大好きなおばあちゃんが買い物弱者になるかもしれない。 それを知って、大学を中退し地元で移動販売車を始めるたまちゃんのお話。 自然豊かな青羽町の様子や、家族や友達、地域の人の温かさには、読んでいて癒やされた。 お話としても面白かったが、たまちゃんの周りの人たちの発する言葉が素敵で、その言葉だけ読んでも十分に面白いと思った。 ・人に期待する前に自分に期待すること。その期待に応えられるよう自分なりに頑張ってみること。人にするのは期待じゃなく感謝だけでいい。 ・人生にあるのは成功と学びだけで、失敗はない。 ・人生なんてあっという間だから、一分一秒を惜しんで、なるべくいい気分で過ごしなさい。 ・人は人に喜ばれたときに、いちばんいい気分になれる。 ・裕福と幸福は違う ・正太郎さんが、絵美が味わうはずだった分まで「幸せ」を背負って生きて。 ・人と人は比べても意味がない。それぞれに長所と短所があって、それぞれに愛すべき人なんだよ。

大学を中退して田舎に戻ってきた20歳の主人公が、家族や祖母、地域の人々や同級生などに支えられながら、移動販売を起業して始める物語だった。 移動販売を始めるきっかけとなった社会問題、車や資金、売り物の調達など移動販売をする上で大切なことや、その裏側などを知ることができた。 この物語は表紙のイラストがとても好きで、借りたが、内容もほのぼのして好きだった。 また、田舎だが、色々な家庭の現状が知れて、それらの家庭で育った人達と平等に平和に暮らしていくためのコツや大切な人を亡くしてから、どのように前を向いていけばいいかを知ることができた。