエピソードもちょっとがっかりだった。何かの比喩かと思ったけど、ほんとに茄子が輝いてただけ、、、
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改行がないので読みにくさを感じる人は多くいると思うが、私はこれが好み。滝口悠生のワールド感を感じられる。妻と別れた男性がどう生きてきて何を感じて、元妻の記憶の在り方等を淡々と描き綴られている。個人的には市瀬さんと緒乃さんのあの先がどうなるのか?が興味深い。
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