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ユートロニカのこちら側 ハヤカワSFシリーズJコレクション

小川哲(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2015/11/01
JAN 9784152095770

ユートロニカのこちら側

¥385

商品レビュー

3.6

21件のお客様レビュー

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2024/02/03

第3回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作にして、小川さんのデビュー作。北米を舞台にした目新しい感覚のディストピア小説だ。 冒頭にアシモフの「ロボット工学三原則」が書かれていてそれに惑わされてしまったが、『ロボコップ』のような暴力的な世界ではない。むしろ穏やかで“楽園”と呼ぶにふさわ...

第3回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作にして、小川さんのデビュー作。北米を舞台にした目新しい感覚のディストピア小説だ。 冒頭にアシモフの「ロボット工学三原則」が書かれていてそれに惑わされてしまったが、『ロボコップ』のような暴力的な世界ではない。むしろ穏やかで“楽園”と呼ぶにふさわしいものだ。だが、その世界のなにが問題かに気づくと空恐ろしい。現代の延長としての「あり得る未来」を創造したという意味で先見性があった。 翻訳調の文体は読みやすいとは言えず、登場人物も平板な印象だが、作家・小川哲の原点がここにある。

Posted by ブクログ

2023/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すべての情報管理が進んだ社会という感じで、伊藤計劃『ハーモニー』やオーウェル『1984年』、ブラッドベリ『華氏451度』などを思い出しながら読んだ。 不自由がなくなると、自由というものがなくなり、欲求が満たされると欲求は存在しなくなる。そんな社会では意識はいらなくなる…というような、静かなディストピア感が浮かび上がってくる。 映画館を出た時の感覚は、言語化されてみるとけっこう共感できた。 ==== どこか夢の中にいるような気分だった。ユアーズで過去への冒険をして以来、外の世界に対する焦点がぼやけているような感じだ。質のいい映画を観た後にはいつもこういう気分になる。二時間ほど別世界に閉じこめられ、映画館から出るといつの間にか外は暗くなっている。まっすぐに見えていたものが曲がって見え、曲がって見えていたものがまっすぐに見える。つま先から広がる薄闇、冷たい北風、なんとも思っていなかったネオンサインや町を行き交う人々が、どこか尊くてかけがえのなあいもののように感じられる。現在という瞬間が、絶え間なく続く過去と未来の連続の中で、何か特権的な地位を持っているように思えてくる。(p.100) 「自由とは不自由という堅固な牢獄からの脱獄者である。もし牢獄がなければ、自由は何の肩書も持たない」 人間は、不自由からの解放という形でしか自由を認識できない。不自由がなくなれば自由もなくなる。完全に欲求が満たされれば欲求は存在しなくなる。意識がなくなれば、無意識もなくなる。(p.246) 「忘却が本当に恐ろしいのは、自分が忘却したという事実さえ忘れてしまうことなんです。みんな、都合よく生きるために都合の悪いことを忘却しようとします。忘却するために、別の楽しいことで頭の中をいっぱいにしようとします。そうやって、自分が何かを忘却したという事実すら忘れ去ろうとするのです。次第に、意図せずとも不都合なことは忘れてしまうようになり、最後には、不都合なことはそもそも目に入れないようになってしまいます。罪の原因になりそうなものを、自分の周囲から徹底的に排除するんです。気持ちのいい言葉だけを耳にして、世界が自分の望むように回っていると思い込むんです」(pp.300-301)

Posted by ブクログ

2023/09/12

「眼鏡をかけろ、自由を探せ」 個人情報と引き換えに完璧な生活が約束されるアガスティアリゾート ユートピアが実はディストピアだった属フワッと系SFでした フワッと系って何よ?って思われるでしょうが説明が面倒なので語感で察してほしい やれば出来る子ですあきらめないで そしてフワ...

「眼鏡をかけろ、自由を探せ」 個人情報と引き換えに完璧な生活が約束されるアガスティアリゾート ユートピアが実はディストピアだった属フワッと系SFでした フワッと系って何よ?って思われるでしょうが説明が面倒なので語感で察してほしい やれば出来る子ですあきらめないで そしてフワッと系SFとは相性があまり良くない 僕ってほらアウトボクサーじゃん?(知らんわ) スピードで相手を翻弄しつつ、相手の射程外からパンチを当てる 焦った相手が大振りしてきたところをカウンターで仕留めるっていう戦い方ね なので足を止めて打ち合うようなベタ足のインファイトは苦手なんよ フワッと系SFとか純文学ね え?伝わらない?あきらめないで! やれば出来る子だから もうちょっと言うと読書におけるインファイトっていうのは 理解しようと何度も読み返したり、言葉を調べたり、付箋を貼ったり、メモを取ったりという行為ね 作品と正面から向き合ってボコボコに殴り合う読書法です 良い悪いではなくて得意不得意の話ね なので、なんか良くわからんかったけど面白かったなぁ〜という矛盾たっぷりの感想で締めたいと思います

Posted by ブクログ

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