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阿蘭陀西鶴 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2016/11/15 |
JAN | 9784062935234 |
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阿蘭陀西鶴
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商品レビュー
4.2
38件のお客様レビュー
西鶴の娘おあいが主役。 盲目のおあいだが、家のことは一通りこなせる。 近所への買い物もできる。 同時に、談林派の俳諧師でのちに戯作者になる父西鶴の越し方も描かれる。 元禄のころ。 好色一代男などのヒット作を生み出した西鶴と、その周辺のあれこれが勉強になる。 西鶴の妻、つまりお...
西鶴の娘おあいが主役。 盲目のおあいだが、家のことは一通りこなせる。 近所への買い物もできる。 同時に、談林派の俳諧師でのちに戯作者になる父西鶴の越し方も描かれる。 元禄のころ。 好色一代男などのヒット作を生み出した西鶴と、その周辺のあれこれが勉強になる。 西鶴の妻、つまりおあいの母は早くに亡くなる。おあいの弟たちは他家へ養子に出されるが、おあいは西鶴の手元に残された。 父の気持ちがわからないまま、父と娘の日常生活があり、おあいは父の身の回りの面倒を見る。付き合いの広い父の客のために料理をする。 なかなか大変な生活。 読みどころは、目の見えないおあいの感覚で作られる家庭料理の匂いと味の表現。とてもとても美味しくそう。 いい小説だった。
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小学校の歴史でしか知らなかった「井原西鶴」という人物像を深く知ることができた。娘のあおいの視点で書いているのもよかった。西鶴がどのように生きてきたのかということと、親娘愛という異なった方面から楽しめる本だった。
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大矢博子さんの解説を読んで、そうだったのか!とスッキリした。読み初め、やや物語に入り込めない感があったのだが、「おあい」を見ていた自分が、いつしか「おあい」として見るようになっていき、すっかり作品世界に没入していたからだ。大矢さんが書かれている「思えば、目が見えない ー 映像情報...
大矢博子さんの解説を読んで、そうだったのか!とスッキリした。読み初め、やや物語に入り込めない感があったのだが、「おあい」を見ていた自分が、いつしか「おあい」として見るようになっていき、すっかり作品世界に没入していたからだ。大矢さんが書かれている「思えば、目が見えない ー 映像情報がないということは、テキストのみで構成される小説を読む行為と似ている、と言えるのではないか。さらに本書はおあいを語り手にしたことで、物語の中にも人の目鼻立ちや風景の直接の描写はまったく出てこない。しかし読者の目には、台所に立つおあいの姿がはっきり目に浮かぶ。桜鯛を捌く彼女の手が、彼女が出会った人々の様子が、それぞれの読者の心の中で再現される。」「もちろん、著者の筆力あってこそだが、これが物語の力だ。」という言葉に、非常に納得した。 とはいえ、解説は作品の読後に読んだのであって、このように整理された考えを頭で理解し読み進めていた訳では、もちろん全くない。 徐々に解き明かされ深まっていく親子の時間を共に生きることで、二人の生涯は幸せだったのだなぁと、静かに満たされて本を閉じることができた。世の中が落ち着き文化が成熟していく時代の、大阪の市井の人々の闊達な暮らしぶりがまた、気持ちを晴れやかにしてくれた。朝井まかてさんは、やっぱり面白い。
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